好きなもの、が欲しい
昔からずっと、趣味を聞かれることが苦手だった。音楽も読書も映画も、スポーツも勉強も、食べるものや飲み物まで入れたとしても、語れるほど好きなものなど特にない。こだわりがない、といえばそれはそれで良さそうなものだが、大学生くらいの頃は特にそういう自分がなんだかひどくつまらない人間のように思えて、人と初めて話すような場面は緊張したものだ。そしてその「好きなものがない」というある意味では強い自負は、今も変わらず強いコンプレックスの一つとしてあり続けている。
だから近年の「オタク」の