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人生の残り時間

わたしは14歳のときに白血病にかかりました。
わたしのかかったタイプは当時の5年生存率が20%を切っていました。

わたしは当時20歳まで生きられないと思っていました。
幸いにして、わたしは幸運な20%以下の中の生存者に入りました。

10代の闘病の時に感じた「人生の残り時間」に関する感覚は、今でもわたしのなかにずっとあります。

タイムマネジメントというと、ビジネス書の中の言葉、意識高い系の人の言葉のように感じてしまいます。

しかし時間というものは、すべての人が共通に持っている唯一のものです。
誰からも奪われない唯一のものです。
お金やものや命は奪われてしまいますが、今過ごしている時間はその人だけのものです。

人生の時間が長い少ないがあるのは平等ではないなあと思っていましたが、最近思うのは、時間とは不思議なもので、そのかたちや性質がダイナミックに変化するということです。

なにかに夢中になった時、あっという間に時間が過ぎたこと、あるいは、退屈な時間が無限に長く感じた経験はだれしもあるでしょう。

逆に、スポーツのなかでゴール際の一瞬が永遠に感じたり、ちょっとと思った暇つぶしがあっという間で数時間経ったりすることもあります。

そして時間は自分一人のものだけではありません。
人は一人では生きていけません。
いま恥ずかしく思うのが、病気をした当時のわたしは自分のことを考えるだけで、家族や周囲の人の時間について考えていなかったことです。

時間とは、過去と未来からつながるギフトだと思います。
贈り物だとしたら、わたしたちはその贈り物を他の人にも手渡すことができます。

誰と過ごすか、どんな風に過ごすか、それによってわたしたちの時間の質と長さ、人生の質と長さが変わるのだとわたしは思います。

わたしが毎日読むことにしている、わたしのミッションステートメントがあります。
今年作ったものです。
今思い返して思うのは、改めて人生の時間というはわたしにとって大きなテーマだなということです。


わたしは、わたしが生きている一瞬一瞬を美しく、楽しいものになるようにしよう。

パートナーと過ごす一瞬、
子どもたちと過ごす一瞬、
家族と過ごす一瞬。
友人と過ごす一瞬、
仕事仲間と過ごす一瞬、
はじめて会った人と過ごす一瞬。
そしてわたし自身と過ごす一瞬。

なぜなら一瞬は時間を作り、
時間は人生を作り、
人生は歳月を作るから。

わたしの生きている時間は、わたしだけのものではなく、
今わたしと関わっているすべての人と共有するものであり、
わたしが連なるこれまでの人類と、
わたしから連なる未来の子どもたちのものである。

人生を豊かな有意義なものにするためには、
その一瞬を大切にすること、
そこに自分の思いを込めることが大切だ。

何が美しく、何が楽しいのか、常に自分の心に正直に、敏感でいよう。
常に自分に誠実でいよう。

タイムマネジメントとは、たくさんのことを効率的にやって
物質的な成功を得ることではありません。

これまで生きてきた先人たちからの贈り物であり、
その贈り物に自分がうつくしいと感じる形を与えることだとわたしは思います。

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