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理学療法士が給料について真剣に考えてみた

転職HACKSのデータを見ると、
理学療法士の平均給与は33歳時点で410万円だそうです。

これを高いと見るか、安いと見るか。

職場で給料の話になった時、ポジティブな話題になることって少ない印象があります。
あなたの職場ではどうでしょう?

僕も数年前まで、
給与明細を見ては「こんなもんか」とため息をついていた記憶があります。

でもちょっと待ってください。
理学療法士(PT)の給料ってそんなに低いんですかね。

気になって調べてみたことがあります。


1、PTの給料を全国平均と比較してみた


国税庁の民間給与実態統計(令和元年)

これ見ると分かりますけど、(めっちゃ見にくいですが)
男性の平均年収は540万円だそうで。

たかっ。

対する女性は296万円。

やすっ!

平均すると436万円です。
うーん。
男女格差の問題はひとまずおいて(深刻な問題ですけど)、我が身に置き換えてみましょう。


上記データにある平均年収540万円という数字は、平均年齢46.7歳で、の話です。
ちなみに平均勤続年数は12.4年。

さて。

僕は令和3年時点で31歳です。
勤続年数は10年。
年収は400万と少し。

年齢で考えると思ってたほど悪くはないな、というのが正直な感想でした。

年齢別で全国平均のデータを見てみましょう。

〈25〜29歳の年収〉
男性:403万円
女性:328万円
平均:369万円

〈30〜34歳の年収〉
男性:470万円
女性:321万円
平均:410万円

確かに全国平均よりPTは年収低いですね。
ちなみにPT協会員の平均年齢は34歳前後です。

ですがこうしてみると
年収そのものより、昇給率が悪いことの方に問題がありそうです。


次に年収別の比率を見てみます。


<男性>
200万円超300万円以下の者が10.9%
300万円超400万円以下の者が16.6%
400万円超500万円以下の者が17.5%

●ここまでの合計45.0%(0〜200万以下を加えると56%)

500万円超600万円以下の者が13.5%
600万円超700万円以下の者が9.0%


つまり、僕は全国民の56%の中に、
それも上位ランカーとして存在している、ということになります。

女性の場合はもっと上にいけますよ。

<女性>
100万円超200万円以下の者が23.7%
200万円超300万円以下の者が20.3%
300万円超400万円以下の者が17.5%
400万円超500万円以下の者が10.5%

●ここまで72.0%(0〜100万以下を加えると87.4%)

500万円超600万円以下の者が5.5%


リハビリ職は給与面で見るとさほど男女差のない職業です。
もちろん、育休・産休・時短勤務を除けば、の話になりますが。

それでも多くの女性職員が
全国87%の中の上位に入れるって凄くないですか。


決して悪くないんですよ、僕らの給料って。

じゃあなんで「低い」と感じるのかというと、
やってる仕事が専門性の高いものだから、という点が一つ。

そして、「こんなに勉強してるのに」という意識が働くからです。


2、僕らが給料低い、と感じる理由

こんなに沢山勉強してきて、
今でも自分でお金払って研修行ったり参考書読んだりしてるのに昇給は年に数千円…

ここですよね。不満の源泉って。

努力と対価が釣り合っていないと感じる。
そこが引っかかってるわけです。

何も努力しないで文句ばかり言ってる人もいるかもしれませんが、
それはひとまず置いて。

ですけど、診療報酬という制度の元で働いている以上、これはもう仕方がない。
これから僕らの給料が劇的に上がるということはないでしょう。

キャリアアップの道も前途多難です。

各々の職場に役職の上限数が定まっている以上、
ポストが空かないことには昇進の可能性すらないわけですから。

新しい部門を立ち上げてそこの責任者になる、
くらいの器量があれば別ですけれど、僕を含めてそこまでの能力はないし…と感じる人は多いと思います。

その上でどう考え、どう行動するか。
それが大事になってくる。


3、実際いくら貰えば安泰か、という問題

給料を上げる方法について検討する前に、その前提条件について考えてみましょう。

ずばり、いくら稼げれば事足りるの?
問題です。

僕の例でお話していきます。

僕はいま彼女と同棲してますが、手取り額の半分を家に入れてます。
家賃とか光熱費とか、駐車場代とか食費なんかがここから引かれる。

彼女も同様に手取りの半分を入れてくれてます。

そうすると手元に残るのは10万と少し。ここからさらに必要経費が引かれます。
・美容室代
・医療費(皮膚科)
・携帯、wifi代
・JAF、県民共済

ここまでで残額が10万円を切ります。

続いて、定額利用しているサービスがいくつかあります。

・courier(雑誌)
・朝日新聞デジタル
・Dラボ
・リハノメ
・動きと痛みLab

合計すると2万円を超える金額ですね。

残り8万を切りました。

ここから資産運用に回している金額が6万円です。
iDeCoとつみたてNISAと国債を合計6万円、毎月積み立ててます。

残額2万円。

自由に使えるお金はこの程度です。


少ない、と思った人の方が多いと思います。
僕も実際2万円じゃ足りてません(笑)

