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幸福度を上げるための評価制度づくり

こんにちは!カラダノート代表の佐藤です。

前回はカラダノートValueにかける思いについてお話しましたが、幸福度を上げるために評価制度づくりについてご紹介したいと思います。

幸せを感じる組織・制度づくりとは

前回のValueの”成長が生む幸せ”でもご紹介しましたが、最も普遍的に幸福度をあげられる因子は”成長実感”であると考えています。よって、全員が成長できる環境づくりが最優先です。

一方で、”幸福度”というのは主観的指数なため、指数を下げる因子も存在します。その最たるものが、”人間関係”です。
例えば、他人の仕事が気になる、他人との比較、他責などがそれに当たります。(退職理由ランキングも、大体人間関係の要素が上位です)

もちろん、人間関係が幸福度を上げることもありますが、
”成長”は自己要素で積み上げ型幸福因子    → 確実にプラスになる
”人間関係”は環境要素でボラティリティ型因子 → 上げ下げの幅が大きい
という違いはあると考えています。人間関係がプラスだけの環境づくりは長い目で見たら不可能です。(社会で争いが絶えないのと同義だと考えます)

社会の一員である以上、人間関係をなくすことは不可能ですが、不必要な人間関係に焦点をあてず、幸福度が上がりやすい要素に焦点があたりやすくする、そういう環境づくりは可能です。

特に、会社という組織はビジョン実現のために成長していくための集団であり、みんなで仲良くいましょうという友達集団ではありません。友達関係よりやめようと思えばやめやすい集団でもあります。
自分の成長に集中し、他責や他人比較を最大限なくす。
弊社の制度はそうした考えをベースにしています。

環境因子を最大化しすぎた過去の失敗

なぜこうした考えに至ったのか?それは過去の失敗経験にあります。

どんな会社の社長であれ、社員に幸せになって欲しいと願っていると思いますが、それを実現する会社づくりは難しい。私も何度となく失敗を繰り返してきましたが、特に大きな失敗は、私のマネジメントと360度評価制度で環境因子を最大化しすぎたことでした。

私自身が環境因子となってしまったマネジメントスタイル

"合議型"・"寄り添い型"・"マイクロ型"などいくつものマネジメントスタイルを取りましたが、「自分の結果が出ないのは意見を取り入れられなかったから」、「私に助けてもらえなかったから結果がでない」、細かに管理したことにより「目標達成に向けて自分自身で考えることができない」など、いずれも社長である私が、社員にとって責任逃れの要素になる環境因子となっていました。

貢献投票をする360度評価制度

人事制度では360度評価制度を設けましたが、完全なる愚策となりました。
(もちろん、作ったのは私。作った当時は画期的!と自画自賛)
全員の日々の頑張りを数値化したい!と、毎週部門内で”貢献投票”なる投票を実施。その点数に応じて給与を決めるということをしていました。

部門の目標を達成していないのに、その達成に焦点が当たらず”どうすれば投票をしてもらえるか?”に焦点が当たるようになり、業績が上がっていないので昇給原資もなく、人間関係は悪化。馴れ合いの関係で投票し合う人、投票されずに落ち込む人、そんな中で業績が上がらないのは経営陣のせいだ、と社員の主体性を欠かす結果となりました。

個人要因ではなく環境要因

人間は環境に影響を受ける生き物なので、当時の社員(一部は今も活躍しています)が悪いとは思っていなく、環境づくりが大失敗だったという反省です。

組織を良くする方法がないか・・・
と色々と勉強をしていたところ、識学社の本に出てくる失敗事例が、当てはまる当てはまる!ちょうど同じタイミングで知人社長も識学のトレーニングを受けたという話を聞き、是非取り入れてみたいと、安藤社長を紹介してもらい、トレーニングをお願いすることにしました。

成長への焦点を最大化し、幸福度も最大化

当たり前だけれど見落としがちなこと、それは、
会社という組織で全員にとってメリットがあることは”成長”
だということです。

”仲良く居心地が良い”は友達集団のメリットであって会社は違います。会社がビジョンに向けて成長しなければ、集まる意味がありません。集団成長のためには、個人も成長する必要があります。個人視点で見ても、成長は幸福度UPにつながりますので、結果、幸福度を最大化することができるのです。

