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怪異生物フォトコンテスト優秀作品


先月開催いたしました怪異生物のうつくしさをテーマにした『怪異生物フォトコンテスト』の優秀作品を発表します。
今回は怪異汚染専門の清掃業者『やまびこクリーン』代表の山彦さんに優秀作品へのコメントをいただきました。併せてお楽しみください。




【優秀作品集】


撮影者:調査班D 怪異管理番号:11057

▶️学会施設の人工禁則地再現エリアで撮影された作品です。この個体は掛け軸や掛けタオルなどを片っ端から落とす妖怪タイプの怪異生物です。

山彦「本来自然豊かな場所にはいない種ですが、こうして木の虚から出てくる瞬間を作り込むことで野生動物のように見えるのが面白いですね。硬い幹に対して白いモフモフが際立って可愛いです。目立つので捕獲されやすそうですが」



撮影者:研究班T 怪異管理番号:6275

▶️硯に墨を入れたまま置いておくと出現する個体。器用に4本の腕を使って他の怪異生物の姿を描くという特性があります。

山彦「まずこのなかなか姿を見せない個体の写真をどうやって撮ったんだろうと驚きました。描いているのは“濡鴉”でしょうか、資料としても価値の高い写真だと思います」



撮影者:調査班W 怪異管理番号:7322

▶️学会が所有する縄鳴山で撮影された作品。この個体は苔むした岩から生えたあと、金属を引っ掻くような鳴き声をあげる特性があります。

山彦「渋くてかっこいいですね。個体の発現環境に近いところもいいと思います。縄鳴山で撮影されたということで、チャレンジャー精神を感じます。命知らずで少し心配になりますが」



撮影者:管理班N 怪異管理番号:23658

▶️頭が2つ、脚が3本のカラスに似た容貌の個体。とある団体から“阿吽様”と呼ばれ民家の一室で飼育されていた経歴がある。

山彦「照明と黒いボディのコントラストが良い味出してますね。阿吽様の由来となるクチバシの開き具合がどちらもよく見える構図となっているのが丁寧でとても良いと思います」



撮影者:研究班O 怪異管理番号:89625

▶️学会施設の裏手にある森で撮影された作品。枯れた落ち葉のような体を持ち、踏まれた生物に寄生して怪異汚染の影響を受けやすくする特性があります。

山彦「個体のチョイスがまた良いですね。被写体を大きく写すことで迫力が増し、落ち葉のような体もよく見えて個体の資料としても役に立ちそうです。生物写真っぽさがあります」



撮影者:管理班A 怪異管理番号:3278

▶️学会敷地内の怪異出現検証用住宅内で撮影された作品。家の廊下や扉の隙間に出現する個体です。犬に吠えられると萎みます。

山彦「怪異らしいビジュアルの作品きましたね。検証用住宅とのことで、犬が居なくてのびのびとしているように見えて愛らしいです。モノクロなのもかっこいいですね」



撮影者:研究班E 怪異管理番号:25663

▶️家の中に出現し、観葉植物の葉などを落とす性質を持つ個体。首をあらゆる形に変形させ葉から生気を奪います。人間が触れると強い眠気を引き起こします。

山彦「これもまた渋い怪異チョイスですね。光の入り具合がうつくしいです。この個体に誤って触れて地獄を見た時のことを思い出しました。写真で見ると綺麗なんですけどね」



撮影者:調査班Y 怪異管理番号:48324

▶️学会施設の裏手にある森の神域再現エリアで撮影された作品。体の表面にボンドのような粘度の高い液体を出し、線香のような独特なにおいを放つ。

山彦「鮮やかな森の生命感に包まれている様子が良いですね。巣穴のようにも見えて面白いです。普段は廃墟になった民家などによく出現してるイメージなので、自然の中にいるのが新鮮です」



撮影者:管理班G 怪異管理番号:27835

▶️暗闇に潜み、灯りを食べて数を増やす特性を持つ個体です。暗い場所で液晶画面の光が反射する目にも群がる場合があり、視力が落ちる原因のひとつとも言われています。

山彦「“灯喰い”ですね、シンプルな構図にすることで個体が灯りに群がっていく動きが見えて良いですね。怪異生物図鑑があればその資料として使われそうな適切な瞬間を切り取った作品だと思います」



撮影者:研究班B 怪異管理番号:6358

▶️学会施設内の怪異検証用住宅で撮影された作品。障子や磨りガラスなど、影がうつる場所で蛇のようにくねくねと這う性質を持つ個体。

山彦「狐窓市民はこどもの頃に見る怪異としてメジャーな個体ですよね。暗い室内に入る光のグラデーションが綺麗です。空間の静けさとひっそりと現れる怪異の様子が絵としても良いと思います」



撮影者:調査班U 怪異管理番号:7963

▶️学会施設の人工禁則地再現エリアで撮影された作品です。鳥に似ていますが、山などで遭遇すると人間の方向感覚を狂わせ、遭難させることもあります。

山彦「やっかいな特性の個体ですが、白いフォルムがうつくしいですね。民家には滅多に出現しないので初めて見ました。あとこの個体の下にヤバそうなのが居るんですが、これは……あ、いえ、見えてない人は見ない方がいいです」



【番外編】
シュールでユニークな作品を山彦さんに選出していただきました。(詳細は省きます)

撮影者:調査班 怪異管理番号:82397

山彦「シュールだなぁ。この個体、自ら泳いでいるというよりたぶん流されてますよね。それをよしとしているような、怪異生物にしてはのんびりと生活していそうなところが好きですね」


撮影者:研究班F 怪異管理番号:25386

山彦「これもかなりシュールですね。生活の中でこの個体を見たらかなり驚くと思うんですけど、この写真からは撮影者のまなざしに愛おしさが込められてるように感じます」




以上『怪異生物フォトコンテスト』優秀作品を13作発表しました。
ご応募いただいた皆さまありがとうございました。


▼全体を通した感想を山彦さんにお聞きしました。

山彦「撮影者の属する班によって選ぶ撮影場所や怪異生物のチョイスに違いが出るのも興味深かったです。怪異を写真に撮るのはかなり難しいと思うんですけど、写真作品としてもちゃんと美意識が感じられてさすがだなと思いました。見ていてとても楽しかったです。ありがとうございました」

▼最後に、『やまびこクリーン』の宣伝をどうぞ

山彦「どれだけ可愛く見える怪異であろうが、ご依頼があれば一切の情けをかけず除去します。安心してご相談ください」


怪異汚染専門清掃業者『やまびこクリーン』代表の山彦さんでした。

ご協力ありがとうございました。


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