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超初心者のための映画制作講座

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20年に渡り1000人以上にアドバイスしてきた経験から、初心者が映画が作る時に役立つ情報をお届けします
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#監督

「スタッフに任せたいのに、意見が出てこない・・」優しい監督の悩み(初心者の映画制作講座)

「スタッフに任せたいのに、意見が出てこない・・」優しい監督の悩み(初心者の映画制作講座)

今回は、監督とスタッフの間の、よくある衝突についてお話しします。

やる気のある監督さん、自主映画のリーダーから、こんな悩みが時々届きます。

「みんなで作りたいから、スタッフそれぞれ、やりたいようにやってほしい。でも、スタッフは皆、指示が欲しいって言うんです」

カメラマンには、構図や撮り方を自分で考えてほしい。
照明を当てる人は、やりたいようにやってみてほしい。

監督さんは、そう考えるわけで

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自分の作品に出演するということ(初心者の映画制作講座)

自分の作品に出演するということ(初心者の映画制作講座)

自分の作品に出演するかどうか。

時々、話題に挙がることですね。
これ、監督さんによります。

当然出たい!という監督さんもいるでしょうし、
出るなんてとんでもない!という監督さんもいるでしょう。

出た方がいいのか、出ない方がいいのか、
なんて議論は、好きずき以外のナニモノでもないので、
今回は違う視点で書いてみたいと思います。

まず、出演するパターンを考えてみましょう。

【その1】出てみた

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役者からは、スタッフの様子が丸見えだよ(初心者の映画制作講座)

役者からは、スタッフの様子が丸見えだよ(初心者の映画制作講座)

学生時代、役者として何本か舞台に立ったことがあります。

舞台の稽古というのは、映画の準備やリハーサルにあたると思うんですが、これらは雰囲気が全然違うんですね。

舞台の稽古では、役者が常にメインで前に立ち、スタッフはその様子を端っこで見ています。

一方、映画のリハーサルは完全にスタッフがメインです。
機材やセッティングが完了してから役者を立たせ、微調整に入る。

さて、今回は役者の目線から見た

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ロケ地として部屋を借りるときの注意(初心者の映画制作講座)

ロケ地として部屋を借りるときの注意(初心者の映画制作講座)

監督や制作陣は、こと撮影となると盲目になる。

・・・というお話です。

ロケ地が独り暮らしの部屋、もしくは6畳一間なんていうのは、僕の感覚では80%以上の自主映画に登場するシチュエーションです。

つまり、
個人で映画を作っている人の多くは、独り暮らしの部屋を探しています。

で、
友人知人のつてを使ってロケ地候補を探しまくります。
すると、「いいよ」と言ってくれる人が現れます。

そこで、

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撮影前のかけ声と雰囲気の演出(初心者の映画制作講座)

撮影前のかけ声と雰囲気の演出(初心者の映画制作講座)

撮影に入る時、終わる時のかけ声って考えたことありますか?

「アクション!」
「カット!」

これが基本でしょうね。

さて、あなたは初めて監督をすることになりました。
あなたは何て叫びますか?

「アァークション!!」
「カァーット!」

これが意外とね、恥ずかしい。

よくよく聞いていると、皆さん、いろいろアレンジしてるようです。

「はーい、行きまーす!よーい、スタート!」
「はい!オッケイ

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「決定稿」の本当の意味(初心者の映画制作講座)

「決定稿」の本当の意味(初心者の映画制作講座)

シナリオが完成すると、それを「決定稿」と呼びます。

撮影が終わると、「クランクアップ」と呼びます。

編集が終わると、「完成」と呼びます。

映画制作って、それぞれの段階で「終わり」があるんですね。

個人で映画を作る人は、この「終わり」を『自分が満足したとき』に設定しがちです。

これは危険。
いつまでたっても先に進まない、という結果に陥ります。

それぞれの「終わり」の後も、変更することって

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自分の平凡さに気づけるかどうか(初心者の映画制作講座)

自分の平凡さに気づけるかどうか(初心者の映画制作講座)

※最初にお断りをしておきます。
今回の内容は、「毒」と「愛」の両方が入っています。

「いいことを思い付いた!」

映画は、思いつきから企画が始まることがほとんどです。

で、その企画とは・・・

『自分の経験から描くラブストーリー』
『自分がずっと抱えている悩み』
『自分の周りの人間関係』

といったものだったりします。

思いついた人は、鼻息荒く、その内容がいかに素晴らしいかを語ります。

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やる気という言葉は使わない(初心者の映画制作講座)

やる気という言葉は使わない(初心者の映画制作講座)

映画のスタッフや役者の募集ページでよく見かけるのが、

「やる気があります」

という言葉。
ものすごくよく使われる言葉です。

ちょっと質問です。

【A】映画を初めてつくる人
【B】監督3作目の人

どちらかを選べと言われたら、どちらを信用するでしょうか?
あなたの時間を2ヶ月間捧げるとしたら、どちらでしょうか?

