
【メンバーインタビュー#11】海外在住BizDevメンバーが発揮するバリューとは? - カサナレを世界大会へ導いたPMの挑戦
皆さん、こんにちは!
カサナレ株式会社インターン生の廣瀬遥人です。
このインタビューシリーズでは、カサナレで活躍する個性豊かなメンバーたちの「仕事への想い」や「未来への展望」を深掘りしていきます。
今回は、カサナレが2024年11月に開催された国際ピッチイベント「GET IN THE RING OSAKA 2024」で見事優勝を果たした快挙の立役者に、お話を伺いました!
GET IN THE RING OSAKAとは?・・
「GET IN THE RING OSAKA」は、世界大会に出場するための日本予選です。今年度のテーマは「AI Revolution」。登壇者がボクシングリング上で1対1のピッチバトルを行うコンテストです。30秒ずつ5ラウンドでスライド(発表資料)なし、かつ英語のみで事業プランを競い合うといった珍しいピッチイベントです。企業評価額に基づく3階級(Lite級、Middle級、Heavy級)で競い合い、カサナレは、Heavy級(企業評価額約4億円以上)で出場し、優勝を果たしました。
カサナレにとってはピッチイベント初優勝でありながら、世界大会に繋がる重要なプレゼン大会で日本代表の座を勝ち取りました!
学生時代の過ごし方や歩んできたキャリア、そして大事にしている価値観。
さらには、ニュージーランドからフルリモートで働くリアルや、大手企業からスタートアップへ移って大きく変化した働き方の実情など、さまざまな角度から彼女の魅力に迫ります。
世界規模で挑戦するきっかけや、一歩を踏み出す勇気を得たい方にとって、魅力が詰まった内容になっているはずです。
ぜひ最後までお楽しみください✨

林 里奈 Hayashi Rina ❘ カサナレ株式会社 Business Development
趣味:カフェ巡りとお菓子作り
出身地:愛知県名古屋市
大学卒業後、アクセンチュア・フィリピンにてBPOセンター運営のジュニアマネージャーとして2年間勤務。 現在はニュージーランド在住。2024年11月に行われたスタートアップピッチコンテスト「GET IN THE RING OSAKA 2024」に登壇し、Heavy級での優勝を獲得。
※インタビュー内での話者は以下で表記
🧑🎓:廣瀬(私)
🗣️:りなさん
ニュージーランドから挑むPMの道‐フルリモートワークのリアル
🧑🎓:
カサナレで、担当している業務について教えてください!
🗣️:
今、カサナレでは主要取引先の国際的な投資業務にかかわるプロジェクトを担当しています。
具体的には、専門業務に特化したAIエージェントによる業務効率化を目指すプロジェクトで、もう既に本運用に向けた調整段階に突入しました。
私のメイン業務はプロジェクトマネージャー(PM)として、クライアントとのミーティングを通じて「運用に向けて双方にとってベストな方法」を提案することです。
プロジェクトでは、LLMの特性上どうしても回答精度が低い箇所が存在しますので、それを改善するためにデータの調整作業を行い、回答精度向上に向けた検証をメインで行っています。ただ、まだ自分の価値を十分発揮できている実感はなく、プロジェクトを進めながら成長を目指している段階です。
🧑🎓:
りなさんは現在、ニュージ―ランドからフルリモートで働かれていますよね。4時間時差ある中で、働く上での難しさなどはありますか?
🗣️:
正直なところ「これが特別困る」ということはあまり感じていません。
ニュージーランドが日本より4時間進んでいるので、日本時間の午後3時、4時ぐらいのミーティングは、こちらだと夜になっていることはあります。
でも、エンジニアの大ちゃんが住んでいるカナダ(ほぼ真逆の時差)に比べると、ニュージーランドの時差はまだ調整しやすいですし、事前に就業体制を確認してくれた上で入社できたので、快適に業務に取り組めています!
🧑🎓:
りなさんがニュージーランドに住むようになったきっかけは何ですか?
🗣️:
大学時代に海外インターンに参加したことがきっかけです。
その時は、ニュージーランドの田舎町で現地の中学生に日本語や日本文化を教えるという、いわばALT(外国語指導助手)的な立場での活動を行っていました。語学の学びだけでなく、そこで暮らす人々や文化の魅力に触れることができ、とても貴重な体験でした。
そこからニュージーランドへの興味がずっと心の中に残っていたので、前職のアクセンチュアを続けるか悩んだタイミングで、「そうだ、ニュージーに行ってみよう!」と決意しました。ちょうどプライベートな理由も重なってビザが取れることになり、自然な流れで移住を決めました。
今振り返ると、勢いとタイミングが重なった決断でしたね。

コロナ禍で阻まれた道の先に
‐挑戦を後押しする考え
🧑🎓:
アクセンチュアといえば、私の周りでも一番優秀だった友人の就職先として記憶に新しいです。彼は、「20代の修行」だと言っていましたが、そのアクセンチュアの中でも、海外拠点の立ち上げに関わることは非常に高いスキルが求められると感じています。
ネイティブではない環境で、現地での業務を高いレベルで遂行するための英語力は、どのような経験やタイミングを通じて養われたのでしょうか?
