坂元裕二がきっかけで、脚本家でドラマを選ぶようになった話。
今までのわたしは、ドラマや映画を観るときの基準が、タイトル・評判・出演俳優のどれかだった。
でも、とある出来事がきっかけで、『脚本家』で選ぶようになった。
今日はその出来事のお話。
◇
今年の頭に公開されるや否や、大ヒットした映画『花束みたいな恋をした』を、友人に勧められて観に行ったのは2月のこと。
大学時代に付き合った人もいなければ、5年も付き合ったこともない、なんなら純愛すらしたことないのではないかという、そんなわたしでもどこか“エモさ”を感じて泣いてしまった映画。
その時の感想は、映画館でもらった特製ハガキに書いていたので、載せておく。
さて、この映画を勧めてくれた友人が言った。「さすが坂元裕二だわ〜」
坂本…裕二…?
菅田将暉と有村架純の自然な演技に感動していたわたしは、坂元裕二とやらが誰かわからなかった。
友人に聞くと、どうやらこの映画の脚本家らしい。しかも、他にもいい映画やドラマをたくさん作っているのだとか。
早速ググってみた。
そして、Wikipediaで彼の“主な作品”を見た時、驚きのあまり固まってしまった。
「東京ラブストーリーも坂本さんの脚本だったのー!?!?」
おいおい世代が違うだろ、と思った方。
そうなんです、実はこの作品、わたしが生まれる前に放送されていたドラマなので、名作ということは知っていたけれど、内容を全く知らないまま大人になりました。
しかし便利な世の中で。
アマプラで配信されていたのをきっかけに1話目を試しに観てみたところ…どハマりして一気見したのがつい昨年の出来事でした。
とにかくドラマ全体が“しょっぱい”。
(伝わりますかね?笑)
携帯電話のない時代ならではのすれ違いもあれば、「その一言伝えるためだけに家に行く?」みたいなツッコミどころも満載で、ドラマを見ながら終始「しょっぺー!」と叫んでいた。
※以前『M 愛すべき人がいて』という浜崎あゆみのドラマの副音声で、伊集院光と古市憲寿が“香ばしい”とドラマを論評していたのがしっくりきて、それ以来ドラマや映画を料理に例えて表現することにハマっている。
…話が少し逸れたが、つまり花束みたいな恋をしたよりも先にどハマりしていた東京ラブストーリーが同じ脚本家だったことを知り、そこから「脚本家でドラマを選ぶのいい!」と思い始めた。
早速アマプラで坂元裕二の作品を漁ると、『カルテット』がヒットしたので、前情報なしに、観てみた。
どハマりした。
空気感・セリフ・間合い…全てが心地よかった。
軽井沢の寒くて静かな冬の空気と、主人公たちの独特な空気感が堪らなくて、なんでこのドラマをリアルタイムで観ていなかったんだろうと後悔した。
(いや、むしろアマプラで観ることでCMが入らないので空気感が中断されず、よかったのかもしれない)
そんな折、『大豆田とわ子と三人の元夫』が放送されると知った。
やっと、坂元裕二のドラマをリアルタイムで観れる!と興奮した。
しかも、カルテットに出ていた松たか子と松田龍平が出演ではないか。
そうして、放送が始まるとしっかりテレビにかじりついては、心に残したいセリフをスマホにメモするほどには、丁寧に視聴した。
すっかり、坂元裕二作品の虜になっていた。
さてさて、ここまではただ坂元裕二の脚本が好きな人の話になってしまったが、この話には続きがある。
◇
これまたアマプラがきっかけなのだが、『MIU404』が配信されていたので観てみた。
※いつもドラマの流行に乗れていないことは察してほしい。ただ、とても評判のドラマだったことは知っていた。
これもハマった。
俳優陣の演技が素晴らしいのは大前提として、毎話毎話のストーリー展開がうますぎる。
程よく期待を裏切って伏線を回収してくるあたり、堪らなかった。
こんなストーリーを考えられるのは誰だ?と思い、脚本家を見ると、野木亜紀子とのこと。
ふむふむ、Wikipediaを検索すると…
『逃げ恥』もこの人だったかー!!!!
また、してやられた感。
しかも彼女のドラマに共通する「女性の生きづらさ」に焦点をしっかり当てている点や、それを美化せずリアルに描く点にも非常に好感が持てて、またアマプラで野木亜紀子のドラマを漁った。
今は『アンナチュラル』を視聴中だ。
引き込まれてしまい、あっという間にあと2話くらいで最終回を迎えてしまう。
こうして、脚本家で作品を選ぶという楽しさを知った。
◇
何を当たり前のことを、と思う方もいるだろうが、少なくともわたしにとって「脚本家で作品を選ぶ」という行為に気づけたのはアハ体験だった。
ぜひ、この人はおすすめ!という脚本家や、坂元裕二や野木亜紀子ならこの作品を観て!というものがある方は、コメントで教えてほしい。
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