取り零したくない

今朝、駅東口へ向かう途中にどこからか「メグちゃーん!」と私の名を呼ぶ声が聞こえたので立ち止まってキョロキョロしてみると私の叔母が道路を挟んだ向かいの道から手を振っていた。そのすぐ後ろには叔母が清掃員として働くビジネスホテルがあった。なるほど今日は少し家を出る時間が遅くなったせいでちょうど出勤してきた叔母と鉢合わせたんだな。私も「元気ー?!」とニコニコ笑顔で手を振り返した。「あとで電話するねー!行ってらっしゃーい!」と元気よく見送ってくれ、朝っぱらからホカホカした気持ちになった。

なぜこんなわざわざ書くほどのことでもない出来事を書くかというと、つい最近「高次脳機能障害」という脳の後遺症が私にはあるかもしれないと言うことが分かったからだ。簡単に説明すると、と言いたいところだが簡単に説明するのが難しい。まあ、記憶力が著しく低下しているかもしれないということ。

私の生活に関わる些細なことでも記憶の中で大切にしまっておきたい、と思うようになった。そのためには書くしかない。でないと忘れたことも忘れてしまうから。

どれだけ僅かしか関わっていないこともひとつひとつ全て取り込みたいどれひとつとして蔑ろにしたくない。

声も香りも気温も湿度も雨の音も記憶の中に閉じ込めておきたい。

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