🗣️:
英語を話せるレベルまで語学力が一気に伸びたのは、やはりニュージーランドでの海外インターンが一番大きいです。
英語への興味自体は学生時代を通じてずっと持ち続けていて、当時は管制官になりたいという夢を持っていたこともあって、大学も国際関係学部で人種や歴史を専攻しました。
大学選びも国際系に絞り、とにかく関連する学部を受けまくった記憶があります(笑)
英語や国際的なテーマに興味を持ったきっかけは、家庭環境が大きかったかなと思います。私は韓国出身の父と日本出身の母の間に生まれ、幼い頃から両親に「言語を学ぶことの大切さ」を教えられてきました。その影響で一般的な幼稚園とプラスで、インターナショナルプリスクール(英語主体の幼稚園)にも通い、自然と英語が好きになりました。インタープリスクールは先生たちはみなさん外国の方で、生徒は日本人の子が多かったですが、生徒同士も頑張って英語で会話をしていました!
それ以来、英語に触れ続けてきましたね。
🧑🎓:
英語を身に付けた経験をお聞きしましたが、社会人になる時にキャリアの1歩目はどういう業界に進んだんですか。
🗣️:
新卒で入社したのは日系の保険会社でしたが、新卒就活は本当に波乱万丈でした。私たちの代は、コロナが流行って就活もストップした時期でした。
国際系の学部だったので、周りの友達も、観光やサービス、旅行など語学を活かせる職種を目指す人が多かったのですが、コロナの影響で旅行会社やエアライン系の採用は完全に止まってしまったので、かなり焦りを感じたのを覚えています。
私自身も最初は、 イギリスの旅行会社に内定が決まっていたんですが、その会社がコロナで倒産してしまって、入社直前に「え、やばい、どうしよう!」って状況に追い込まれました。
その中で、生命保険会社の就活に間に合って、結局社会人1年目は英語は全く関係ない業界で、営業としてキャリアを始めました。
🧑🎓:
最初の会社ではどれくらい働かれていたんですか? そこで働く中で、次のキャリアに進もうと思ったきっかけは何だったのでしょうか?
🗣️:
保険会社で働きながらも、「このままで終わりたくない」という気持ちが常にありました。これまでの経験を活かし、もっとグローバルな環境で挑戦できる道を探し続けていたんです。仕事には真剣に向き合いつつも、自分のキャリアの可能性を広げるためにアンテナを張り続けていました。
そんな中で、偶然求人サイトでアクセンチュアの募集を見つけました。そこには海外支店に転籍できるプログラムがあり、「これこそ求めていた環境だ!」と直感しました。せっかく見つけたチャンスを逃したくないという強い想いで面接に挑み、無事に採用が決定。これは「やるしかない」と覚悟を決め、転職を決意しました。
入社後、数カ月でフィリピンの新設センターの立ち上げの話をいただき、ついに海外に飛び出す機会を得ました。
あのとき迷わず挑戦を選んだからこそ、今の自分があると感じています!
🧑🎓:
フィリピンのセンターでは、具体的にどのような業務を担当されていたんですか?
🗣️:
最初は立ち上げプロジェクトの会計コンサルタントとしてBPOセンター(業務委託センター)での業務を担当していました。そこから、会計業務のDX推進や、現地のBPOセンターのスタッフをまとめる役割も任されるようになりました。
現地スタッフと日本のクライアントの間に立って架け橋となるような調整役も多かったですね。たとえば、クライアントが求めている内容に対して、どのように実現するのがベストなのかを提案したり、チームメンバーの配置やマネジメント業務を行ったりしていました。
異文化環境の中で、クライアントやチームメンバーと話し合い協力して、プロジェクトを進める経験は、自分にとって大きな成長につながったと感じていますし、今のカサナレでも活かせているものが多くある気がしています。
🧑🎓:
アクセンチュアでは何年間勤務されていたのでしょうか?
また、海外センターの立ち上げという大仕事を経験された中で、最終的に転職を決意された理由について教えていただきたいです!
