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ブランディングは人の孤独を減らす

ブランディングがどう社会に価値を与えるのか、見えてきました。

人が人生を豊かにするためには、人生最大の課題「孤独感」を減らす必要があります。仕事か生活のどちらか、理想はその両方で孤独感が減るのを目指したい。 孤独感を減らす方法は、三つあります。

一つは、祭りのような環境に身をおくこと。興奮すると、人は周囲が見えなくなります。周囲が存在するから孤独を感じるので、周囲を消してしまえば孤独感は和らぎます。たくさんお酒を飲んで泥酔すれば、少なくともその時間は自分の世界に入り込んで孤独感を和らげられる。これは強力な方法ですが、長続きしません。祭りは毎日つづかないのです。

二つめは、同一化。人と同じことをすると、安心して孤独感が和らぐ。制度を守っていると安心します。みんな と同じことをしているからです。書類を期日に出す、みんなと同じタイミングで就職する、同期の飲み会に行く。みんなが出勤する時間に出勤するのも、ある意味、社会のなかでメジャーな行動をしている。その点で、通勤の満員電車に乗り安心する人が、世の中にたくさんいるはずです。 同一化は持続しますが、孤独感を和らげる効果は弱め。色んなコミュニティで同一化をはかれば、重層的に孤独感を和らげることができます。

孤独感を和らげる三つめの方法は、創作的活動です。他者との関わりではなく、内なる精神世界に自分と近しい何かを求めるのです。自分が生み出した創作物は、自分自身との接点があります。その意味で、自己表現は、自分がそれを生み出した時点でその目的を果たしているといえます。なぜなら、自分が生み出した創作物は、自分自身の分身といえるからです。その観点からは、人の評価や共感は、ある意味おまけのようなものかもしれません。もちろん評価・共感されれば、同一化の効果もありますので、複合的に孤独感が解消されます。

さてその自己表現。どのようにすればよいのでしょうか。

自分の考えを言葉にする、絵を描く、写真を撮る、歌をつくる、歌う、それらを発表する。これができれば、表現者です。簡単に言いますが、これって案外、難しいです。自己開示する覚悟と度胸、自分の創作物にネガティブなことを言われても直接受け止めないメンタルが必要。これって、みんなができることではないと思います。創作的活動は、人によっては難易度が高い。

祭り的な興奮、ゆるやかな同一化、創造的活動で自己の分身を増やす。この三つの方法をおり混ぜ、組み合わせながら、人は、人生において、自分の孤独感を減らす工夫をしています。

私はこの三つの全てに、ブランディングの役割があると感じています。 新しい商品を買うとき。そのカテゴリの商品をいろいろと調べて、自分に一番フィットする商品を選びます。フィットとはサイズ感や必要な機能はもちろんのこと、価値観も含まれます。たとえば時計を買うときに、あなたはどの時計を買いますか。今どきは、100円均一でも時計は手に入ります。単に時間を知るだけなら、その機能は果たすはずです。 ですが人は、それだけを買うわけではない。装飾的な時計を買う人もいる。機能美を追求した時計を買う人もいる。例えば人が「シンプルで美しい」ものを選ぶとき、それはその人の価値観を表現する、自己表現になっているのではないでしょうか。そぎ落とされた簡素な美しさを追求するBRAUNの時計をもつ人は、その美的な価値観に共感しているという表明であり、これは一種の自己表現なのです。つまり、ブランド力の高い商品は、誰かの自己表現のツールになります。

また、思想が明確な会社で働くのも、孤独感を解消します。

Appleで働く人は、革新的で美的感覚に優れた、もしくはそれを大切にする人です。価値観のフィット感が高い集団に身をおき、近しい思想の仲間とともに、存在に共感できる商品を、それを求める人に届ける時間は、豊かな時間になりえます。人は、価値観に共感できる場所で働き、人生の課題「孤独感を減らす」と向き合うのです。

まとめると、みんながみんな創作物により自己表現できる訳ではない。一方で価値観がフィットする商品を愛用する、価値観がフィットする会社で働くのは間接的な自己表現であり、それも孤独感を解消する方法になりうる。

だから、人が人生の課題「孤独感」を解消するために、すべての商品や企業は、ブランディングで価値観を明確にして社内外に発信するべきである、というのが私の考えです。

社内外と言いましたが、まずは社内。社外はあとです。

ブランディングの重要な目的は、独自性と価値観、思想を明確化することで、そこで働く人やその商品を取り扱う人との価値観のフィット感を増し、その人たちに誇りを与えるとともに、その人たちの孤独感を減らすことです。

金銭報酬には限界があります。これからの日本は特に。ならば、そこで働く人の人生の課題解決に少しでも役立つような存在になるのが、社会に存在する全ての商品や企業の、使命なのではないでしょうか。

かっこいいロゴ、オシャレなパッケージ、映像美を追求したWebサイト。こういったものがブランディングだと思うのは、間違っています。それらはブランディングの一部(そして後半の段階)であり、全てではありません。

調査もせず、いきなりMVVをつくるのもどうかと思います。そのビジョンに、独自性はありますか。根拠はありますか。他との違いはどこですか。競合他社も同じことを言えるんじゃないでしょうか。あなたの会社にしか言えない内容じゃないと、つくる意味ないんじゃないでしょうか。というか、表層的でぬるいMVVなら、ないほうがマシじゃないでしょうか。とりあえず流行っているからつくる、という態度の表明になってしまいます。

耳ざわりのいい、そのポエムみたいなMVVで、誰が価値観のフィット感を感じられますか。 MVVをつくろうというのは、社内に気持ちがむいている証拠。せっかくなら、調査してから、いいやつ作りましょう。そして言葉だけじゃなく、ビジュアル化もしましょう。今どき、言葉だけじゃ、伝わりませんよ。

私は、商品や企業が、独自性を秘めているにも関わらず、そのへんの競合商品と同じようなぬるい浅い表現で、そのポテンシャルを埋もれたままにしていることに憤りを感じます。もっとその独自性を特定し、価値観を表明して、社員の孤独感を和らげ、社会の幸福度を増してください。

あなたの商品や企業には、とんでもない独自性や可能性が眠っているし、ブランディング支援にはそれを発掘し、最大化させる効果があります。 せっかくそこにある商品や企業の魅力、もっと引き出しましょう。それで、そのブランドを育てて、社会に貢献しましょう。

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