枯レ尾花調査学会

旧 日本怪異調査学会 日常的に怪異が出現する架空の土地『狐窓(こまど)市』にある怪異調…

枯レ尾花調査学会

旧 日本怪異調査学会 日常的に怪異が出現する架空の土地『狐窓(こまど)市』にある怪異調査の専門組織です。 調査報告書、会員へのおしらせなどを公開しています。 (創作アカウントです)

最近の記事

M村の腱切り儀礼について

報告書『横切るひと』の「腱切り」について 【概要】 M村の葬送儀礼「腱切り」についての調査記録を公開する。 【M村の葬送儀礼】 現在のM村における特徴的な葬送儀礼のひとつとして、遺体の両アキレス腱辺りに✕シルシを書くというものがある。 ✕シルシは大体が墨と書道筆で書かれるのが一般的だが、近年筆ペンや油性ペンなどが使われる場合もある。遺体に✕シルシを書くのは直接血の繋がりのある親族に限り、なんらかの理由でそれが難しい場合は出来るだけ近い親族らがふたりで手を重ねながら筆を動か

    • 横切るひと

      狐窓市民からの通報 【通報内容】 全身ずぶ濡れの死人が歩いていた。死人は一昨年亡くなった祖父のように見えた。裸足で歩いていて、アキレス腱のあたりに✕シルシが書いてあったので死人で間違いないと思う。 【経緯】 幽霊の目撃情報は多数寄せられるが、今回の通報者(Uさんとする)の証言に“アキレス腱のあたりに✕シルシが書いてあった”という興味深い内容が含まれていたため聴取を行った。 Uさんが祖父らしき幽霊を目撃したのは2024年8月22日、25日、9月4日の3回で、20時頃職場から

      • 怪異生物フォトコンテスト優秀作品

        先月開催いたしました怪異生物のうつくしさをテーマにした『怪異生物フォトコンテスト』の優秀作品を発表します。 今回は怪異汚染専門の清掃業者『やまびこクリーン』代表の山彦さんに優秀作品へのコメントをいただきました。併せてお楽しみください。 【優秀作品集】 ▶️学会施設の人工禁則地再現エリアで撮影された作品です。この個体は掛け軸や掛けタオルなどを片っ端から落とす妖怪タイプの怪異生物です。 山彦「本来自然豊かな場所にはいない種ですが、こうして木の虚から出てくる瞬間を作り込むこと

        • ヨシミ

          【概要】 市民からの通報案件『ヨシミ』の調査が中止となるに至った経緯を報告する。 【経緯】 2024年4月30日 15:42 学会の怪異相談窓口へ市民(Nさんとする)から通報が入る。 通報内容は「家に気配がする、飼っていた生き物の霊かもしれない」というもの。 ペットを亡くした飼い主がしばらく家の中でペットの気配を感じる、または物音などをペットの霊だと認識することはよくある。その場合、ペットの気配と共に過ごしていく飼い主も多いが、その気配が本当にペットによるものなのかを調査し

        M村の腱切り儀礼について

          「か がいた  す」

          市民から学会への通報 【通報内容】 スマホのアルバムにある[ゴミ箱]フォルダに見覚えのない真っ黒な画像が発生する。何の画像か確かめるために明るさを調整したところ、スカートを履いた人のようなものが浮かび上がった。 さらにSNSでその画像を投稿したところ、明度調整で浮かび上がる像が人によって異った。 【経緯】 通報者(Eさん)は自身のスマートフォンのデータを整理していた。その際、一度消去したデータが一定期間保管される[ゴミ箱]フォルダ内にて真っ黒な画像データを発見する。Eさん

          「か がいた  す」

          ヒーくんの人形

          【概要】 狐窓市民より提供された動画資料を公開する。 【経緯】 2020年6月24日に自宅に設置した定点カメラがとらえた映像。 狐窓市民(Yさん 一軒家に独り暮らし)は2018年頃から家の中での不審な物音に悩まされていた。 音の種類として、 ・無人の二階でドサッと何かが落ちる音 ・内側から窓を指先でコツコツコツ、と規則的に3回鳴らす音 ・スリッパを階段から落とす音(写真1) ・こどもの声(意味は聞き取れないが敬語を話しているように聞こえる) ・ドアの取手を弾く音(写真2)

          ヒーくんの人形

          T町の『入ってくるひと』

          調査記録 公開 とある地域(T町とする)で限局的に流行した都市伝説がある。 都市伝説自体は民家の玄関の写真が変化するというよくある形式のもので、 「長時間写真を見つめていると締め切られた状態のドアが開き人間が何かを言いながら家へ入ってくる」 というものである。 [実際の写真] 市内の中学生らがグループチャットアプリ内に投稿した噂が発生源とのことだが、証言者たちは最初に噂を流した中学生が誰なのか知っている者はいなかった。 以下、学会がT町で聞き取り調査を行った記録である

