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どうして薬局薬剤師は「今日はどうしたのですか?」と質問してくるのか

薬局薬剤師の話が出てくると、たいてい話題にされる、これ。
ママ友とか、私が薬剤師だとわかると「ほんと、いちいち聞くのやめて欲しいわ」と、ニコニコしながら、でも多分本気で言ってくる。


本当はそんなこと聞かなくたっていい

私は、「今日はどうしたのですか?」なんて質問はまずしません。処方箋見ればだいたいわかりますから。でも、それでは済まない現状があります。

処方箋って、完璧な状態で薬局にくるものばかりではないのです。
・医師が処方を間違える。または何かを見落としている。(その方の持っている疾患にはのませられない薬を出してしまう、など)
・処方せんの印字まちがい(人間が入力して印字するので、これはしかたない)
・併用薬確認したら、なんと飲み合わせ絶対ダメなパターン(併用薬医師に言わないタイプ)
・症状や疾患によって、服用する量が異なる場合。
・患者さんの訴えている症状に必要な薬が処方されていない。(コミュニケーションって大事)

患者さんとお話ししていて、「なんか処方量がおかしい」とか、「この患者さんの訴え、医師に届いていないかも」など多くのことを考えているのが薬局薬剤師です。
1日に何回も、そんなことが起きます。
だから、どうにかして患者さんの訴えている症状、処方の内容と合っているかは確認したいのです。

薬剤師になりたてのころは、本当に大変でした。うまく患者さんのお話が聞き出すことができなくて。よく、どなられたり、ねちねちと苦情を言われたりしたものです。

「個人情報だから話したくないです」って、きっぱり若いお嬢さんに言われたこともあります。別にあなた個人に興味があって聞いているわけではないのですけどね。

話した方が身のためだ?

自分にとって、安全で確実な薬を受け取るためには、ちょっとでもいいのでヒントをください。全部話せとは言いません。

自宅に戻ってから「咳止め出てないんですけど」「抗生剤処方するって先生言ってましたけど出てない」とか、お電話いただくこともあるのです。薬を受け取るときに、ちゃんと話してくれればよかったのに。薬剤師と話すときくらい、スマホから目を離して一緒に薬の確認してくれればよかったのに。

「緑内障です。目薬しか使ってないから、内科の医師には言ってません」
「解熱鎮痛薬で、喘息発作おこしたことあります。1回だけだから関係ないかなと思って」
「前立腺肥大で泌尿器科通ってます。薬変わらないから手帳には記録してないよ。今なんでもないから内科の医師には言ってない」

こんな感じで風邪やらなにやらで受診したら、大事故直前です。
ちゃんと薬局で、症状や状態を教えてくれたら、医師と処方変更の相談もできるし、未然に事故が防げるのです。

「薬剤師のくせに」「身の程をわきまえろ」

こんな言葉を若いころによく医師から言われました。医薬分業がまだあまり浸透していなかった頃だったのか、疑義照会なんてしようものならこんなことを言われたり。

今時はこんなことおっしゃる医師はあまりいないと思います。とくにお若い先生は、とても腰が低くて薬局を頼りにしてくださったり、一緒に処方する薬を相談させていただいたりします。

患者さんだって、多かれ少なかれ薬剤師なんて頼りにしていないことは、こちらはわかっています。
「説明いいから、早くして」
「先生に話したから、ここでは言いません」
本当に、大丈夫でしょうか。それならいいですけど。

薬剤師って、白衣着て偉そうに見えるかもしれないけど、偉くないしあんまり頼りにされてないの知ってますから。

どこぞの芸人さんが、テレビ番組で薬剤師なんて~とかなんとか言って騒ぎになっていたようですが、多分薬局の薬剤師のほとんどは、それを聞いても怒りすら感じなかったのではないかなと思いました。日頃、もっとひどいことを面と向かって言われることもありますからね。

お互いを「〇〇先生」って呼びあったりしている薬剤師を見ると、私自身はとっても痛々しいような気持ちになります。先生なんて呼び合ってるから、医者になれなかったかわいそうな職業だと思われるんだよって。

患者さんへの接し方

心がけていることは、患者さんに不快な思いをさせずにお話してもらうこと。

あまりお話したくなさそうな患者さんには、イエスかノーかで答えられる質問から始める。
「お熱高そうですね」「咳はもう数日は続いているのですか」「鼻水、あれ?蕁麻疹ですかね」などなど。
最初から、「今日はどうしたんだ、受診の動機と症状言ってみろ」的なことは言いません。
薬局のおばちゃんと、ちょっとおしゃべりするような感覚で来てもらったらいいなと常々思っています。

まとめ

薬剤師って、お勉強が少しできたけど人とのコミュニケーションがいまいちな人が多い気がします。
もし薬局で、お話が上手ではない薬剤師にあたってしまったら、まだ未熟者なのねと今後の成長を見守ってくださったらありがたいです。
私も、日々何事も勉強と修行と思って、精進いたします。










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