僕はあまり活動的な方ではないので元々出費は多くありません。

お金がかかる趣味といえば登山したり本買ったり映画観たりする程度ですが、
それでもたまに外食すれば簡単に目減りする額ですからね…。

じゃあ我慢しているのかというと、別にそんなことありません。
貯金を取り崩してます。

正確にいうと、ボーナスで貰ったお金を一年12ヶ月で割って各月の小遣いに回してます。

夏冬で50万円の賞与があるとして、12ヶ月で割るとひと月4万円と少し。
先程の2万円と合わせると6万円です。

自由に使えるお金が6万あれば結構満足できますよ。

え、貯金ができないって?

大丈夫です。毎月6万円も使ってませんから。
いざという時の定期貯金に100万、すぐ降ろせる銀行口座に100万近くあれば十分だと思ってます。

もう一つよくある不安として、結婚と子供の件がありますよね。
僕も結婚願望はありますから。

検討してみました。

普通分娩で出産する際にかかるお金が約50.6万円。
結構な額ですが、奥さんが勤め先の健康保険に加入していれば出産手当一時金が約42万円もらえます。

つまり実出費は8万円くらい。

未就園児の養育費は年間55万円くらいだから、月額にすると4.5万円程度。
3年間の合計額が約165万円です。

男性の平均初婚年齢が31歳くらいなので、
大学を卒業してから毎月1.5万円を貯金していれば0からでも賄える計算になります。

結婚式だって、披露宴なしの挙式であれば3〜40万円くらい。
婚約指輪の相場が2〜30万円です。

大丈夫じゃね?

現時点では、理学療法士として働いていて生活が苦しくなる、
ということは少ないと思います。

確かに日常の中で贅沢はできません。
でも計画的な贅沢はできます。

月に一度はお気に入りの店で外食するとか、ボーナスの月は旅行するとか。

いくらでも考えようはある。


4、お金ではなく満足感が欲しい

実際問題、銀行の貯金額を増やすことにたいした意味はありません。
使われないお金はただの紙です。

もちろん、ある程度の蓄えは必要ですよ。

いざという時の定期預金、
すぐ使える貯金、
長期運用の資産、

だらこそ、この3つに分けてお金の管理をする。
そうすると、金銭面での不安はほぼ無くなると思います。

少なくとも、僕の場合はそうでした。

月々6万円で30年貯金したとして、総額は2,160万円です。

これを5%で同年間運用していたとしたら、約5,000万円まで増えます。

倍以上。
5%の運用はそれほど無茶な数字ではありません。

もちろん、月6万の積み立てがずっとできるとは僕も考えてませんが。

けれど、未来予想図を描くことは重要だと思うんです。
漠然とした不安を取り除くために。

ここまでの話をまとめます。

・お金にまつわる将来の不安は、
今後必要になるであろう額を具体的に弾き出して、
3つの枠に分けて貯金&資産運用すればほぼ無くなる。

・給料への不満は、仕事量/技量と額が見合っていないという矛盾から生じているが、制度上給料は上向くことがない。

ではどうするか。

お金に対する執着を捨てるというのが一つの方法です。
でもこれは、モノが溢れる現代社会に生きる僕たちにとってなかなかにハードルが高い。

知っておくに越したことはない概念ですが、それはまた別の機会にまとめます。

もう一つは、仕事以外の方法でお金を稼ぐというもの。
これなら満足感も同時に得ることができます。

勉強して得た専門知識を使って、職場以外の場所で稼ぐ。
これができれば自己肯定感が上がりそうなのは想像がつきます。

結局のところ、精神的な充足感の方だと思うんです。
僕らが本当に求めているのは。

そしてそれは、他者貢献によって得ることができる。

価格とは価値のことです。
お客さんからお金をもらうということは、相手に価値を提供することとイコールです。

病院や施設からもらう、仕組みとしての賃金とは別種のもの。 

自らが生み出したものに対して価値を感じてくれる人がいるって、
素晴らしいことだと思うんです。

だからこそ、職場以外の場所でどんどん情報発信するべきだと僕は思ってます。

他者に対して何を提供できるのかを考えて、
そのための手段を模索するべきだと思ってます。

〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・

僕は初めから理学療法士という職業が好きだったわけではありません。
実習中も含めて、やめようと思ったことは何回かあります。

その都度考えが変わるきっかけがあったわけですが、
導いてくれた人がいたから出来たことです。

↓↓
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