まずは30分間泣かないようにするために

昨年12月中頃、私は八王子線の車内で40分近く泣いていた。
2か月に一度、実家の家族とコストコへ現地で待ち合わせし買い物に行く日だというのに、向かう道中ひたすら泣いていた。

知り合いのコピーバンドのライブの様子をなんとなくスマホで撮り、翌日ぐらいに写真と感想を添えて送る。
周りもよくやっているし特別なことではない習慣。

私は、スマホとかSNSの影響かあまり長い文章が好きではない。
読むことも書くことも。だからLINEでも長文は打たないようにしている。

その私が、八王子線車内40分の内30分ぐらいは泣きながらLINEの文章を考えながら打ち、結果的に長文を送り付けてしまった。50枚の写真とともに。

めちゃくちゃ迷惑である。私だったら嬉しいけど草生えて若干距離置く。

でもそれほどまでに心打たれた。

対バンだったし、メンバーはほぼ知り合いでバンド組んだこともあるメンツだ。終わった直後は素直に「凄い良かったです、感動しました」って会場で伝えたかった。
でも出来なかった。口に出した瞬間に泣くとわかっていたからだ。

次回のライブもあれば行きたいし、本家のライブも行きたい、音源もずっと聴きたい。
でも出来ない

どうしても泣いてしまう。明確な理由もなく。とにかく止まらなくなる。
そういうことで、聴きたいのに聴けない状態を約1か月続けた。

大人だしそろそろ対策を練りたいと思い、現在に至る。

そもそも"泣く"とは

とある脳科学者の本を思い出した。
体験したことのない感情がキャパオーバーした時に涙は出る

理解は出来る。
でも「だったらライブ観た時1回で済むだろ。なんで思い出し泣きするんだ」と思い、自分のキャパの少なさにキレた。

仕方ない。やはり何度も見聴きし慣れる必要があるようだ。

とりあえず歌詞一覧があるサイトで片っ端から歌詞を見る。
音楽なしで言葉を見るだけなら大丈夫だろう。

3曲、目を通したところで泣いた。終わった。

あくまでも音源だけ、歌っている姿のある動画を見ずに聴く。

1曲目のサビ前で泣いた。終わった。

全然、学習出来ない私。
感情の正面からぶつかるから共鳴するんだ。
相手を知れば良い、理解すれば良い。音楽を分解して聴けば良い。

幾分マシになった。

何を体験したことがなかったのか理解したからだ。

自分の中に弱く在るところを強い言葉で歌い(ヒップホップ的)、
ジャズやソウルのリズムでノらせる。

これが体験したことがなかったノリだ。
歌詞の共感出来るところが、SNS的でありラップ的であった。
内容は明るいものではなく、ちょっとした愚痴めいた怒り。
それをめちゃくちゃ動けるリズムで乗せてくる。
嬉しい・楽しい気持ちではないのに乗ってしまう。
「そうそう、ほんとそんなことばっかだよ!」って思いながら踊っている。

なんなんだこれは。
私の怒りが、愚痴が、昇華されていく。舞っていく。

という理解をしたところで、まずはコピーバンドの演奏30分間は涙を堪えることが出来るのではないか。

まずは30分。

30分観て、演者と普通に話すことが出来るようになったら、
本物を観にいこう。たくさん聴こう。


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