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財政に関する思考実験

1.税は財源?

以前、「国の財源はなんですか?」という記事を書きました。

その中で「税は財源ではない」ということを書きましたが、おそらく9割方の人は「いやいや何言ってるの?」という感想を抱かれたかと思います。

私もそうでしたが「税は財源である」という考えは、それくらい私たちの中に当たり前のこととして根付いていて、たいていの人は疑うどころか、実際どうなのか考えてみることもしないのではないかと思います。

なので、財政や財源に関する簡単な「思考実験」というものを考えてみました。こういうのはシンプルにしてみると考えやすくなりますからね。

検討ばかりしていた人が、急に増税ばかり決断しはじめた今、この不景気にそれは本当に正しい判断なのか、ちょっと思考実験として考えてみていただけると幸いです。

2.財政に関する思考実験

「財政に関する思考実験」

自国通貨で経済が回っている国があります。

その国にめちゃくちゃ働き者でバンバンお金を稼ぐ人がいました。その額たるや国のGDPのグラフに食い込んでくるほどの働きっぷりです。

とても真面目な人なので、法を破ることは決してなく、倫理的にどうかと思われるような稼ぎ方をすることもなく、課せられた税金はすべてきちんと納めています。

ところが、その人はめちゃくちゃ変な性癖の持ち主で、稼いだお金をすべてすごい深い穴に放り込んでしまうのです。その深さは一度そこに入れたら誰も二度と取り出せないくらいです。

いくら周りから「それは止めてください」と言われても、「自分が稼いだ金をどうしようと私の自由です。毀損しているわけでもありません。私はとにかくこの穴をお金で埋め尽くしたいのです」と言って取り合ってくれません。

その国は、その人のせいでつねに流通するお金が足りなくなってしまうので、政府はドンドンお金を作って、支出するしかありません。そのため政府の赤字額は毎年ドンドン増えていっています。

さて、もしその状態がそのまま続くとしたら、赤字の膨らむその国はいつか財政破綻するでしょうか? またもしするのだとしたら、それは赤字がどれくらい膨らんだ時点が目安ですか?

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