見出し画像

映画ログ④「みなに幸あれ」(ネタバレあり)

こんにちは、Kasaです!
今回は「みなに幸あれ」を鑑賞しましたので、その感想を書きます。
それではいってみましょう!

「みなに幸あれ」概要

あらすじ

看護学生の孫は、ひょんなことから田舎に住む祖父母に会いに行く。久しぶりの再会、家族水入らずで幸せな時間を過ごす。しかし、どこか違和感を覚える孫。祖父母の家には「何か」がいる。そしてある時から、人間の存在自体を揺るがすような根源的な恐怖が迫って来る…。©2023「みなに幸あれ」製作委員会

プライムビデオより参照

ジャンル

昨年2023年に上映された、日本のホラー/スリラー映画です。
R15+の年齢指定があり、第1回日本ホラー映画大賞の大賞受賞作を受賞したものです。
もともとは短編だったらしいですが、それを長編映画化したものです。

視聴感想

ネタバレなし

予告編をみた時点でかなり怖いのではないかと思っていましたが、一言いいですか……。

めっっっっちゃ怖いです!!!

数多くのホラー映画を見てきた身として、ヒトコワ系かな?と思っていた自分を殴りたい…っ!
だいぶ、いやかなり怖いです!しかも、ただの怖いだけじゃないから、視聴後もしばらくは首筋がゾクゾクと寒気を感じるほどです。

しかもメンタルが相当強いときじゃないとしんどい!
昨今の、というか今まで自分が見てきたJホラーが裏返ってしまうほどの作品です。

予告編でもおばあちゃんやおじいちゃんの奇怪な動きや主人公の悲痛な叫びなど、すべてのシーンが不気味です。
90分と映画の中でも気軽に見れる長さですが、恐怖の密がとても90分の量だとは感じられません。
気軽に見るものじゃないです。狂気の沙汰です。

排他的な田舎で起こる因習をこれまでかってくらい表現しています。
またなんで?どうして?が起こってしまうのも恐怖を助長しています。

新Jホラーとして、完成度がよく、我こそは!という方はおすすめかもしれないです。
ただ責任は負いません。自己責任でお願いします。

それから食事中に見ないほうが絶対いいです。
食事中に視聴したら、吐く勢いです。
私自身もお昼ご飯食べた後でよかったとめちゃくちゃ安心しました。

※ネタバレあり

ここからはネタバレが含まれますので、気になる方はスキップしてください。
また独自の感想ですので、これ違うのではないか?と感じる方はぜひコメントで共有していきましょう。
また、ここでは映画全体ではなく、一つ一つのシーンを見ていきます。

まず全体として、最初から不気味!が前面にでていて、すごいなと思いました。
ホラー全般に言えますが、不気味さを徐々に出していって、最後にドーンと大きな恐怖が現れるのが一般的だと思います。
それでは生ぬるい!と言われているような、最初からフルスロットルかな?と思ってしまうほど、不気味が前面にあふれて、スクリーンで見た方やばそうですね。
上映時期が冬だったらしいので、帰り道悪寒が止まらなかったのではないでしょうか?

それからこの映画、名称だけで名前を呼びあっていないのが特に印象的でした。
赤い赤いと弟が言っているけど、誰一人心配していない。その時に違和感がありました。誰も弟の名前で呼んでいなく、「ほら時間がないわよ」と主人公をせかすお母さん。
それも意図して描かれているのであれば、監督はそうとうの変態です。(誉め言葉です)

また主人公が最初に泊まった時の就寝時、祖父祖が主人公に「おやすみ」と声をかけるシーン。
あのシーンだけ異常に長かったですよね?裏があるのか?ないのか?それとも私の気にしすぎなの!?と一瞬ですが、駆け巡りました。

場面は飛びますが、パンイチのおじさん(長いので以下は生贄と記載します)が外にでて、みんなでそのあとに続く様子が描かれています。
青い空のもと、各々が一定間隔で歩いているさまはシュールでカオスです。
しかも家族と集合して、家族におかしいことを訴えても、家族はそれが普通であると言い、生贄が軽トラではねられ死んでも、早く代わりを見つけないといけないと主人公に言いました。

