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怖い話のウラ話・第8話「スピリチュアルとは言うけれど」

 スピリチュアル。奇妙な言葉てすねぇ。
 この言葉を辞書で引くと、

――精神的・霊的・宗教的な物事。

 と書いてあります。
 これを拡大解釈して、オカルト的な物事も、スピリチュアルと呼ばれているようです。
 実は〈オカルト〉と言う言葉は、

――神秘的・超自然な物事のこと。

 です。しかし、これもまた拡大解釈されて、不思議で怖そうな物事を意味するようになりました。中にはオカルトとスピリチュアルの区別がつかず、不可思議な訳の分からない物事を、その場の雰囲気で呼び分けている人までいます。
 世の中の人々をザッと見ていると神秘的な出来事の中の怖いものを〈オカルト〉と呼び、天使やら神ぽい物事を〈スピリチュアル〉と呼んでいるようです。
 これは、
――神様が人を助けてくれる。
 と言う、大きな思い込みから来ています。神にも様々な種類があります。中でも人を助けるのは、ごく一部の神だけです。これを〈救済神〉と呼びます。
 救済神は、人間の数に比べると少なく、とても希少な存在です。しかも、目の前の人を救うことしか出来ません。万能ではないのです。
 つまり、
――神様は、絶対、分かってくれるンや。
 と、勝手に思っても、神様にとっては、
「はて、何のことやら?」
 と、首を傾げられるのが関の山だと言うことです。いざと言う時に神様に助けもらいたいなら、まず、知られていることが必要になります。普段から神社などに行ったこともないのに、困った時だけ神頼みしても、
「虫が良すぎる」
 と言うものです。
 身勝手な人は、救済神どころかどの神様にも好かれません。まぁ、貧乏神とか厄病神には好かれますが、それらの神々は助けてくれません。困った時には、さらに困ったことをしでかすのです。この続きは、また次回お楽しみに。

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