🗣️:
全体を通して2年ほど働きました。
フィリピンではビザの更新が2年ごとに必要だったため、そのタイミングで自分のキャリアや今後の挑戦について改めて考える機会がありました。
ちょうど立ち上げの成果が評価され、昇進のチャンスも目前に迫っていたこともあり、正直、辞める決断は簡単ではありませんでした。むしろ、「ここでキャリアを積み重ねるべきか」とかなり悩みましたし、一瞬後悔したこともありました(笑)会社からも3ヶ月ほど引き留められたことで、最終決断には時間を要しました。
しかし、その期間に自分の価値観を整理してみると、「ニュージーランドで生活しながら働く」という選択肢への憧れが自分の中で強く残っていることに気づいたんです。
カサナレからのスカウトもいただいていた時期だったので、これまでの経験を活かしつつ、次のステップに進むには、このタイミングでの決断が最も価値があると判断し、新たな挑戦を選びました。

大手からスタートアップへ
‐新たな挑戦の舞台、カサナレ
🧑🎓:
私はカサナレでの経験しかまだないので、この環境が特殊なのかわからないのですが、、
りなさんが働いてみて、大手とスタートアップの「ここが違う」と感じたところや、驚いた部分はありますか?
🗣️:
役員とフランクに話せることは、大企業ではあまり経験できなかったので、スタートアップならではの良さだと感じましたね。
他にも、カサナレは人数が少ない分、個人が持つ裁量が大きいことも新鮮でした。大企業では1つのプロジェクトに何百人も関わることも普通でしたが、カサナレではPMが1人という状況になることもあり、自分で動かしていく責任感と行動力が必要となります。文化としても、意欲的にタスクを拾っていく姿勢が大切とされていて、受け身な姿勢や指示待ちでは業務を推進出来ないと感じました。
ただこれらは決してネガティブな要素ではなく、少数精鋭だからこその風通しの良さや、スピード感のある意思決定、顧客の個別の課題に深く向き合うことができるといった強みに繋がっているなと感じます。
自分自身の成長やスキルアップを実感できますし、裁量を持って業務を行える充実感はスタートアップの面白さですね。
🧑🎓:
逆にこれまでの経験が、現在のカサナレで活きていると感じる瞬間などはありますか?
🗣️:
正直、カサナレに入ってからの働き方は、これまでとはまったく違うので、最初はすごく戸惑いました。大手では、ある程度型にハマったやり方や、上司やクライアントが「正解」を持っている環境で仕事をしていました。
一方、カサナレではいい意味で「正解がない」んです。
その分、自分で考え、判断しなければならない場面が多く、これまでのように正解を求める働き方が通用しない部分もあって、正直苦戦することも多いです。でも、だからこそ新しい視点や価値観を築けているという実感がありますね。
例えばアクセンチュアのフィリピンセンターでは、文化的なバックグラウンドが違う人々をまとめながらプロジェクトを進めてきました。そのため、価値観の違いを尊重しながらも業務上のコミュニケーションを円滑にすることには自信がありましたが、時には正解を求めることが間違っている可能性もあると気づきました。
大手では安定した環境でスキルを磨くことができましたが、スタートアップではそのスキルを柔軟に活かしながら、自分の判断力やクリエイティビティを成長させることができる。
どちらの経験も自分にとって必要なもので、今後のキャリアにしっかり繋がると思っています。
🧑🎓:
カサナレで働く人たちの印象はいかがですか?
🗣️:
カサナレで一緒に働く皆さんからは、常に良い刺激をもらっています。
大企業でもポストアップしていけるくらいの実力と経験を持っている方がカサナレのメンバーには多くいるんですが、一人一人が「自分のスキルをどこに還元するか」という意識が強く、その姿勢がとても印象的です。それでいて、生き生きと働いてるし、型にはまってない・縛られていない。
カサナレは、働く人の活かし方が本当にうまいなって毎日感じています。
🧑🎓:
仕事をする上で意識してることとか、大事にしてることってありますか?
