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【詩】同級生(再会)

遠い異郷の晴れの舞台で
気安く声をかけられて
懐かしそうに 語る笑顔に
君は 記憶の底をさらっている

忘れかけた遥かな景色を
前触れもなく 掘り起こそうと
不意をつかれて 戸惑う君に
こぼれるまま 言葉をつづける

あの日 軽やかに
刻み込まれた 根深い傷を
君は 知らずにいたのだろうか

余所行きの目で こたえる君に
あの頃のまま 無防備で
もう 疼くことのない傷跡を
恥じるもなく なぐさめて
二度と会うことのない青春に
名残惜しそうに 手を振っていた

©2024  Hiroshi Kasumi

お読みいただき有難うございます。 よい詩が書けるよう、日々精進してまいります。