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2021 J2リーグ第3節 モンテディオ山形vs松本山雅FC 感想文Light

1.はじめに

オッス!オラ僕!
という事で、昨季ダブルされた天敵・松本山雅との一戦。しかも相手は今季ホーム開幕戦と、非常に難しい試合でしたが、痛み分けで最低限の勝ち点1を持ち帰る結果となりました。

2.試合結果

モンテディオ山形 1 − 1 松本山雅FC

得点者 山形:17 加藤
    松本:8 河合

スタメン

選手交代 山形:63分 中原→堀米
        78分 加藤→木戸
        85分 ヴィニシウス→林

     松本:60分 安東→鈴木
        75分 河合→横山 表原→篠原
        90分 前→平川 阪野→戸島

3.試合感想

 試合開始直後から、松本山雅のハイプレスに手を焼く我が軍。ボール保持時(自陣からの攻撃時)、ボールサイドのSB片上げによる3バック可変で前進を試みる我が軍に対し、松本2トップの片方が山形DFラインにプレッシャーを掛けつつサイド誘導、ボールサイドへ寄った山形CBと片上げしたSBに対しては松本IHが、山形SHには松本WB、山形ボランチに対しては逆サイドの松本IHとアンカーが対応といった形で、ハイプレスを仕掛けて中盤でボールを奪い、ショートカウンターを狙おうという意図が見て取れた。実際、ボール引っ掛けられるorパスミスを拾われて素早く前線にボールを当てる形や、スペースのある逆サイドへとサイドチェンジしクロス供給する形まで持って行かれ、前半何度もヒヤッとする場面を作られてしまった。

松本ハイプレス2

 対して我が軍は、10分過ぎあたりから、サイドに人を密集させショートパスを交換しながら前進する得意の形で、相手陣内に侵入する場面を少しずつ作れる様にはなっていくものの、ボール非保持時5−4−1(5−3−2?)の形で自陣を固める松本に対し、中々シュートまで持っていけないもどかしい試合展開に。
 そうこうしている内に、前半40分、松本の見事な崩しで先制点を許してしまう。松本CBからのサイドチェンジのボールを、左WBが受けて大外でタメを作りつつ山形右SBを釣り出し、空いたSB〜CB間(ハーフスペース)に松本IHが侵入、すかさずIHへとパスを送ると、そこからマイナス方向のニアにクロス。タイミングをずらして山形CB前のスペースに入ってきたFWに決められ失点してしまった。マークにつく山形ボランチを外してそのスペースに侵入する松本IHの巧さが光った場面だった。そしてそのまま松本1点リードで前半を終える事となる。
 
 一進一退の前半だった様に見えるが、実際プランに沿った試合展開に持ち込めたのは松本の方だったと思われる。我が軍の最終ラインがビルドアップに手こずる事を分かった上でのハイプレスだったと思うし、さらにこのハイテンションサッカーに巻き込んで消耗させようという算段もあった様に思う。エルシオフィジコにゴリゴリにフィジカルを鍛えられて、そこの勝負には自信があっただろうから。
 因みに、まだまだこれから形を作っていく段階なのだろうが、自陣で松本の最終ラインからアンカーやIHが絡んでショートパスで相手を外して前進する形は、素直に上手いなと感心した。前半39分のショートパスで相手を外す場面なんかは、思わず「上手ぇ…」と声に出してしまった程であった。

 後半に入り(前半最後の方から?)、松本が右IHと右WBの位置を入れ替えて来ると、山形右SBにボールが渡った際に松本左IHがプレスに出て来て空くスペースで、山形ボランチがボールを受けられる様になる。また、後半開始直後から、松本WBや左右CBの背後のスペースを狙うロングボールを織り交ぜ、松本の陣形をコンパクトに保ち辛くするのに加え、疲労からか松本のプレスの出足も鈍り出し、我が軍がボールを握って前進する時間が増えていく。
 この試合での我が軍は、密集を作り(オーバーロード)ショートパスと立ち位置移動による前進を左右両サイドで試みており、その際空いてしまう中央のスペースに逆サイドのSBが入って偽SB的な役割を担わせたり、守備時5バックで自陣を固める松本に対し、大外で山形SHやトップ下が松本WBやボールサイドのCBを釣り出し、空いた松本中央CB〜ボールサイドCB間に山形SBが走り込む形も作っていた。特に右SBの山田拓は「あれ?今ってリーグ終盤でしたっけ?」と思わせる様な出色の出来であり、前述の形を作った内の一つが、同点ゴールに繋がった後半56分の場面。松本の選手達の疲労、そしてロングボールによる間延び等、それらの要因やそれまでの積み重ね、そして狙いが合致して生まれた見事な崩しからのゴールだった。

山形攻撃パターン

山形SBの攻撃参加

 しかし、その後も山形ペースで試合が進んで行くものの、松本の牙城を崩すまでに至らず、最終的にドローの痛み分けとなった。

4.最後に

 昨季のやり方をベースに、攻撃面(特に相手陣内への侵入の部分)で確実にブラッシュアップしていると思うが、一方で、完全に崩し切ってからシュートを打とうとする部分はまだまだ改善の余地がある。メンツ的にもペナルティエリア付近からミドルを打てる選手は居るし、ミドルを効果的に狙って行ける様になれば、相乗効果で崩しやすくなるはず。次節の相手、栃木SCも守備の強固な相手なので、改善した部分をぶつけるには絶好の機会。是非とも松本戦から進化した闘いを見せて欲しい。

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