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半導体競争の現状(ハドソン研究所の)記事

写真出展:manseok KimによるPixabayからの画像https://pixabay.com/ja/users/manseok_kim-1005494/?utm_source=link-attribution&utm_medium=referral&utm_campaign=image&utm_content=5722983

 ハドソン研究所の2021年3月31日の記事で、半導体競争に関するものがあった。インテルがアリゾナ州に巨大半導体工場を建設することを発表したことを受け、半導体競争の現状について説明したものである。アメリカは半導体で4位ということでここの所不振であったが、かつての栄光を取り戻そうとしている。日本にとっても参考になると思われるため、その一部をご紹介させていただく。

↓リンク先(Semiconductors: A Critical Battleground In The High-Tech War)https://www.hudson.org/research/16800-semiconductors-a-critical-battleground-in-the-high-tech-war

1.アメリカの半導体事業及び半導体競争の情勢について
  ・インテルがアリゾナに2つの工場を建設する計画を発表した。総額20億ドルであり、アメリカ史上最大級の民間企業による設備投資である。このことに伴い、3,000名の高賃金ハイテク職、3,000名の建設作業員及び15,000名の会社員の雇用創出につながる見込みである。
  ・半導体産業協会の試算では、200から500億ドルの投資が必要としており、国防権限法による資金援助も行われる予定であり、国家戦略として取り組んでいる。
  ・中国とのハイテク戦争に勝利するには、半導体を抑えることが重要である。中国は半導体を海外企業に大きく依存しており、2020年には3,500億ドル相当輸入している。
・半導体を抑えるには、台湾のTSMCがカギとなる。TSMCは全世界の半導体の利益の内、60%を占めている。アメリカがTSMCに秋波を送っているのはこのためである。
  ・しかし、このことはすぐには実を結ばない。現状としてTSMCにははるかに及ばないため、TSMCを取り込みつつ、アメリカの半導体生産力を向上させていく必要がある。

2.本記事読後の感想
  アメリカの半導体を巡る情勢について、簡単にまとめたものである。正直かなり薄味の記事ではあるが、参考となる部分もあった。
  半導体で最先端となるためには、アメリカが2兆円から5兆円ほど投資が必要と判断していること、国防の一環として支援の対象としていること、TSMCを取り込むことが必要としている点である。
  日本の場合、技術力はあるが資金力がないため半導体で後れを取っていると議論されている。このことそれ自体は間違っていないが、どれぐらい投資が必要なのか、どの程度のかけるのか、利益が出るまでの間の損失をどのように補填するのかなどの議論がなされていない。また、TSMCを取り込もうという政府の動きに対して、中国と取引をしていることを引き合いに出して中国に技術を取られる、国内産業を支援しないのはおかしいなどと、国粋主義的な批判が出てきてしまう。
  特に保守系を自任する方々に言いたいが、現状として日本企業はTSMCの足元にも及ばない。日本全体で取り組んだとしても、実を結ぶのに最低10年以上かかるだろう。かつて日本の得意分野だった半導体が凋落したのは、多額の設備投資を継続的に必要とする分野だったからだ。利益を出し続けることが困難な分野であり、一本やりで注力し続けることのリスクは多大でもあることを認識するべきである。
  科学技術は何が成功するのかはわからないという不確定要素がある。最先端の技術が一か国に集中することはなく、科学競争に勝ち続けることは困難である。このため、各国との協調や海外企業の取り込みが重要となる。
  最後に、参考となる動画をご紹介したい。日本が半導体や通信技術で成長するために何をすべきかについて語っている。ただ、残念ながら結論は国粋主義的になってしまっているため、この部分を値引いて見る必要がある。
  ↓動画リンク先(松田研究所『日本企業は半導体・通信で成長できる!』)
https://www.youtube.com/watch?v=i43nv8lBov4

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(4) 著作元から著作権侵害という指摘があった場合、削除すること。
(5) 当方から提供した情報を用いて行う一切の行為(情報を編集・加工等した情報を利用することを含む。)について何ら責任を負わない。

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