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匠の言葉たち: トラガラの私設note図書館

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小さな図書館や書店に暮らしたいと夢見る少年でした。このマガジンは、そんな原点から運営しています。 読んで良かった、学んだ、みんな読んで! というnoteを収録しています。 私…
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2021年7月の記事一覧

知識の足台(ステップラダー)

知識の足台(ステップラダー)

どうして勉強するんだろう?

大抵のひとは1度は考えただろうしもしかしたら誰かに聞いたことがあるかもしれない。
私は。。。実はない。
え、今大抵1度は、って言わなかった?とか思った方、すみません。
ないんですよ。べつに勉強が好きだった訳じゃ無い(むしろ嫌い)けど、基礎体力作りだと思ってた。ただフツウに。

子供を持ってから、たった1度だけれど息子に聞かれた。
「どうして勉強しなきゃいけないの」

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スメル・アライヴ

スメル・アライヴ

 世界は臭い。

 敬愛するピアニスト、佐山雅弘さん(故人)が蓄膿症の手術をされた直後のライブでおっしゃっていた。「世界ってのはこんなに臭かったのか」と。

「くさい」にも「かぐわしい」にも生、命を感じるのはにおいのデータ化が遅れているせいだろうか。世界がどんどん脱臭されているからだろうか。

 音や映像はどんどんリアリティを増している。実際には存在しないものを実在にしか見えない状態で映像にするこ

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波よせる場所

波よせる場所

海へ向かう道を車で走らせる。窓を開ける。7月終わりの晴れた午後。乾いた風が髪を揺らす。フィアット500というこの車は可愛らしい姿だけど気持ちよい走りをする。
パパに買ってもらった。お父さんではないパパに。
街から郊外、田園地帯を抜ける。助手席には叔母さんの為に選んだシングルモルトとウイスキーグラスの包み、そして紅花を中心とした花束が座る。海に近付くと潮の香りが強くなる。叔母さんに会うのは五年振りぐ

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母の背中

母の背中

看護師になってから、20年近く経とうとしている。

正確にいうならば、18年くらいだ。最初は指折り数えていた何年め、も、この歳になるとどうでもよくなる。

新人として十把一絡げに病棟に送り込まれて以来、異動や転職はあるものの、一応途切れることはなくコツコツと働いている。

10年くらい前に結婚して、子どもが産まれた。

そのときも自然と産休と育休をとってフルタイムで復帰する道を選んだ。運良く、とて

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無敵の用務員

無敵の用務員

ある人と同じモノを使っているのに、それが全く違うモノに見えた事はあるだろうか。

昔の通販なんかは、わりとよくあった。
中でも一番ひどかったのはトランペット。
映像ではすごくカッコよく演奏しているのに、3日でキミもこうなれるってガイジンのおっさんは言ってたのに、家に届いて箱を開け20年が経過した今でも、マウスピースすらまともに鳴らない。

親父にあげたら、2日で鳴った。

完璧にその人のコピーなん

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物書きのためのパソコンの選び方

物書きのためのパソコンの選び方

 ちょっと前にTwitter で話題になったパソコン選びについて、ちょっとまとめてみようと思い立った。

 当初、フローチャートみたいに質問に答えていく感じにしようと思っていたのだけれど、質問の順番を考えている段階で混乱して袋小路に突入したのでnote にしたためてみる。

 ダラダラと7000字以上にわたって駄弁っているので、パソコン好きのおっさんが酔っぱらってくだを巻いていると思って読んでほし

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