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#80 vacanceはフランス語で、vacationは英語。印欧祖語*eue-のdescendantsを見る。

世間はすっかり夏休みという感じだが、夏休みといえばバカンスである。バカンスは実はフランス語から入ってきた言葉で、英語ではvacationだ。基本的には、休みっていいよねーという辺り一遍の感想しかないが、類語のvacancyだと空席、空室であり、vacantだと「空の」という意味になる。つまり、「何もない」ので休暇と意味するようになったのだろう。

vacantの語源をたどと、印欧祖語*eue- "to leave, abandon, give out"にさかのぼるが、同根語としては、avoid, evacuate, vacuum, vain, wantなどがある。なんとなくつながりがわかる。

KDEEを見ると、avoidとevacuateには「空にする」から「避ける」と意味が変化する経緯については、フランス語の影響を受けたのではないかと推測されている。etymonlineも同じ立場をとっている。

また、vacuumは割とvacantそのままの意味であり、vainは「空の」からunprofitableぐらいの意味になったと推察される。

最後に、wantが気になるが、原義は"to be lacking"=欠けている、であり、欠けているからこそ欲しくなると意味が変化したことが推測される。

まだまだ全然仕事はvacantではないが、"just around the corner" となってきた夏の休暇を楽しみに、もう少しだけ頑張りたい。

今日はこんなところです。



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