          T町の『入ってくるひと』

          『落としもの』に関する情報提供をお願いします

              【概要】 学会宛に、こまど掲示板に貼られたものと同様の怪文書と写真3点が差出人不明の封筒で届いた。現在情報を求めている。 【経緯】 2024年9月15日 19時頃、別件の現場から戻ってきた調査員が学会の敷地内で不審な封筒を見つけた。 郵便局を介さず、何者かが直接学会の敷地内へ侵入し、封筒を置いた模様。発見した場所は■■■■の■階、■■■■■内(セキュリティ上伏せ字とする)であり、外部の人間が侵入することは非常に難しい場所だった。 また、防犯カメラを確認したところ、

          『落としもの』に関する情報提供をお願いします

          怪異再現スケッチ かお

          【概要】 怪異目撃者の再現スケッチを一部公開する。併せて、目撃者が再現スケッチをした際の言動記録を一部公開する。 【前提】 目撃者本人による再現スケッチは学会に数多く保管されている。再現スケッチはいずれも安全な室内で目撃者の精神が安定していることを確認してから行われる。 怪異を目撃した場所・時間・経緯など、先の聴取で提供された情報を再度確認したのち、怪異についての詳細な聞き取りを始める。その過程で、怪異の容姿を覚えている目撃者には紙とペンを渡し、簡単なスケッチをしてもらう。

          怪異再現スケッチ かお

          調査記録報告書に関する注意事項

          調査員の皆様には再三お伝えしている報告書の基本的な書き方、ならびに調査方法について、再度注意事項をまとめました。 過去に提出された実際の報告書を例に改善点を記します。ご確認をお願いします。 (掲載許可済み) こちらは2018年5月に提出された報告書です。 報告文書の別紙として添えられた写真資料となります。 (報告文より抜粋) “解体中の民家の蔵で業者が発見し、家主が直接調査を依頼。からくり箱のようだが簡単に開く。中には黒い謎の粉末と白い欠片あり。彫文字も見られ、現在詳細を

          調査記録報告書に関する注意事項

          影男研究 類似調査記録

          【概要】 影男研究に関する調査記録を一部公開する。 【経緯】 旧学会名義(日本怪異調査学会)で発行した影男(※1)の調査記録集『影男』『影男の行方。』に関わりのあった影男研究の第一人者■■教授が死亡。翌年、影男研究所内で研究員Aが首を吊った状態で発見(※2)され、死亡が確認された。その後、研究員Aのものと見られる手記が学会宛に届いた。手記の一部をテキスト資料として保管するため書き起こしを行った。 (※1) 人の形をした黒い影。怪談や都市伝説となることにより全国的に目撃情報

          影男研究 類似調査記録

          開けたのは誰か

          『開けたのは誰か』2024年9月 日本怪異調査学会会報誌より抜粋 【概要】 2024年8月、失踪中の調査員と一般市民が接触したとの報告を受け、一般市民への聴取を行った。 【経緯】 [調査員の失踪] ・1995年、民家Tへ調査へ向かう旨の報告を最後に、フリーの調査員 会員名:水谷知正 (ミズヤトモマサ 以下Mとする)と音信不通となる。 ・過去、①1999年7月、②2006年11月、③2013年4月にMの目撃情報あり。いずれもMを知る調査員からの報告。 ・報告内容 ①Mと似た

          ポスターの目玉歪み現象について

          【概要】 広報マスコット紹介ポスターに歪みが生じる現象を記録した。   【経緯】 枯レ尾花調査学会(旧 日本怪異調査学会)には、一般向け広報が存在する。公式マスコットは学会が初めて入手したとされる怪異生物の記録写真を元に作成された。   2024年9月10日正午ごろ、マスコットの紹介ポスターを一新し、各所に設置。同日21時ごろ「ポスターの絵柄が歪んでいるようだ」という匿名での通報を受ける。 怪異現象発生の可能性があるとして、一般市民の目に触れる場所のポスターを全て回収

          ポスターの目玉歪み現象について

          学会アンケート調査

          ▼学会の各班、全職員を対象に「学会での活動に関するアンケート調査」を行いました。 組織として、または班をまたいでの改善点を挙げていただいた中から、班ごとにいくつかの意見内容を公開します。 【調査班】 ▶️現場に足を運び怪異が絡んでいる可能性のある事象の調査を専門とする。人員は各班で一番多いが、大半は現場に出ているため施設内での滞在時間は少ない。情報のない未知の怪異と対峙するため危険を伴う。  [意見] ・管理班からの報告書催促が辛い、圧が強すぎる。調査を終え、急ぎで別件の

          学会アンケート調査