どうやったらカット割がうまくなりますか?(初心者の映画制作講座)
今回は、カルフのホームページからいただいた、質問メールへの回答をご紹介します。
■プロの方の絵コンテはつながりが良くて、適当に考えた絵コンテとは伝わり方が違います。どうやったらああいう風にカット割ができるのでしょうか。(Nさん)
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カット割に、作家性が出ます。
「そのシーンで何を伝えたいのか、ここのシーンでは何を感じさせたいのか。」
そんなことを一つ一つ考えていくと、ちょっとずつ答えは見えてきます。
僕の作品が優れているかどうかは置いておいて、僕は自分の描いた絵コンテの1つ残らずすべてのカットに、説明をつけることができます。
作品の内容によっても、カット割はすごく変わってきますね。
◎アクションサスペンスは、緊張感を生み出すカット割りが必要です。
1カット1カットを短く、テンポが早くしてみました。
◎しっとり恋愛ものは1カットを長めにしました。日常生活で、家の中でキョロキョロすることってあまりないですよね。その感覚を取り入れました。カメラが動いたとしても、ゆっくりと横にパンするくらい。
ただ、恋人同士が口論を始めたら、少しだけカット割りを早くしました。
ほかにも例を挙げます。
侍が刀を抜いて相手を切るシーンだけでも、監督によって違いますよね。
【例1】
刀に手をかけて抜く直前
→ きらりとひかる閃光
→ 相手が倒れ、そこには刀を抜ききった侍
【例2】
刀に手をかけてずばっと刀を抜く侍
→ 閃光
→ 相手がどう、と倒れる
【例3】
刀に手をかける侍
→ 刀が抜かれるドアップ
→ 閃光
→ 相手が倒れる
などなど、パターンは無限ですね。
ここに意外性を出すなら、
【例4】
相手が倒れる
→ それを想像する侍
→ 刀がどう相手を倒すか頭でシミュレーションする侍
→ いざ、と刀に手をかける
なんてのもあるかもしれません。
僕自身は、書籍で勉強する、というよりなるべく自分で『体得』する方がいいのではないか、と考えています。
役者は、自分の表情の作り方を知っています。
作り方だけじゃなくて、こんなポーズでこういう表情をすると「相手にこう伝わる」というのを知っています。
Nさんも、自分のカット割がどんな雰囲気を作り出すのか、どう伝わるのか、を知っておく必要があります。
つまり、絵コンテを考えて(カット割をしてみて)、それを映像で表現してみる。
それを編集して、そこから伝わってくるものを感じる。
とにかくどんどん絵コンテを描いて、それを実際に撮影して編集して考える。
これが『作家性』につながると思っています。
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