人間関係よりも成長実感

識学の考え方は、”人間関係”の要素を排除し、”成長”に焦点を当てた考え方だと理解しています。
例えば、識学導入の最初にすることは”組織としてのルールを作る”こと。
これは組織メンバーとしてスイッチオンにし成長に集中すること、”曖昧な当たり前”によるストレスを減らす目的があります。

例えば、共有スペースを丁寧に使う人とそうでない人がいたとして、丁寧に使う人からすれば、ストレスになったりもします。別に相手に悪気がある訳ではないですが、組織は多くの人の集団なので、各々当たり前の基準が違います。本当は仕事のパフォーマンスに集中すべきなのに、そうした周辺環境に気を取られたりすることで、集中できない環境になる場合があります。
そのため、当たり前基準を揃えるためにルール化しています。

これは夫婦関係でも良くあることで、”洗濯”がどこまでを指すか?や”子供を見ておいて”がどういう状態か?の定義が曖昧なので、そこでストレスになったりするケースもあります。もっと人数が多い会社では更に起きえる訳です。

また、ルールの次に評価制度も整えましたが、”主観が一切入らない評価”になるように、目標結果の明確化と昇降給のルール明確化もしました。

故に、自己評価コメントや上司からの定性的なフィードバック(目標達成に向けて誰よりも頑張ったなど)もありません。あくまで”できた”・”できなかった”の評価のみです。
できなかったことは成長の気づきでもあるので、必ずどう行動を変化するのか?を宣言させる仕組みになっています。週次で目標を立てて振り返り、行動変化をするということも繰り返しています。

成長に必要な要素と不要な要素

成長とは、できなかったことができるようになることなので、何ができなかったか?何故できなかったのか?は考えることがとても大事だと考えていますが、不要なことにマインドを取られてしまうのは勿体無い。不要な要素というのが、人間関係でのフラストレーションです。

誰々は上司に気に入られているから評価が甘い
誰々は机が汚いし、ゴミを捨てない
私は手伝ったのに、あの人は手伝ってくれない

などなど。
全部基準やルールが明確でない故に起きる人間関係のフラストレーションと考え、最大限排除するようにしています。

成長のために重要な週次での振り返りは強化
成長のために不要なマインドを取られないようなルール・制度設計に変更

ここが最も力を入れているポイントです。

仕組み導入の結果

結果、経営目線では私が直接関与する範囲は大幅に減りました。目標(責任)を決め、そこに向けての権限を明確化、更に週次で振り返るように設定したことで、各々が自走し、それを安心して見守れるようになったのです。
個人目線では、より個々人の役割に対してのプロ意識とスキルが高まったと思っています。私自身も”社長”という役割に対しての意識が高まりました。

幸福度における数値結果

そうした仕組みを導入して約1年半。だいぶ組織としても浸透をしてきたと感じていますが、じゃあ社員の幸福度はどうなのか?と現状を把握するために、先日全社員向けで幸福度調査を実施しました。
(調査方法は、慶應の前野教授が提唱する幸せの4因子がベース)

ちなみに、2年前にママ・プレママで調べた時の値は、"77.48"
(最小値16pt〜最大値112pt )
それに対して、弊社社員の平均値は”83.35(n=48)”

2年前にさまざまな要素で平均を取りましたが、N数が50程度ある平均値で超えていたのは年収項目で”1200万円以上(85.1、n=55)”という要素だけ
パパとママの家事育児分担率が、パパ:ママが7:3で80.7(n=68)という高点数もありましたが、83には満たない。それだけ高い値が出ました。

もちろんこれは現時点の値であり、”成長が生む幸せ”を掲げている会社としてはより良い点数を大人数で目指していきたいと思います。

更なる個人の成長のために

”成長”は自分との戦いで、そこに最も集中できることが結果として幸福度を高めるコツでもあると考えていますが、社会にはその集中を阻害する要素がたくさんあります。
”隣の芝生は青く見える”ということわざがありますが、実際に隣が青いかどうかは自分の成長には全く関係ありません。気にしてしまうことが成長への集中阻害と幸福度を下げているのです。

そのため、直近の人事施策は、
”いかにスイッチオンにして集中し、成長につなげるか”
に重点を置いています。

・より多くの家族を笑顔にするためのヒーロー・ヒロインになりきる
・人との対比ではなく、過去の自分と勝負をする
・結果として、組織成長と幸福度UPにつなげる

そんなことが社員全員で、できれば良いなと考えています。
引き続き、幸せを感じる組織・制度づくりを頑張っていきます!