2018.12.12〜13日記「ブチ切れる技術」
みんなのフォトギャラリーというところから日記のヘッダーを使わせて貰うという試み。かわいい。
12日
朝:朝バナナ
昼:サラダとサラダチキン、タンスティック、レッドグレープフルーツを液体に浸したもの
夜:豚を焼いたものをご飯の上にのっけたやつ(子供になれなかった鶏添え)
13日
朝:朝バナナ
昼:タンスティックとサラダパスタと果物を液体に浸したもの
夜:ラーメン
常々、日記に昨日のことしか書かないのはなんかおかしいなぁとは思っていた。昨日のことなんて結構忘れてしまうので。
記憶の鮮度は時間と共に劣化し、思い出すのにも時間がかかる。端的に言えばロスである。何かいい方法は無いのだろうか……と思っていたところに天恵が舞い降りる。
「それなら今日のことを書けばいいのでは」
コペルニクス的転回だ。私は天才では無かろうか。しかしながらこれは車輪の再発明でもある。なぜなら元来日記とはそういうものであるので。
13日、久しぶりにお仕事で少し怒ってしまった。
私が振った仕事に一切手を付けずに、かつ引き継ぎをせずに退職をした人の仕事を全て引き受けることになった時も、取引先が納期に4ヶ月遅れた時も、定時前に多量の仕事が降ってきた時も別に怒りはしなかった(そもそもそれは怒ることでもない)。
だけど、それでも今回は怒らざるを得なかった。
詳細は割愛するのだけど「依頼したお仕事をやらなかったのは全部お前が悪いんだよ」と言って、相手方が責任をこちらに擦り付け、かつ怒ってきたので(会議体で合意を得て、かつ必要資料は全て渡している状況)。
こちらの不備ではないものを不備と言われるのは流石にまずい。そのため、反論を含めて語気を荒げてしまった。
しかしその後もその人の勢いは止まらず、むちゃくちゃな事を言い続ける。そこまで来て私は一周回って感心し始めてしまった。よどみなくキレ続けるその人を見ながら。
「キレるにも技術と覚悟が必要だ……」
と考えてしまった。
まず「自分のことを棚に上げる」という技術は絶対的に必要であると感じた。これは相手から痛いところを突かれた際に、どうやって自分のことを棚に上げてうまくかわすかである。この技術が無いと相手に言いくるめられてしまうためキレ続けることが困難になる。
この人も「いや、それはあなたが会議を無断欠席したのがいけないのでしょう」との突っ込みに対して「終わったことは仕方ない」との反論をしていた。
過去に依頼した仕事をやらなかったことの責任の話をしながら、終わったことと棚に上げる。理想的かつストロングな棚上げムーブである。少なくとも私には出来ない(何故なら相手のことを考えてしまうので)。
このように「あえて(もしくは無自覚に)自分のことを客観視しない」「相手の都合は考えない」というスキルがキレる際には必要になってくると、その人を見ていて感じた。善し悪しは別として、天性の共感性の欠如はある種の才能でもあると思う。
あと相手に責任転嫁する際に「些事を大事のように公言し、その際についでに自分の仕事をやらなかったことの責任を擦り付ける」という手法があることを知る。
実際に今回その人の仕事内容とは関係ない部分に軽微な誤記があり、実際にそれは直す必要があった。今回相手はそれを指摘し「このような誤記がある不十分な資料を発行するのは問題だ。そのため私は仕事に取りかかれなかった」との論調で責任を擦り付けようとしてきた。その言葉を聞いて、私は一周回って「すごいな」と感心してしまった。
その人は自分が仕事をしなかったことを正当化するために、発行した資料を隅々まで読み込み、私の誤記を発見し、「しめた!」と考えてそれを突いたのだ。もの凄い熱意である。
その熱意の1%でも仕事に注いで欲しいとは少し思うけど、熱意をつぎ込む対象に貴賤はないのでよしとしよう。
私はそこまで怒ることがない。なので、ある種自分が所持していないスキルを公開されているという状況だったので、後半は感心しっぱなしであった(もちろんそれとは別に個人的感情として「いやだなぁ」というものはあったものの)。
その人との話が終わった後、何となく嫌な空気が周囲に流れる。今後、相手との関係性は当然悪くなる。更に周囲の人間にもキレる人というレッテルを貼られてしまう。
その人は無自覚かもしれないけど、覚悟がないとキレ続けることは出来ない。この人は周囲の人が呆れていてもキレ続けるという、世間体的に結構リスキーなことをしていた。もちろんそれに付き合った私もである。
キレ続けるには技術と覚悟が必要だ。
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