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歌人見習いが車の免許を取るまで日記 その7

GW最終日、こちらは雨です。昨日今日とで湯田温泉という近場の温泉に行ってきました。夫の希望で名物女将のいる旅館に泊まったのだけど女将、すごかった。

その旅館では「女将劇場」というショーをほぼ毎晩やっていて、水芸やら太鼓やらイリュージョンやら人形劇やらもうそれはそれは目まぐるしい芸の数々を女将がどんどんやる。軽く30種類くらいはやっていた気がする。お琴にアンプつけてめちゃくちゃに掻き鳴らしてしまいに琴、壊してしまったり自分の髪に墨をつけて習字をやったり、突然脱ぎ出したり。
老いも若きもみな、女将のショーに引き込まれてホントに誰もが愉快になれる夢のような一時間だった。夫は始終、手を叩いて大笑いしていた。こんなに笑う夫を見たのは久方ぶりである。
終演後、誰もがすごいものを見た、という興奮に顔を火照らせていた。あれはなんだったのか。誰もがおそらくそのすごさを説明できないまま、みな呆然と部屋へ帰っていった。女将はそんな観客たちにほほえみながら手を振っていた。狂気、と言ってしまっては簡単で、夫は「あれは女将の人生だ。そして女将を通して見る我々の人生なのだ」と言っていた。そうなのか。たしかにそうかもしれぬ。その夜はなんだか不思議な夢をたくさん見た気がする。夜中に二度目が覚めた。

湯田温泉、訪れた際にはぜひ女将の宿に行ってみて下さい。月曜から夜ふかしとかでも度々取り上げられているらしい。女将。ブラボー。

そして車のはなし。はじめて運転した日のことから先、進んでいません。前回、この次は教官のことを書こうと思っていたのでした。

教官。かれこれ7、8年前になるだろうか、神奈川で原付の免許を取ったときは教官、みなそろいもそろってめちゃめちゃ怖そうだったので、ああどうか鬼教官じゃありませんように!と手を擦り合わせて煙がでるほど祈りまくる日々だった。擦りすぎて火が出るところだった。あぶない。

しかもワタシの通う教習所は担任制で、卒業するまで基本的に同じ人がついて指導してくれることになっている。怖い人でなければどんな人でもいい、頼むから優しい人を!とほんとに初回の実車までぶつぶつ祈りつづけていたのだけど、さあはじめて担当の教官との対面。優しそうなお兄さんがにこにことワタシの名前を呼びながら近づいてくる。

ありがとう現実!ありがとうリアル!

優しい、しかもお兄さんだったとは。
お兄さん。いい感じのお兄さんであることを祈る余裕は無論、なかったのでこれは願っても無い幸運である。ひとつ年下なのらしい。左手薬指には指輪が。おお。これはこれは。いやはや。ごにょごにょ。

I先生(仮名)は早速これからの教習スケジュールを説明してくれるが安堵を手に入れたワタシはもはやうわのそら、願ってもみないご褒美に妄想はふくらむ。教官といえば…「スローダンス」という月9のドラマを思い出す。あれはたしか高校生の頃やっていたはずだから、10年前ということか。妻夫木くんが教官で生徒が深津絵里、自動車学校での出会いから始まるオトナの恋愛。ワーオ。むにゃむにゃ。

そんなこんなでワタシの不安は見事あっさり解消され、拍子抜けというかこんな優しめでよいの!と今も毎度実車のたびに思います。

先日は二度目のアクセルとブレーキの踏み間違えを犯して「ホギャー!ごめんなさいごめんなさい」と叫んだのですがそれでも「大丈夫大丈夫。今間違える分には全然構わないんですよ」なんて微笑みながら励ましてくれる。「あと何か産まれましたね!」というツッコミまでいただける。

もちろん。ドライバーは同乗者の命を預かることになるのだから、気を引き締めて運転技術を学ばねばならないことはこれつねに変わらず、生徒に危機意識を持たせるために多少の厳しさはあってもよい、とは思うけれど、リラックスして運転することはなにより安全運転にとても大切だろうと思うので、ホントに優しい方でよかったです。というはなし。

たまにI先生(仮名)の都合で教官は変わったりもします。
前回ははじめて女性の教官で、おそらく自分より若く、かわいらしい感じで大学生か、と思うくらいのおもむき。こんな若くてかわいらしいのに運転は超うまいのか。なんだかっこいいな、と思ったり。花粉症なのだと言ってずっと目をこすってらっしゃった。
先生、今日は雨だから花粉飛ばないですネ。

さてGWはたくさん遊んで、明日からはまた教習の日々です。湯田温泉近くの公園でやってたオクトーバーフェストのビール、おいしかったナ。

#エッセイ #コラム #免許 #車 #湯田温泉 #旅行 #短歌 #暮らし #GW #オクトーバーフェスト

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