見出し画像

新刊速報【2024年10月版】|柏書房営業部通信

 柏書房営業部です。おいおい、もう10月じゃないか。この間まであんなに暑かったのに、吹く風が肌に少し寒いくらいで。うかうかしてるとこりゃすぐ年越しだわね。
 さて今月の柏書房の新刊は1点。虐待サバイバーである自身の原体験をもとに、マイノリティの現状や課題について発信してきたライターが、主人格含む7つの人格と共に、パートナーにも支えられながら生きる「普通の日常」を綴ったデビューエッセイ集『いつかみんなでごはんを――解離性同一性障害者の日常』です。


『いつかみんなでごはんを――解離性同一性障害者の日常』

碧月はる 著

【営業担当・見野から一言】
 
著者である碧月はるさんは、幼少期に受けた両親からの虐待をきっかけに、現在は「解離性同一性障害」と診断されています。本書は、そんな碧月さんの(そしてパートナーさんや交代人格とともに過ごす)日常を綴ったエッセイ集です。読んでいるだけで苦しくなるような、過酷でやるせない体験をされたにもかかわらず、碧月さんの文章が優しくて、そして美しいからか、詩を読むように最後までするすると読んでしまいました。
 本文に、

どんなに叫んでも届かない悲鳴もある。だが同時に、叫ばずとも声を拾ってくれる人はたしかにいて、そういう人たちと手をつないで歩んでいきたい、と思う。

「二度目のはじめまして」より

という一節があります。私は考えてしまいました。私の大切な人が本当に苦しくても声を上げられない状況に立たされている時、私は「叫ばずとも声を拾ってくれる人」になれるのだろうか……と。

 あなたはどうですか?

 「解離性同一性障害」や「虐待サバイバー」という言葉は私には関係ない、と思い込み、読まずにいるのはあまりにも勿体無い。家族や友人、恋人など……自分を取り巻く人たちひとりひとりにじっくり思いを馳せることができる一冊です。
 ぜひお手に取ってみてください!

 著者の碧月はるさんによる本書への思いが綴られたnote記事が下記にて読めます。ぜひこちらもチェックしてみてください。

『いつかみんなでごはんを』は、10月24日(木)の配本予定です。

重版のお知らせなど

 今年の5月に刊行しました小沼理さんの初エッセイ集『共感と距離感の練習』の重版が決定しました。毎月のようにこうしためでたいお知らせができて有難い限りです。刊行後の反響などをまとめた記事を下記にて公開しています。ぜひこの機会にお求めください!

 また今月末に開催されます第32回神保町ブックフェスティバル(10/26、10/27)、今年も柏書房は出店いたします。柏書房の出店場所は昨年から変わらずボヘミアンズ・ギルドさんの前あたりのワゴンになります。どの本を出品するか絶賛準備中です。本の街の本まつり、ともに楽しみましょう!

 来月の新刊は1点を予定しております。それではまた次回もよろしくお願い致します。


この記事が参加している募集