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影男研究 類似調査記録

【概要】
影男研究に関する調査記録を一部公開する。

【経緯】
旧学会名義(日本怪異調査学会)で発行した影男(※1)の調査記録集『影男』『影男の行方。』に関わりのあった影男研究の第一人者■■教授が死亡。翌年、影男研究所内で研究員Aが首を吊った状態で発見(※2)され、死亡が確認された。その後、研究員Aのものと見られる手記が学会宛に届いた。手記の一部をテキスト資料として保管するため書き起こしを行った。

(※1) 人の形をした黒い影。怪談や都市伝説となることにより全国的に目撃情報が多発した。
(※2) 発見時、研究員Aは身体の一部が不自然に欠損していた。

 



(以下、テキスト資料より抜粋)

影男研究 類似案件調査記録

『N崎小学校の怪談』
■■市内のN崎小学校に通う児童たちの間に広がる噂がある。
下校時、知らない間にひとり、友達が増える というものだ。
防犯のため必ず数人で帰宅することを定められているN崎小学校の児童たちは、家が近所の者同士グループとなり、自宅が近付けばひとりずつグループから抜け帰宅する。
その際、帰宅する児童に残ったグループの面々が「ばいばい」と声かけをする。
グループが五人なら「ばいばい」の数は四回、十人ならば九回と決まっている。
ある時、最後に残る児童が「ばいばい」の数がおかしいと主張し始める。児童たちはその真偽を確かめるため、下校時の人数と「ばいばい」の回数を記録することにした。
しばらく問題は起きず、児童の勘違いだったという空気が流れ始めた時、「ばいばい」の数がひとつ多い日があった。それ以降は数日に一度のペースで同じようなことが起きた。
妙なことに、その「ばいばい」の回数が多い日は最後の二人になるまで誰も気が付かないのだという。
児童たちが下校時の記憶を順に辿ると、「ばいばい」の数が多かった日に共通したものがあった。
児童らが記憶していた服の色である。
児童らは、自分以外の誰かが上下共に黒い服を着ていたはずだ、と口を揃えて全員がそう主張した。
見知らぬ黒い児童がグループに混ざっていたら即座に気が付くはずである。しかし児童らはその黒い児童に向かって、何の違和感も抱かずに「ばいばい」と発している可能性があった。
不可解な現象であったが、それによる被害などは特に無かったため、児童らはそれ以上の検証を諦めた。
現在はN崎小学校に伝わる怪談のひとつとして語り継がれている。
(メモ:黒い児童・影男 関連性アリ、研究所に持ち帰り調査)

『■■駅女子トイレ』
・■■駅構内の地下女子トイレから通報あり。
・「男が壁にへばりついている」
・通報を受けた駅員と近くで作業中だった清掃員がトイレへかけつけるも何も居らず。
・トイレの入口と面している通路の監視カメラを確認したところ、通報した女性の前に数人の女性が出入りしていたことが判明。通報女性以前に同様の通報は無し。
・壁にへばりついていた男は、全身黒ずくめで壁に向かって直立していたという。
・通報した女性にのみ見えた何かしらの影の可能性?
(メモ:通報した女性は学習塾で受付事務をしている)

『T家の監視カメラ』
■■市に住むTさん宅の監視カメラに、深夜ドアの前に立つ怪しい人影の姿が記録された。
T家は以前から深夜に外で響く不気味な音に悩まされており、警察に相談したところ監視カメラを設置するよう勧められたとのこと。
カメラに記録された人影は、横滑りするように道路からドアの前まで移動すると、しばらくそこに直立したのち、ふっと姿を消した。
映像を解析して不審者の人相を確認しようとしたものの、その映像に鮮明さはなく、人型のぼやぼやとした黒い影が映されるだけであった。
Tさんは不審者の声を聞いたことがあり、唯一はっきりと聞き取れた言葉は、
「いる」
であると証言した。
(メモ:Tさんは通勤で■■駅を使用している)

『S家』
T家の件を調査中、斜向かいにあるS宅から様子を伺いにきた主婦が居た。TさんとSさんは交流が深い模様。
Sさんに注意喚起もかねて、T家で起きている不可解な出来事を伝え不審者を目撃していないか聞き取り調査が行われた。
その翌日、Sさんから不審者がうちにも来たかもしれないという通報があった。
内容は類似していたが、S家の場合はドアの外ではなく、自宅の廊下で家族以外の足音が聞こえたというものだった。
S家の家族構成はSさんと夫、大学生の長女、高校生の長男、そして犬が一匹となっている。
その日の21時頃、S家では犬を含め家族全員同じリビングで寛いでいた。するとリビングのドアへ続く廊下でガタンという物音がした。
不審者の話を聞かされていたSさんらは警戒し、リビングのドア越しに息を潜めた。空気を察知した飼い犬がリビングのドア前で勢いよく吠えたことで、人の気配は一旦消える。
しかし深夜、家族全員が寝静まった二階の廊下で再び物音がした。異変を察知したSさんの夫はドアの前まで近付き、耳をすませた。すると廊下から人の足音のようなものを聞いたという。
それは「ぺたぺた」というフローリングの床を裸足で歩いているような音に近く、しかしそれにしてはどこか妙な響きをしていたと、翌日Sさんの夫は調査員に詳細を話した。
その妙な響きという部分をもう少し深く聞き取りをしようとしたところ、Sさんの夫は突然悲鳴を上げ、「それです、」と主張した。
その目線の先にあったのは、床に何かしらの痕跡がないか調べていた別の調査員の姿だった。
その調査員は、廊下を四つん這いでぺたぺたと移動していた。
(メモ:犬の動きを学習した?)

