『スタンフォード大学で一番人気の経済学入門』感想

はじめに

正直経済学のことはよく知らないし、知る意味がないと思っていました。
意味がないというより、私の生きている間には実用的な学問になりはしないと思ってました。
現実の経済活動とは物理学や化学と違って、シュチエーションを区切って実験室で確認するということに不向きで、どっちかというと生物学というか医学というか多数の要素の間で成り立つフィードバック現象をあり、要素にどんな性質があるかも不明なため、正直分析によってはぜんぜん真実に近づかず、虚構を作っている可能性がないのかと疑ってしまってなかなか学ぶ気になれなかったのですが、最近価格をゲーム理論で考える例を見てから考えが変わって、入門書でも読んでみるかということで今回挑戦してみました。

看板に偽りなし

入門と銘打っているだけあって、数式もないし、例が多くわかりやすいです。
正直もう少し踏み込んだ内容が欲しいと思うくらい基礎的なことを書いてあります。逆に言うと小中学生でも読める程度の本になってます。
小学校の図書館に置いたらいいのでは?

経済学はやっぱりまだ未完成

別の読み方というか、大人の方が読む際は書いてあることを批判というか、疑って疑って読んでいくといいと思います。
例えばミクロ編の二章、分業の章で手放しに分業をほめていますが、果たしていついかなる時、いかなる場所でも分業は正しいのでしょうか?プランテーション農業で商品作物ばかり作っていていいのでしょうか?
正直、コロナ流行以降は過度な分業のせいで、逆に生産が滞る事態が生まれるというのは身に染みて理解していると思います。
そんな感じで、本書に書いてあることが絶対的に正しいわけではないし、次の学習のステップアップのためにも疑問や批判的な意見を持っていたほうがいいと思います。
アダムスミスから考えると結構長いですが、正直まともな経済学が始まったのは20世紀くらいからだと感じるので、本当に出来立ての学問です。
なので、セイの法則とケインズの主張が食い違うようなことも起きるし、現実の経済と理論が食い違うことも起きるので、「よくわかりました」という感想しか出ない読み方をしても、本書は意味のない本です。

まとめ

いい入門書だと思うけど自然科学系と違ってあまり体系化されていないので、次の本としてどんな本を読んだらいいかわからないのが難点です。


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