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「見て見ぬふり」に終止符打てるか?豊洲の大卸がいまごろ原産地確認徹底

 2021年末のことです。豊洲市場に出荷されたクロマグロに産地偽装の疑いがあるとの情報が市場の内外2ヶ所から提供されたので、そのマグロの取引があったことを確認した上で、産地表示に疑義があるとの情報が届いたとそのマグロを扱った卸売会社と東京都の豊洲市場担当課に伝えました。

 卸売会社のコンプライアンス担当役員と部長は神妙な表情で、私のところに寄せられた情報の内容を聞き取りました。しかし、産地の出荷業者に問い合わせることはしなかったようです。数日後、問い合わせたところ「営業に関わることなので説明はできない」という説明がありました。

 東京都はどうだったでしょう。「産地偽装について情報提供があった。産地の確認を徹底するように」ということを豊洲市場の農産水産品課長が東京都水産物卸売業者協会を通じて豊洲の水産卸売会社に伝えたそうです。

 取引を特定して疑義情報があるというのに、扱った卸売会社に問い合わせるでもなく、一般論として業界団体に注意喚起しただけなのです。実際に偽装工作に加担している業者がいたら、都の注意を聞けば隠蔽工作に取りかかることでしょう。

 どうして出荷業者に問い合わせることすらしないのでしょう?

 卸売業者協会のトップは、産地の出荷業者を信用しているから疑うようなことは聞けないと繰り返し言いました。それが卸売市場の常識のようなのですが、これには違和感を覚えました。

 東京都は注意喚起しましたが、各社がその後どのような工夫をしているか確認もしていないようです。法令違反が疑われるような商品の取り扱いは卸売会社も拒否できるし、東京都は調査できるはずですが、明らかな法令違反でなければ受託拒否できない、という説明を繰り返します。

 それでも熊本県産アサリの産地偽装が放置されていたことが明るみに出て、熊本県産アサリが店頭から一斉に消えたのをみて、豊洲市場の卸売会社もアサリのように「見て見ぬふり」を続けることが怖くなったのかもしれません。

つい先日、こんなお知らせが産地の出荷者らに送られてきたということです。昨年末の特定の取引についても出荷者に尋ねたでしょうか?あらためて問い合わせてみたいと思います。

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