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(雑談)聞こえてきた街頭演説にツッコむ話

先日町を歩いていたところ、政治家の方か一般の方かわからないのですが、街頭演説をされている声が聞こえてきました。ちょうど信号待ちをしながらなんとなく聞いていたのですが、
・日本人は世界中で最もまじめで誠実、勤勉、実直、素晴らしい国民である
・しかしながらここ10年で給料がほとんど上がっていない。これはおかしい
・諸外国が上がっているのに、日本だけ給料が上がらないのは政府のせい
という趣旨のことを話されていたと思います。

政治的な云々は知りませんが、なんかこう、色々すっ飛んでるというか、おかしくね?と思ってしまって。もやったのでここに吐き出しておきます。つまり今回は久々の「黒からんだ君」の回なので、苦手だなという方はブラウザバック推奨です

まず個人的に気になったのが、1つ目と2つ目ですね。日本人は真面目、誠実、勤勉、実直…これは良いことですね。ただ、そこから2つ目の話につながるのかな?と思ったのです。つまり、真面目、誠実、勤勉、実直…であることが、イコール「給料が上がる」要件なのか?と。

個人的な考えですが、こと仕事やビジネスにおいて、真面目や誠実、勤勉といった要素は「大前提として有していなければならない前提条件」だと思うんですね。一方で、給料が上がるかどうかって、言ってしまえば「その人の会社への貢献度」によって決定されるのが通常じゃないでしょうか。なぜなら会社は利益を出すことが目的であって、利益は収益-費用で計算されます。給料は会社にとって費用ですから、費用たる給料を増やそうと思ったら、会社に貢献して会社の収益を増やしてくれる人じゃないと、増やすことができないんですね。

たとえば高度な資格を取って広い目線で物事が見られるようになるとか、そういうスキル面もそうですし、部下を幅広く上手に管理してくれるとかっていう管理面だったり、そういうものを高めて会社に貢献をしないと、給料って増えないんじゃないかなと思うのですよ。営業さんの給料が高いという話もよく聞くと思いますが、営業さんはほかの会社との取引を受注したり、新規の顧客を開拓したりすることで会社の利益をダイレクトに増やす役割を担っているので、給料も上がる構造になっているのでしょう(簿記を学んでいる方だったら、直接労務費と間接労務費、と言えばわかりやすいのではないでしょうか)

真面目で勤勉で誠実、という要素が会社の収益を増やすことに直結するわけではないのです。あくまで前提条件。むしろ、どれだけ真面目で勤勉であっても、何の成果も出さず会社に居続けられたら、それは困るわけですね。それなのに、街頭演説で話をしていたその方の言い分は、世界中で最もまじめで誠実、勤勉、実直、素晴らしい国民である日本人の給料が上がっていないのはおかしい。これってちょっと違わないかなと思ったのでした。

何なら、真面目で誠実、勤勉であるということに「対価」を求めるのかコイツは?とんでもねーやつだな、というのが正直な感想です。名前も見ませんでしたが、政治家さんだったらまず投票しないでしょう。

またこの主張って、裏を返すと「真面目でも勤勉でもない海外のやつらがここ10年で給料上げてやがる」ってことでしょうか?それもまた失礼な話ですよね。私は前職時代、結構外国の方と一緒に仕事をしていましたが、正直なところ私が仕事でかかわった外国の方、アメリカの方だったりオーストラリアの方だったり中国の方だったり、そういう方々自身は少なくとも真面目でしたし、よく働いてましたし、実直でしたよ。そのうえでしっかり努力して、日本語を身に着けたり、スキルを高めようとしていましたから、そういう人のほうが給料が上がるのは当然のことと思います。

それからもうひとつ、2点目と3点目について、これはかなりキワドイ話になっちゃいますが、給料が上がらないのは政府のせいなのか?ということです。そもそも給料を決めているのは企業であり、給料って支給方針だったり支給基準は内規で決まっていると思うんですよ。そこに政府(政府という言い方も好きじゃないですが、敢えて)が決めている部分って、基本的にはほとんどないんじゃないかな。最低賃金ぐらい?でも最低賃金も結局は都道府県が決めるわけですし。政府にお願いしたところで、向こうさんとしては「うーん、俺に言われても困るなぁ」となってしまうのが関の山じゃないかなと思うのです。こっちはこの辺にしておきましょうか。

街頭演説を横耳で聞いただけなので、もしかしたら私の聞いてないところで、ちゃんとその趣旨なんかを説明していたのかもしれませんが、少なくとも私が聞いた範囲では、正直何言ってんだろうか…と思いました。なお、物価が上がって生活が苦しいのに、給料が上がらない今の状況がツライ、というのはとても理解できます。

そんなお話でした。私個人がそう思った、ということですので、その方の考え方を否定したり、街頭演説そのものを否定するものではないということはご承知の上でお願いいたします。見出し画像は「みんなのフォトギャラリー」からお借りしました、ありがとうございます。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!