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思い出の物語で整えセッション実例②

思い出の物語や絵本のお話、
実際にセッションで使ってみましたの第2回。
今日もご本人の許可をえて、
どんな流れになったかをお話したいと思います。

よかったらおつきあいください。

鬼子母神

今回もセッションの流れで公開をご協力いただきました。
りこさん、40代の女性です。

思い出したお話は「鬼子母神」
これは、私が以前ご紹介した
カロリーヌシリーズのような全集のような本、
せかいの物語集のような色々な国のお話が入った本の中の
インドのお話として覚えていたそうです。

物語ではこの鬼子母神のことを
ハリティーと書いてあった気がすると仰っていました。

これはサンスクリット語の呼び方です。
日本語だとカリテイモ(訶梨帝母)ともいいます。

このハリティーには500人の子がいます。
確か夜叉族だったと記憶していますが。

自分の子を育てるためにエネルギーがいるということで
夜ごと人間の子を捕まえて食べてたハリティーでした。
お釈迦様がそれをみて、これは何とかしないととお考えになりました。
そこで彼女が一番愛している末子のピンガラを隠しました

それに気づいたハリティーは
狂ったように駆け回って探し続けますが見つかりません。
そしてお釈迦さまにすがりつきます。

お釈迦さまは
「おまえにはこんなにたくさんの子どもがいる。
けれどその中の一人を失っただけで、そんなに悲しんでいる。
それなのに、たった一人しかいない子を失う親の苦しみは
いかほどであろうか。」と諭します。

ハリーティーは改心してし、
今度は逆に子どもを守る立場、
守護神になったというお話でした。

音声でもお聞きいただけます。
こちらからどうぞ。

そんな気持ちが眠っていたのかも

まずは、りこさんに
どこが印象に残っていたかをお尋ねしました。

すると、
ハリーティーが必死にピンガラを探しているページの絵
だそうです。それは今もお思い浮かぶのだそうです。

インドのお話なので
身に着けている服や装飾がめずらしかったということと、
ハリティーが裾まくしあげて、髪の毛を振り乱して
走り回っているその姿
が残っていたそうです。

そのページをみて
なんだかかわいそうなような気もするけれど、
でもいい気味だ
と思っていた気もする
ということでした。

そして今思い出して浮かぶのは、
リこさんのお母様のこと、
お母様は、ちょっと厳しい方で
気難しい所があったそうです。

自分がすることが一番正しいと言う人で
家の中では逆らえない人だと思うことが多かったそうです。

多分それをハリーティーに重ねて
お釈迦様の存在を待っていたのかもしれない
という話もでてきました。

そして実は、お父様が帰ってきた時は
お母様はしおらしかったそうです。
そのため、りこさんはお父さんにくっついていそうです。
ですからお父さんが諭してくれるお釈迦様みたいね、と
そんなことも話しました。

三枚のお札

そしてここまで話すと
「そういえば、三枚のお札も好きだった」と思い出されました。

日本昔話として有名なお話ですが
これもかいつまんで記しておきます。

お寺の小僧さんが山に栗拾いにでかけます。
夜は山姥がでるから危ないと心配した和尚さんが
三枚お札をもたせてくれます。
案の定、夜になってしまいました。
すると老婆が現れて家に泊めてくれます。
この老婆が山姥だったことに気づいた小僧さんは
お札をつかいながら逃げようとします。
なんとか最後はお寺に駆け込んで逃げきれたかに思えましたが、
山姥はお寺に中に押し入ります。
そして山姥は和尚さに、小僧を出せと迫ります。
けれど和尚さんは慌てもせず
「これに変身できるかい」などとうまく山姥をのせて、
最後は豆にばけさせ、焼いていたお餅にくるんでぺろり、
山姥をたべて退治してくれました、めでたしめでたし。
というようなものです。

思い出しながら話す中で、りこさんはこれも
山姥がお母様で、お父様である和尚さんで、自分を守ってくれる
そんなイメージですから、鬼子母神とも同じタイプですね
と、笑っていらっしゃいました。

そして新たな視点

けれど、この後、りこさんが思い当たったのは
「でもこのインドもお釈迦さまのお話で、
三枚のお札もお寺さんが出てくるお話で、
この本を買ってくれていたのは多分母で、
他のことでも、信心深さのようなものは育んでくれたと思う」
ということでした。

そして「ハリティーではないですが、
母は子育てに必死過ぎたのかなとも思うし、
山姥も山奥でひとりは寂しかったかもしれない。
ちょっと違うかもしれませんが、
母も大変だったのだろうなと今は思えます
と語っていらっしゃいました。

ご自身でもたどってみてください

さてリコさんの実例では
ご本人がとてもしっかり語ってくださったので
これ以上補足することもないのですが
物語に関わる自分を物語る のは、
やはりなかなか良いなと思います。

大げさにならず、さりげなく
子どものままの自分の心に寄り添える気がします。
すぐに何かが変わるということでなくても、
一度語って、自分の外に出しておくことで、
もっと後で、もっと自然に整っていくだろうと
あらためて実感をしております。

今すぐには素直に受け入れられないことも
たくさんあると思いますが、
そんなことも、徐々に自分の中で
それが溶けていくなら、それもいいなと思います。

ちなみにヘッダーの写真は…

四国八十八ヶ所霊場 第76番札所金倉寺
天台宗のお寺ですが88ヶ寺のひとつ
宗祖は智証大師円珍さんで
弘法大師空海とかかわりの深いお方だそうです。

その円珍さんが幼い頃、この境内で
訶梨帝母尊(鬼子母神)に会い、護られたという言い伝えから
山門まえにはこの石碑があり
境内には「訶梨帝母堂」がありまます。
訶梨帝母が初めてお出ましになった場所ということだそうです。

四国お遍路巡礼2015年4月の写真です。

最後までおつきあいいただきありがとうございました。

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