【ヒーラー入門】筋肉を緩める【技】

筋肉は緩めた方がいい、と思っている人は多いし、筋肉を緩められる人も多いです。リラックスを提供するお店は街中にあります。考え方は「正しい」と思います。まぁ、そもそも、筋肉を四六時中緊張させていれば大変です。普通の人に出来る事ではありません。

考え方は合っています。筋肉を緩めれば気持ちも緩みます。しかし、問題は筋肉が緩んでいる状態を自覚した事がない、という点です。
疲れを感じた時、リラックスしたい、ともみほぐしてくれる人のサービスを受けたり、ご褒美に温泉に行ったり、ひとそれぞれ、リラックスの方法を持っています。

ただ、考えてみてください。これは、過度の緊張状態から、いつもの自分へと戻るための方法です。きつい状況を頑張った筋肉を休ませれば、そのギャップに心はホッとするかもしれません。しかし、それでは「いつもの身体」は変わりませんいつもの身体自体が緊張状態なのです。

実は私たちの身体は今、この瞬間にも筋肉に緊張を作りすぎているのです。
今は気にならないかもしれません。しかし、10年後は必ず今より、老いて、力を失っています。筋力に任せられないとすれば、その他の方法で身体を動かしていかなくてはなりません。身体からは決して逃げられません

【身体はバラバラ】

昨年、稽古が進み、身体はバラバラだ、と感じる経験を得ました。
その気づきに至る経過はこれまでブログやメルマガで残してきたので、今日は語りません。身体の変化を言葉にすると、すぐに何万文字へとなってしまいます。今、伝えたい事がボケてしまいますので、今日はそのバラバラ感から得られる結果だけをお伝えします。

その気づきの際、身体が骨や筋肉で作り上げられている、という感覚ではなく、「小魚の群れ」のように、小さなものが集まって大きなものを作り上げている、感覚がありました。

考えてみれば私たちの身体は細胞の集まり。たくさんのものが集まっている、と考えた方が正解のように思えます。
しかし、頭でそれを「正しい」と考えたくても、実際に身体は肉体として、さまざまな部位を作り出します。骨や筋肉はどうしても忘れられません

しかし、やっと、経験を得たのです。この経験は目指していたものではありません。楽しく稽古を続けていたら出会ってしまった経験です。まず先に、この身体感覚に従う、という気持ちが出てきました。

【基準となる身体】

バラバラの身体を知り、それまでの身体が固定観念によって固く、緊張していた事に気づきました
「努力禁止」と言葉にして伝えていましたが、筋肉的には「普段から」緊張していたのです。
バラバラ感を頼りにしてみると、動きが自由になります。何もしていない時にはもちろん、腕を動かそうとしてみた時、腕の中にあるはずの「関節」が気になりません

私はいつも「武術」を手掛かりに身体を探ります。気持ちよさは武術以外の研究をされている方も気づく事が出来ると思います。座禅、瞑想、スポーツ、食事、気持ちよさは身体のリラックスに合わせて生まれます。
ただ、そのリラックスは他者によって肉体を襲われるとなると失われます。一人でこの世を生きていくのなら座禅だけでもいいかもしれませんが、この世にはたくさんの「他者」がいます
そして、その他者とコミュニケーションという衝突を重ねて切磋琢磨し、生きる事の楽しさを探す人生は楽ではありません

武術によって得られる気づきは他者からの力に対しても有効です。いや、有効でなければ、その気づきは妄想であり、役に立ちません。
身体をバラバラにすれば、他者から抑えられても、この身体を動かす事が出来ます。主に関節にかかる力が無くなり、ぬるっとした動きが生まれてきます。

この体験をし、理屈がわかってくれば、自分だけではなく、リラックスを与えたい相手にもそれを渡す事ができます
そして、相手の身体をバラバラにした後、バラバラになった身体を動かしてもらい、更に、それを軽く押さえて、それでも動き続ける事ができる、と感じてもらうと相手はそこに身体の不思議を見つけることが出来ます。

ヒーリング、という言葉でひとくくりにしてしまっていますが、興味を持ってもらえればいいので、あまり深くは考えてはいません。
相手を癒す場合、相手の足らなくなってしまった部分を埋める方法もありますが、この筋肉を緩める技の場合、そもそも自分自身が自分に厳しくし過ぎて、毎日、ずっと緊張させている力を開放するように働くようです。

【具体的方法】

筋肉を緩める方法を知っている人はたくさんいます
それこそ、たくさんのプロもいるわけですし。
ピンポイントで「そこ」という部分を緩める場合、プロが持つ歴史の中で残されてきた細かな手順と鋭い感性を併せ持った技が必要でしょう。
しかし、「毎日の緊張」を手放す事をする場合、その細かさは要りません。もっと簡単に筋肉を緩める事ができます

腕の筋肉を緩める場合、肘を曲げ伸ばしする方向と垂直に交わる線で揺らします。肘を揺らし動かす時、肘が曲げ伸ばしされないように意識をすれば、それが関節の可動方向と直交する方向になります。
肘の関節が動いてしまうと、その力は肩に上がり、肩の緊張を作ります。腕の筋肉がこちらが動かす肘に対して反応してしまえば筋肉は緩みません。

また、肘が揺れる事で、腕の内部が細かく割れていきますが、その動きが手首に伝わり、手首が振り回されると、それも緊張を生む原因になってしまいます。
これを収めるには、手首を中心に腕と手を優しく抑えていく事で対応できます。

言葉にすると面倒ですが、こう考えてみてください。
ビニール袋に鶏肉と唐揚げ粉を入れてまぶす
ビニール袋を激しく動かす事が目的ではありません。あくまでも、ビニール袋の中の鶏肉を粉でまぶしたいのです。このビニールを振る時、結果的に大きく動くかもしれませんが、あくまでも主役は中身です。
唐揚げを作った事がある人なら、おわかりだとおもいます(笑)。

難しい言葉を作り、精度を厳しく伝えれば、とてつもなく技術のハードルを上げる事ができます
しかし、それは私の本意ではありません。身体はバラバラになるそれが筋肉を緩める。それが伝わればいいのです。
そして、このバラバラになる感覚、普通の時の身体の軽さは多くの人が忘れてしまった感覚です。もし、人の役に立ちたい、と願った時、この技は大変な力を持ちます
しかし、難しくない。ただ、忘れてしまっただけ。それを頭に入れて、経験し、練習してみてください。

【近々の稽古は下記のとおりです】
名古屋 1/19(日)10:00-15:00
名古屋 1/22(水)10:30-12:30
浜松 1/26(日)13:00-17:00

【ヒーラー入門】
東京目黒 2020/2/2(日) PM1:00~PM4:00
つくば 2020/4/12(日)PM1:00~PM4:00

【甲野善紀先生の浜松稽古会があります】
浜松 2020/2/22(土)PM2:00~PM4:45

http://www.karadalab.com/sch

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