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食料と農業

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2019年6月の記事一覧

食材宅配競争の盲点

経済紙である日本経済新聞の編集部門には、株式売買禁止のかなり厳しい内規があります。株式投資の経験もなく企業分析の記事を書くのもなかなか大変な作業ですが、これまでにも広告部門でインサイダー事件が起きたりしたので性悪説での対応がこれから先も続くことでしょう。

私は今年はじめに日経を辞めたので、頭の体操と少ないお小遣いの大化けを目的に株式投資をスタートしてみました。対象は、出荷する生産者に知り合いが

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潰すべし。官製ファンドの行く末

6年前に出来た農林漁業成長産業化支援機構、通称A-Fiveの失敗がどうしようもないところに来ているようです。

初代社長の大多和巖さん(元農林中金副理事長)はきわめて慎重に抑制的に運営していました。

しかし、農業参入に意欲的だった新浪ローソン社長(当時)らがシブチンA-Fiveに苦言を呈し始め、自民党や官邸も投資を積極的にするようプレッシャーをかけていました。

農水省食料産業局長の櫻庭英悦氏が

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農業とオートノミー

長野市に来ています。善光寺本堂地下で、まるで肝試しのように真っ暗な通路を歩いて「極楽の錠前」に触れてくる修行(お戒壇巡り)など終えました。

3日朝、旧知の地元選出代議士篠原孝さんから電話で叩き起こされ、朝食もそこそこに長野駅前での街頭演説現場に向かったところ、演説終了後に善光寺へ案内してくれたのでした。

篠原代議士とは2日、市内の勤労女性会館ホールで開かれた「信州発!持続可能な農業国際シン

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仕事師の沈黙

信じられない思いです。しかし、私がどこまで彼、熊沢英昭さんの心の中をわかっていたというのでしょう。そう自問しました。

農林水産省をはじめて取材した頃からの付き合いです。もう33年。当時はJRAなどを所管する競馬監督課長だったでしょうか。とても温厚で優秀。いつ会っても余裕たっぷり、にこにこ笑いながら仕事を片付けていました。

退官後もときどきお会いして、彼がアメリカとの交渉にあたったウルグアイ

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