今もって変だったなと思う、女友達との出来事

 私には仲の良い女友達AとBがいる。高校時代からの付き合いで、何故だかウマがあって、良く三人で出かけたりしていた。男女女という、なんらか恋愛要素が生まれそうな構成ではあるが(まあ一度だけあったりなかったりしたが)、ずーっと本当にただの友達。大体なんでも話せる心強い異性の味方たちである。

 今から十数年前、社会人になって数年目の頃。
 Aは東京で働いていて同僚に彼氏がおり、Bには大学時代からの彼氏がいた。当時私には好きな人がいて二人に話を聞いてもらったりしていたが、彼女という存在はいなかった。という状況。
 Aが帰省してきて、いつものように三人で会っていたとき、「食事会をしたい」という話が出てきた。なんの食事会かと言うと、AとAの彼氏、BとBの彼氏、そして私という五人での食事会である。確か、Aの彼氏をBと私に紹介する、というのが主目的だった。時期は次にAが帰ってくるとき。親に結婚の報告をしに彼氏も来るので、そのときにやりたいとのこと。
 さすがに、「は?」と言った。
 Aが彼氏を紹介してくれるのはまあいいのだが、そこにBの彼氏もいるとなると、ちょっと話が変わってくる。私に彼女がいればまた違うかもしれないが、二組のカップルに、女性側の友達である男が一人って……なんか、なんかじゃないすか?
 私は一体どんな感じで両彼氏に接すれば良いのか。こっちはただの友達と思ってAとBに普段通り接していたとしても、向こうからすれば……そう、こっちの心情を抜きにしても、それぞれの彼氏さんがどう思うのか。いぶかしく思うなら良い方で、下手すると嫌な気持ちにさせたりするかもしれない。自分が知り合う前からの仲の良い男友達って、会いたいのか?
 あと、とある理由があって私は片方の彼氏さんとはあまり会いたくなかった。具体は書けず、こちら側の恋愛感情でもないが、ちょっと、会いたくなかったのだ。

 というわけで、一度断った。
 けど最終的に諭されて、食事会はした。
「柏木に断わられて〇〇が落ち込んでたよ」ともう片方に言われ、仕方ないと折れた形で。

 どんな食事会だったか、改めて思い出してみても内容は全く覚えておらず、レストランで五人で対面している場面しか覚えていないのだが、まあ特に何事もなく和やかに終わったはずである。
 本当、何の話をしたんだか。全然覚えていない。

 二人はその後、無事にそれそれの彼氏と結婚をして、子どもも産まれ、私はというとあいも変わらず一人で気ままに生きている。さすがに会う機会も連絡する頻度も減ったが、たまにどうでも良いLINEを続けている。いきなり始まる難読地名クイズとか。


 そういえばそろそろAに二人目が産まれるなあ、と思い出したときに、上記の食事会があったことも何故か急に思い出したのだった。

 今をもってしても良くわからない食事会だったなあと思うのだが、まあ貴重な体験だったに違いない。と思っている。

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