🗣️:
一番大切にしているのは、エンジニアメンバーとコミュニケーションを取ることです。
例えば進捗について、「こんなの不可能だよ」とエンジニアの方々が感じるようなタイムラインにはしてはいけないと思ってるので、クライアントの意向も考慮しながらも、エンジニア側の意見も考慮できるよう、落としどころを見つけていくようにしています。
業界によってプロジェクトに求められる柔軟性が異なる中で、どう舵を取る役割を担うか、はとても重要なポイントだと感じています。
また、クライアントと信頼関係を築くことを常に意識することは大切だと感じていますし、安田さんから教わった「誰もやりたくないような面倒な作業こそクライアントから巻き取る」ということを心がけるようにしています。最近ではメールの返信内容からも「信頼していただけてるのだろうな」と感じる場面が増えてきて、とても嬉しいです。
英語プレゼンで勝ち取った栄冠
‐GET IN THE RING OSAKA 2024

🧑🎓:
去年11月に行われた「GET IN THE RING」での優勝、改めておめでとうございます!素直なお気持ちをお聞かせください。
🗣️:
振り返ると、本当に緊張しっぱなしでした…!でも全て終わって、しかも優勝を勝ち取れた瞬間は、本当にほっとしました。
何よりカサナレに還元できたということが実感できた大きな出来事だったので、嬉しさももちろんですが、安心感を抱きましたね。
🧑🎓:
多くのメンバーがリアルタイムでオンライン視聴していて、優勝した瞬間はSlack上がお祭りみたいに盛り上がってましたね!甲子園の全校応援みたいな一体感を味わることが出来ました📣

🗣️:
私も後からSlackを見て、みんなが見てくれてたことを知って、はずかしい!ってなりました(笑)
COOの西田さんなんてすぐYoutubeまとめてくださって、嬉し、小っ恥ずかしい気持ちでした。結局自分が登壇している動画は恥ずかしくて見れなかったです(笑)
🧑🎓:
このピッチ大会に取り組んだことで、学んだことや大変だったことなどはありますか?
🗣️:
他の登壇者は代表ばかりだったので「負けてもいいから成長するきっかけを掴め」と言われていましたが、その中で負けないように準備を重ねることは大変でしたね。
ピッチをしっかり行うのはもちろんのこと、質疑応答にもしっかり応えられるよう、ポジショニングやビジネスモデルの理解にはとても時間をかけました。
創業者の二人がどんな思いで会社を立ち上げ、どのように今の事業に至ったのか、あらゆる観点でお話を聞けたので、「普段知り得ないような会社の裏側」まで学べたことは貴重な経験でした。
また、VCの方をはじめ社外の方に自分の会社について話すことが楽しいと思えた機会でもありました。
カサナレの持っている熱量を伝えられて、理解してもらえたということが嬉しかったです。

🧑🎓:
カサナレは、組織・個人ともにスケールアップしてる感じがしますね!
今年行われる世界大会に出場が決まっていますが、意気込みなどありますか?
🗣️:
やるからには何かしら爪跡を残したいです。
世界大会は海外VCと話せる機会になるので、日本でのカサナレの注目度レベルを上げるための良いきっかけにできたら最高だなと思っています。
日本大会以上に対策はしっかりして臨みたいですね!
ただ、力を出し切った後は、みんなで海外の空気を思いっきり堪能したいです(笑)
積み重ねた経験を無駄にしない
‐キャリアの目標と挑戦
🧑🎓:
ご自身のキャリアについて、今目標としていることはありますか?
🗣️:
私はこれまで、キャリアを通じて会計関連の業務に多く携わってきました。その経験を活かし、今後は会計領域における生成AIの活用を推進できる道筋を見つけていきたいと考えています。そのために、現在はアメリカ公認会計士(USCPA)の資格取得を目指して勉強しています。
専門性をさらに高め、国内外の案件をリードできる存在になるためには、スキルの向上が不可欠です。
また、今後ますます生成AI業界は注目される分野だと思いますし、ここで経験を深めることで、より強い自分を作りたいという思いが芽生えています。
技術と顧客対応の両面を深く理解し、橋渡しができるPMとして成長していきたいと考えています。
今回は、ニュージーランドからフルリモートで働きながら、カサナレを「GET IN THE RING」優勝へ導いた立役者、りなさんにお話を伺いました。「場所に縛られず、挑戦を続ける」という姿勢を体現し、PMとしての役割を担いながら、新しい環境に適応し、試行錯誤しながら成長し続ける姿に大きな刺激を受けました!
特に印象的だったのは、大手とスタートアップ、どちらの経験も活かしながら、自分自身の新たな視点や価値観を築いているというお話です。
正解のない環境で自ら考え、行動し続けることの難しさと、その中で得られる成長の大きさが伝わってきました。
自分自身も、「これまで積み重ねてきた経験を無駄にしない」というりなさんの考え方のもと、この先どんな環境に進んでも、カサナレでの経験を活かしながら、自分なりに仕事の正解を示していける動き方や考え方を忘れないようにしていきたいと思いました。
カサナレもメンバーが増え、制度や文化のアップデートが進む中で、こうした個々の挑戦が会社の成長を支えていることを改めて実感しました!
この環境を自分自身もうまく活用し、日々の業務で学びを活かしていきたいと思います!
今回もご覧いただきありがとうございました🙇♂️