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コロナ感染拡大、レバノン爆発、tiktok規制、山下智久と女子高生、そして孤独者におすすめの小説「掃除婦のための手引き書」

新型コロナウィルスの新規感染者数が東京都で400人を超えるようになった。今回の感染拡大で顕著な特徴は、若い世代に感染が広がっていることだ。二十代、三十代が全体の六割を占めている。そして感染経路がわからない人も全体の六割だ。経路が判明している中では、引き続き「夜の街」関連の人が多いが、最も多いのは家庭内感染だ。

私に同居している家族はいない。接待をともなう飲食店には行ったことがない。感染する可能性は低いといえる。


レバノンはベイルートで爆発が起こった。私もYOUTUBEでその瞬間を見たが、衝撃的な衝撃波だった。CGを見ているかのようだった。今やこのような映像がすぐにインターネットを通して世界中で見られる。情報はすぐにシェアされて、我々の意識はグローバルに結び付けられる。

しかし、私には誰とも結びついている感覚はない。むしろ日に日に人々と距離が開きつつあると感じている。最後に人と心を通わせたのはいつだったか。


tiktokが正念場を向かえている。tiktokは中国製のスマホアプリで、日本でも多くの若いユーザーがいる。だが、情報が中国へ送られている疑いがあり、それに懸念を覚えたトランプがアメリカ内で禁止しようとしている。だが、これはtiktokという一つの企業の問題ではない。米中対立が根本的な引き金となっている。新たな冷戦。

私も試しにtiktokをやってみた。この世界に私の居場所はなさそうだった。


山下智久氏が高校生と飲酒し世間を騒がせている。飲酒だけならず、その後山下氏の宿泊するホテルに高校生が泊まったらしい。それが大きな問題となっている。文字にしてみると確かにインパクトのあるスキャンダルだ。世間は彼のことを許すのだろうか?

私は常に世間から嫌われている。何もしていなくても犯罪者のように扱われている。私が高校生とホテルに行く心配はない。それどころか、誰かと飲酒する可能性だって低いだろう。ひとりぼっちだからだ。


何を見ても自分のことを考えてしまう。私は私の自我に苦しめられている。私は世界とつながりたいと思っている。しかし、世界は私を拒絶する。世界の役に立つ人間になりたいと願っている。しかし、何をやってもうまくいかない。せめて世界に迷惑をかけない人間になりたいと思っている。しかし、市民税すら払えず滞納してしまう。

物心ついたときから、周りにあるのは「痛み」ばかりだった。常にいばらの中を歩いている感覚。私の痩せ衰えた神経は刺激を受け続け、地獄の業火に焼かれている。アルコールはそれを消火する力がある。てっとり早い痛み止めだ。


最近、ルシア・ベルリンの「掃除婦のための手引き書」を読んでいる。これは短編小説集で、そのほとんどが作者の実生活を元にしている。労働者階級の酒飲みには響く小説だ。作者自身がブルーカラーのアル中だからだ。でも、彼女の言葉はしびれる。詩のような短編小説を書く。本物の言葉で語っているからだろう。

この小説には澄んだ悲しみがある。そして、底辺で生きる人々の命の輝きが描かれている。この本は陽の当たる場所で読むものではない。たが、日陰で生きる者たちには掛け値なしにおすすめできる。




ありがとう