ここで50分です。まだ40分近くあるけれども、メンタル的に大丈夫なのか?
というかここで50分なの!?とびっくりするくらいでした。

主人公以外は生贄の存在を知っていて、そのおかげで生活ができていると信じて疑っていない様子でした。
視聴後にネタバレや考察を読むのがお決まりですが、そのなかに「トロッコ問題」みたいと書かれている記事をみて、そうだなと共感しました。

トロッコ問題あるいはトロリー問題とは、「ある人を助けるために他の人を犠牲にするのは許されるか?」という形で功利主義と義務論の対立を扱った倫理学上の問題・課題。

ウィキペディアより

生贄という不幸な存在が主人公たち、また村中の幸せに成り立っている。
しかもその生贄は代替可能で、いないと家族に危害が及んでしまうこと。
だから早く見つけないといけない。

作中でも伯母も同じようなことを言っています。
「他人の目が自分の幸せへの物差しになっている時点で私たちはどうやっても幸せにはなれないのよ」
これがこの作品のすべてだと思います。

だけど、ここで一つ疑問に感じることがあります。
それは中学生の男の子が「なってもいい」と発言したことです。
要は自分は生贄の存在になってもよいと肯定的な意味合いに聞こえます。
ただ1回助けられただけではこうは言いません。

ここから推測されることは、生贄はただの生贄ではないこと。昔でいうところの、神様への授けものでないかと考えました。
主人公にとっては廃止すべき因習の一つかもしれないが、その村にとっては光栄な存在なのかもしれません。(まあ、私は絶対に嫌ですけどね)

そのあと、主人公は代わりが無理なら自分がと、目に針を刺しますが、痛すぎるのか無理といいます。
だけど家族は無理じゃないと、笑いながら主人公に迫ります。狂気です。自分の家族なのに躊躇がないな、本当に。

その後主人公は幼馴染のところに向かい、逃げようと言いますが、まさか幼馴染が自分で主人公の手を使い、絞殺しようとしている。
しかも場面はそれだけではなく、なんとおばあちゃんの出産シーンが交互に切り替えられている!?
まじでどういうこと!?ねぇ!どういうことなの?と混沌に満ち溢れて、頭がショート寸前です。

気を失った幼馴染を見て、それを家に持ち帰り新たな生贄に捧げました。
それを無表情で手伝う主人公。世界の理を受け入れたのでしょうか、怖すぎる。

最後に冒頭シーンで助けたおばあちゃんがいましたが、今はもう主人公は助けません。
人の幸せを願った彼女はもういないことを示唆しているのでしょうか。
幸せには限りがあるため、その犠牲をしないように済んでいるのでしょうか。

いろいろと衝撃的過ぎて、本日2回目の投稿になりそうなのがまた驚愕です。
それくらい今書かねば!という感情が、強くでています。

あと食事のシーンが時々できていますが、あれはそういうこと!?そういうものなの?と驚愕しました。
何とは明確にされていないし、されると困りますが、叫びたくなりました。

まとめ

どうして主人公だけ知らなかったのか、どうして幼馴染のところは生贄がいなかったのか、なぜ生贄が普通に受け入れられているのか、警察に通報しなかったのか、と様々な疑問が残りますが、それを解決しないところ、言及しないところがまたこの作品の不気味さを助長していますね。

Jホラーに新しい風が吹いたのかなと感じました。
久々に怖い!と思う作品でした。だけど何回も見れません。見ちゃうとしんどいです。

結局主人公は、家族や村の考えに同調したのでしょうね。
婚約者に「幸せだよ」と涙ぐむのは、窓際にいた女性と自分、それによって他社の犠牲に伴った自分の幸福を比較したのではないでしょうか。

皆さんはどう思いましたか?
または、これを読んでみてみました!という方がいらっしゃったらうれしい限りです!
スキやコメントして、意見を共有してみませんか?励みになります!

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?