怪我の功名 その2 当たり前が凄い

ストレッチは鬼門(笑)

今回の怪我、原因が曖昧なまま、一月半も脚を引きづる事になっています。
ただ、おそらく、というのが一つあります。それが「ストレッチ」。

ストレッチなんて健康になるための第一歩でしょ、と思う人もいるかもしれません。
しかし、やり方がまずいのか、ストレッチをしてみよう、と始めて見ると、大きな確率で具合を悪くします(笑)。

今回は5月の半ばあたりに、それほど無理と言えない程度のストレッチをしたのですが、その辺りで筋を伸ばしてしまったのではないか、と想像しています。
まぁ、原因は何であれ、ずっと脚が痛い、という現実、結果は確かなもの。原因がお化けでも、業でも、呪いでもそれはいいんです。痛い脚がここにあり、付き合っていかなくてはいけない、という現実をどう生きるかが大切な事なのです。

縦書きの術理

ストレッチが原因、と書きましたが、4月から急激に変わってきた身体の使い方にも問題があったのかもしれません。
問題があった、と書けばその術理に欠陥があるかのように思うかもしれませんが、それほど影響があるほど大きな事だった、と改めてこの発見には喜びを感じています。

4月に見つかった術理、それは「縦書きの効用」です。
縦書きを意識している時、頭の中では「常に左へ」と動きが生まれ、居着く事がありません。
常にある流れに乗れるようになる、それが縦書きの効用です。これに関しては甲野先生のメルマガに7月の3週目の号から掲載予定ですので、もしよろしければご覧ください。

甲野先生のメルマガ

何十年も右足に力を入れて、踏ん張って生きてきました。
それが一番いい、と思っていたから。むしろ、それ以外を知らずに生きてきました。
それが突然、縦書きによって、左へと動き続ける事を知りましたが、その勢いを長年踏ん張り癖の有る右足が受け止めたのかもしれません。流れに逆らってはダメ、というのを身をもって経験したことになります。

怪我をしていても最高の動き

縦書きの術理の威力はこの怪我の状態でも現れました。
むしろ、縦書きがあったから、怪我の状態でも気にならずに、「いつも通り」研究が出来た、とも言えます。

身体を探れば必ず、新しい何かを発見します。人間の可能性は無限、と言われますが、本当にそう。探れば探るだけ、新しい世界へと広がります。
ただ、身体を探る際に必要なもの、それが身体感覚。
その身体感覚を得るのに、するどい感性を持った稽古相手が必要になります。

怪我で痛みがある時、ついつい、心はそれを嫌い、思考停止になりがちですが、身体感覚からすれば、いつも、違う感覚が身体からあふれ出てくる、という状態になります。

怪我を通して新しい感覚をみつけ、それを鋭敏な感覚を持つ手ごわい稽古相手に試してみて、さらにそこからまた新しい世界へとつなげます。
有難い稽古相手ですが、それぞれに生活があり、四六時中一緒にいられるわけではありません。家に帰り、その帰宅途中も含めていつもまた、痛みがあれば、それが手掛かりとなり、新しい世界へとまた踏み出す事に。

この1か月半はこの好循環が続き、これまでとは違うスピードで動きが変わっていきました。

心を見るのか、身体を見るのか

痛みがあって苦しい時、それは心が止まっている時です。
痛みに集中し、休んでいられるなら、その分、心はちょっとその痛みを引き受けなくてはいけないのでしょう。
問題は痛みがあって、「動けない」と決めつけてしまう事。
痛みがあるのはわかります。傷んでいるんですから当然です。ただ、そんな時にも「動かなくてはいけない」場合があるかもしれません。

自分が何とかしたい、と願った時、ちゃんとそれに応えてくれる身体がある、それを知っているかどうか、この先、老いが進むにつれ、怪我や病気で振り回される人生になるうえで大切な事です。

縦書きの術理は常に左へと行く術理。
痛みがそこにあり、止まってしまいそうな時にも必ず左があります。大きく左へは行けなくても、小さく左へと重心は動きます。
痛みは左という感覚のセンサーを高めてくれることになりました。

健康であれば見えなかった世界。痛くないのですから、気にならない。
しかし、実はそれ、感度が鈍いだけで、心が身体に生まれている衝突、圧力を見せないでいただけなのかもしれません。

痛みがあれば、歩く事はもちろん、立っている事も辛くなります。
それは地球上では重力が下へと働き、二足歩行の我々はどうしたって、脚へと負担が集まるからです。
普段気にしていませんが、脚には実に様々な力が常に動きをもって現れているはずです。ロボット研究の人が苦労をして人間の動きを再現していますが、やはり、まだまだ生身の動きには敵いません。
最新のコンピューターでも解析できないほどの小さな動きが身体中で生まれているからに他なりません。人間って、凄いんです。

痛みによって、身体の精妙さを改めて知りました。
怪我をしなくては気づけなかった「当たり前の凄さ」です。

【稽古予定】参加受付中
【不定期稽古】
7/23 川崎稽古
7/30 甲野善紀先生名古屋稽古
9/11 つくば稽古
【定期稽古】
7/8 東山
7/9 浜松
7/13 第2週朝の名古屋稽古は中止です。
7/15 熱田、名古屋深夜
7/17 名古屋(10日から変更)
7/21 瀬戸ヒーリング
7/27 名古屋、大垣

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