ハラスメントセブン 「ドランクン・デスオート 1」
裏路地にあるバー「アバンダンド」は、
気難しいバーテンがいるおかげでいつも開店休業状態だ。
故に、ハラスメントセブンの集会場所としては最適だった。
「こんばんは」
キャプテンワキガはバーテンに会釈をすると店内を見渡した。
そして、奥の席にハラスメントセブンのメンバー、デスオートの姿を認めた。
「もう飲んでるのか」
とキャプテンは言った。
「本当はこんなもん飲みたくないんだが、クソッ。だがヴィランの連中は俺がシラフの時に犯罪をしないとは限らんからな」
デスオートのグラスを持つ手は震えていた。
「無理するな。この街のヒーローはお前だけじゃないんだ」
「わかってるさ。それはそうと、お手柄じゃないか。銀行強盗を捕まえたんだって? お祝いに一杯おごって……」
腕時計がビープ音を発する。
事件発生の合図だ!
「やれやれ。飲んでて正解だったな!」
デスオートはトレンチコートを羽織ると、千鳥足で夜のサカナシティに飛び出した。
【続く】
メイクマネー、したいのさ。