どちらも名のある人間じゃなく、会ったこともない人、とします。

まあ、【B】を

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消えモノに注意(初心者の映画制作講座)

消えモノに注意(初心者の映画制作講座)

シナリオを読む時、僕がチェックするポイントがいくつかあります。

そのうちの一つが、
「消えモノがどのくらいあるか」
というものなんです。

「消えモノ」って分かりますか?

文字通り、撮影しながら消えてしまうもの、です。
タバコとか、食べ物とか。

これら消えモノは、あるのと無いのでは、撮影時間がずいぶんと違ってくるんですね。

準備にも、後片付けにも大きく影響します。
それはつまり、スタッフ人

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撮影中に、スタッフが監督に話しかけていいの?(初心者の映画制作講座)

撮影中に、スタッフが監督に話しかけていいの?(初心者の映画制作講座)

あなたは、スタッフの一人として、撮影現場にいます。

知り合いに誘われて来ただけ、というお気楽な立場です。
監督はなんだか気難しそうな人。

しかもすごく忙しそう。ずっと眉間にしわが寄っています。
とても挨拶なんてできる雰囲気ではありません。

荷物番としての役目をおおせつかり、撮影の様子を眺めます。

「はーい、行きまーす!」

ピリリと緊張感が走ります。

「よーいスタート!」

演技が始まり

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2カメラ撮影の憂鬱(初心者の映画制作講座)

2カメラ撮影の憂鬱(初心者の映画制作講座)

・1作品、作ったことがある。

・知り合いの映画制作を手伝った。

このくらいのレベルの方からよく相談されるのが、
「2台のカメラで同時撮影したら、楽ですよね!」
というもの。

会話シーンとかって、二方向から撮ることが多い。
だから、それを一気にやってしまったら撮影が早くなるんじゃないか。

この気持ち、よーく分かります。

僕も昔、これを実践したことがあります。

ちょっとこれ、具体的に考えて

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撮影当日の朝の光景(初心者の映画制作講座)

撮影当日の朝の光景(初心者の映画制作講座)

いよいよ撮影の初日。

あなたは電車を降ります。
空はすがすがしく澄んでいて、大きく息を吸い込みます。

うれしくもあり、不安もあり。
待ち合わせ場所の改札まで、普段よりもずっと早足で歩きます。

両手にも背中にも機材がいっぱいで、身体中が重い。
でも、足は軽やかです。

スマホが震えます。
荷物を持ち直して、携帯を確認。

メールです。
おや、何通も来てる・・・

あなたはいくつもメールに返信し

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ひとの大事なものを大切にするということ(初心者の映画制作講座)

ひとの大事なものを大切にするということ(初心者の映画制作講座)

今回はいつもより、ちょっと辛口でいきます。

ずいぶんと前のことになりますが、

ビデオカメラを貸したあと、戻ってきたカメラバッグを開けてみたら、レンズがむき出しで入れられているのを発見したことがあります。

当時、貸した相手に怒り心頭で抗議しました。

ビデオカメラは、レンズの交換ができません。
つまり、レンズが使えなくなったらそのカメラは「おしまい」なんです。

以来僕は、気軽に「カメラを貸し

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自宅をロケ地にする注意点(初心者の映画制作講座)

自宅をロケ地にする注意点(初心者の映画制作講座)

映画を作る人たちが使うロケ地として、

「自宅」

という選択肢はかなりよくあるのではないかと思います。

僕は結構引っ越しの多い人生ですが、ほぼ全ての部屋で、撮影を行っています。

そこで皆さんに、自宅・自室を撮影場所にすることについてお話ししたいと思います。

まず、自宅をロケ地にすると、撮影が延びます。

それは、制限が無くなるからですね。
天気もあまり関係なくなる。

「この日に終えないと

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