小さな図書館や書店に暮らしたいと夢見る少年でした。このマガジンは、そんな原点から運営しています。
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2019年3月の記事一覧
大切にされなかったという記憶、大切にされたかったという記録
口のなかに小さな感情がある。
形状は路傍に転がる小石のようで、大きさの割には重い。色は分からない。
眠るときも話すときも食べるときもそれはあるので、何年も飲み込もう、吐き出そうとしてきたのに、その努力が報われることはなかった。飲み込むには鋭利で堅すぎるし、吐き出すには力が足りなかったのかもしれない。
それはあらゆる作用を拒む何かだ。舌先で転がしても唾液に角を丸めることはなく、飲み込んだところで胃