『影男類似案件、報告』
・類似案件の関係者伝いに影男が広がっている模様
・影男に擬態能力あり
・調査書類をまとめ教授に報告済
・噂の内容をどう認識するかにより影男の性質は変化する?
(メモ:教授への報告に一部嘘を混ぜた)

(“影男は人に危害を加えることが出来る”)

『影男研究の第一人者 変死体で発見』(□□新聞抜粋)
昨日朝7時頃、山道の脇の茂みで近くの研究施設「影男研究所」代表■■教授が血を流して倒れているのを、通りかかった人が見つけ、署に通報した。
■■教授は腹部をハサミのような刃物で刺されて死亡しており、県警は殺人事件とみて捜査本部を設置し捜査している。
調べでは、刺し傷の他に全身の関節が逆に折られ、首の骨がねじ曲げられるなど、犯人の執拗な犯行の痕跡があった。
関係者の証言によると、事件があった前日の夜、取り乱した様子で研究所を後にする■■教授の姿が目撃されており、「もう逃げられない」「影が居る」と繰り返し口にしていたという。
不可解な点が多いことから、捜査本部は影男になんらかの思想を持つ人物の犯行との見方を強めている。
 (メモ:教授はヒトに殺されたのではない)
 ゆるしてください

~~~~~以下解読不明箇所アリ~~~~~

影男■究 類■■件調』レ家
駅■内の地下女子ト■レから通報あり。
「男が壁にへばりついている」
であると証言■た。
「男が壁にへばりついている」
通報■た女性の前まで移動す■と、しばらくそこに直立したのち、ふっ■姿を消■た。
児童らが記憶し■いた服の色■ある。しかし児童らはそれ以■の検証を■めた。
「男が壁にへばりついている」
児童たち■下校時の人数と「ばいばい」の数がおかしいと主張■始める。児童た■は、自宅が近付■ばひとりずつグループか■抜け帰宅する。
「いる」
通報した女性の前■で移動すると、しばらく■こに直立したのち、ふっ■姿を消■た。
「いる」
であると証言した。
「男
グループが五人なら「ばいばい」の数がおかしいと主張し始める。
「ばいばい」の数がおかしい
数がおかしい
おかしい
「いる」
黒い児童が「ばいばい」している。
(メモ:へばりついている)

『S家ギ■ 』■
T家の家族構成はSさ■と夫、大学生の長女、高校生の長男、そして■が一匹となっている。
不審者の■を聞かされていたSさんら■警戒し、リビングのドア越しに■を潜めた。空気四つん這いを察知した飼■四つん這いぺたぺたぺたぺたぺたぺた歩く四つん這い四つん這い四つん這いぺたたた歩く四つん這い痕跡がないか調べていた別の調査員の姿だった。
■の動きを学習した? 高■の)
ぺた
(メモ:そちらへ来る■は二足歩行をするかもしれません)

『どこ』

・どこ

・どこ

・どこ

・どこ?

(メモ:よこ)

『身』
み ん な わ ら っ て い ま す
み ん な わ ら っ て い ま す
お し あ わ せ に 、お げ ん き で
せ ん べ つ で す
目、脛、指

『 縺ソ縺?>縺、縺代◆ 』
(※テキストデータにすると文字化けが生じる)

繝偵ヨ繝偵ヨ繝偵ヨ繝偵ヨ縺ッ繝偵ヨ縺後%縺」縺。縺薙▲縺。縺薙%縺薙%縺薙↓譚・縺ヲ縺薙>繧?k縺ェ縺ェ縺阪f繧九k縺ェ縺?f繧九&縺ェ縺?ヲ悶%縺。鬥夜ヲ悶r縺九¢縺ヲ縺薙■鬥悶%縺。鬥悶?縺ゥ縺薙↓縺薙%縺ォ縺九¢繧阪°縺代m縺薙>縺、繧九☆縺帙▽繧九○縺イ繧ゅ?繧?¥縺薙>縺翫∪縺医%縺?←縺薙□縺薙>縺翫∪縺医♀縺セ縺医←縺薙←縺薙←縺薙←縺薙>縺溘∩縺、縺縺ゅ↑縺溘′隱ュ繧薙〒縺セ縺吶い繝ェ繧ャ繝医え螫峨す繧、螫峨@繧、縺薙▲縺。縺ォ譚・縺ヲ縺上l縺ヲ縲√い繝ェ繧ャ繝医え繧ゅ≧蟇ゅ@縺上↑繧、

文字化け復元ソフト等である程度の解読が可能
※自己責任で変換してください

文字化けの復元ツール|イクナガ ツールズ 様




テキスト資料として収録されたページ
解読不能箇所

 

 以上

【追記】
学会内部の一部しか知り得ない手記内容と酷似したテキストを一般市民が創作物として公開していたことが発覚。任意で聴取を行う予定。

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