2019年の術理 5月

「鱗」に気づいた4月。5月に入り、その鱗の効用がどんどんと出てきました。そして、それは思いもよらない展開を見せてくれました。武術的にではなく、治癒という日常生活に欠かせない力に繋がりました。

【ヒーラー】

武術と医術は似ている、と言われます。柔道整復師、という職業もありますからもともとはそうなのでしょう。人を壊せるからこそ、治す事も出来ます。
しかし、今、武道、武術だけを行って治癒を行える人はどれほどいるのでしょう。治癒の技は技として他に師匠を見つけ、組織に入り、求める人がほとんどです。

この「あたりまえ」が私の中で崩れました。
鱗に気づかせ、活かす事で、身体の中にたまっていた緊張がほぐれて行く事がわかったのです。原理がわかれば、「誰でも」人の役に立てる、そう思えるようになりました。こんなにうれしい事はありません。

今、医療の技術はとてつもない進化をしています。この先はさらに、加速度を上げて病気の根治が進みます。ただ、私たちには心があります。怖れや不安を作り上げる想像力があり、その想像が緊張を生みます
薬や手術、手技によって身体から悪いところを排除をしたとしても、その時、心に不安があれば、身体は緊張し、また、こわばりを創造してしまいます

怖れるな!安心しろ!と言われても、それはなかなかできません。武術はそういう根源的な心の働きを稽古によって見せてくれます。
この時の緊張を鱗は取ってくれます
身体を支えるのに、骨や筋肉と言った「内側」で支えるのではなく、皮膚という「外側」に任せればいいのだ、となるのです。

知識は学ぶことが出来ます。現代ならもう、秘伝はほとんどありません。求める知識をどんどんと入れる事ができます。
この知識を活かす時に、自信が必要です。

どのジャンル、業界にも「ゴッドハンド」と言われる凄い人がいますが、彼らは自信に満ち溢れています。自信に満ち溢れた人に声を掛けられ、施術、治療をされれば、無意識の奥の奥にある緊張だって取れてしまうのだろう、と考えています。

ただ、多くの場合自信とは自然に生まれるもの。ゴッドハンドはどれだけ凄い事をしても、それを自然と行います。凡人である私は知識と練習ではどれだけ重ねてもそこへは至りません

しかし、鱗の働きを知り、考え方が変わりました。鱗を知って、どんな人とどんな時に出会っても、私にやれる事がある、とわかったのです。
多くの人、ほとんどの人は骨と筋肉、内臓に力を入れています。しかし、それが緊張に繋がる事もあるのです。病気になったりすれば、力は入りません。出ても来ません。しかし、そんな時にも、皮膚に触れ、鱗を触れば、緊張は取れます相手になにかをしてもらう必要もありません

そもそも人にはすでに、自己治癒をする力があるのだ、これを実感できたのが鱗です。
この思いをスタートにして治癒の技を学べば、あとは時間の問題。最短距離で治癒ができれば超喜ばれますが、ゆっくりでもいいんです。医術、医療に長けた他の人に助けを求めてもかまわないのです。鱗の作用で緊張を取ってあげられる、とわかれば安心して困難へも向き合えます。身体に生まれる無意識の緊張を取ってくれる人はそんなにはいません

今、私はすべての人は「ヒーラー」になれる、と考えています。鱗の働きを知り、そこに興味を持って、探ればその力はどんどんと高まります。才能の部分を恐れなくてもいい。身体に見つけられて実感が出来る鱗はそれを教えてくれました。

【ギザギザ】

5月はまだまだ終わりません。「ギザギザ」の効用がまた、面白いのです。
ギザギザという形を見て、人は無意識に方向を持ってしまうようなのです。

なんとこのギザギザ、紙皿に穴をあけ、そこに手を入れた事で気づきました。穴を通り抜ける手首に現れるギザギザ。その時、私の意識は腕から手指へと変わったのです。

おそらく、それがどうした。と思われるはず。ただ、紙皿に手を入れただけなのですから。姿かたちは滑稽です(笑)。しかし、働きはもう、段違い。
私はこの気づきによって、長年求めていた技「コイン取り」が出来るようになりました。

指先には気配がないのです。力は腕の方が大きいかもしれません。しかし、気配が大きすぎます。また、力持ちは上には上がいて、今は大丈夫でもやがて止められるのです。

しかし、気配のなさが生み出す働きは違います。どれだけ身体が大きく、力が強くても、突然現れる手に心は驚いてしまい、反射的に崩れるのです。

力は必要なかった、それを実感する事ができました。努力禁止がさらに、強くなります(笑)。

また、このギザギザにより、無意識のうちに持っていた力みの存在にも気づきました。鱗によって外側へと意識が離れていたのもよかったのでしょう。ギザギザのテープを作り、身に着けた時、それを支える体幹部、肩甲骨や股関節部の衝突が消えるのです。意識の持ち方によって痛みが変わる、というのは興味がそそられます。

大きな身体は目立ちます。わかりやすいし、求めやすいです。
しかし、何者にも縛られない自由な力は小さく、見えません。エネルギーだけになっていくようです。
指先が持つ力はまさにそれ。小さく、力はありませんが、想像を創造に変え、新しいものを作り上げます。常に自由でいられるもの。それが指先の持つ力です。

指先が大事だ、意識しよう!そう願っても、つい胴体、背骨、正中線、丹田、チャクラに意識を集めてしまうのです。
この時、ただの「ギザギザ」が意識に方向を作ってくれる、とわかれば、さっそくそれを試せばいいのです。もし、今、壁にぶつかっているのなら、その壁の先へと向かわせてくれるかもしれません。ホント、不思議(笑)。

【いよいよ今年の稽古も最後です!】
名古屋 12/29(日)10:00-17:00
浜松 12/28(土)13:00-17:00
【年明けの稽古も決まっています。】
名古屋 1/8(水)10:30-12:30
名古屋 1/19(日)10:00-15:00
浜松 1/11(土)13:00-17:00
瀬戸 1/16(木)10:00-12:00
熱田 1/17(金)13:30-15:00
【久しぶりの東京稽古も決まりました】
東京目黒 2020/2/2(日) PM1:00~PM4:00
【2回目のつくばも決まりました】
つくば 2020/4/12(日)PM1:00~PM4:00

http://www.karadalab.com/sch


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