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「やせたい」ってなんだろう?―「からだのシューレ」新メンバーを迎え再始動します

2016年3月より、11回にわたって行われた「からだのシューレ」では、主に文化人類学の観点から、からだと食べ物について参加者の皆さんと一緒に考えてきました。

企画者の磯野(@mahoisono)と、林利香さん(@eat119)がともに摂食障害の研究と啓発活動にそれぞれ関わっていたため、参加してくださった方150名の内、半数弱の方が摂食障害の経験者でいらっしゃいました。(過去のイベントはこちらから確認できます)

「からだのシューレ」は、東京開催が10回目を迎えた2018年3月にいったん終わりとなりましたが、「継続して欲しい」という嬉しい声をたくさん頂けたため、11月より強力なお二人の新メンバーを迎え、再始動することとなりました。


プラスサイズモデル Nao(吉野なお)さん

1人目の新メンバーは、プラスサイズモデルとして雑誌「la farfa」をはじめ各方面で活躍されるだけでなく、摂食障害の元当事者としても講演活動をされているNaoさんです。(Twitter:@cheese_in_nao & instagram: @naopappa

ご存知の方も多いですよね。

2016年12月に開かれた「からだのシューレ」の特別ゲストとして、ご自身の体験をお話しくださって以来、しばしばシューレにもいらししてくださっていました。

モデルをされているときは明るく元気。時にはピカチュウの帽子をかぶってテンションを上げているNaoさんですが、Naoさんの顔はそればかりではありません。

実際に話してみると、社会をクールに見渡しながらキレキレの一言が飛び出すのも魅力。

そんなNaoさんの観察力が「からだのシューレ」の方針とぴったり合うため、ぜひ企画側に入ってくださいとお願いをし、ご快諾くださいました。

Naoさんより一言

初めまして、Naoです。
縁あって『からだのシューレ』と出会い、面白いワークショップだな〜と思っていたら、この度メンバーとしてお誘いいただき「更に面白いことができるかも!」と、ふたつ返事で加入させてただきました。

1人きりで「からだと食べもの」について悩んでいる方へ、
私もシューレのワークショップで感じたような「あれ?」「どうして?」「なるほど!」「確かに!」「そんな方法があったんだ!?」などの閃きを届けることが目標です。
どうぞよろしくお願いいたします!


管理栄養士 鈴木真美さん

2人目のメンバーは管理栄養士の鈴木真美さんです。真美さんもNaoさんと同様に、摂食障害の元当事者として、管理栄養士の知識を生かしながら、予防や回復のための情報を積極的に発信されています。(Twitter:@mamikoha2, Blog: https://mamirin.jimdo.com/))

なんと真美さんは「からだのシューレ」にはほぼ皆勤賞でご参加くださり、当初から「世界の見方が変わって面白い!」と文化人類学のファンでいらしてくださいました。Naoさん同様、シューレメンバーへの参加をご快諾くださっています。

真美さんは管理栄養士の立場から、摂食障害の方に向けた食事会などを企画されていますが、「栄養学的に正しい食事をとりましょう!」ではなく、楽しく・おいしく食べられることを、まずは一番大事されています。

私的には、「管理栄養士がこんなこと言っちゃいけないんですけど…」の後に続く言葉が見どころ。そんなに頻出するわけではないのですが、その後の名言率はかなり高いので、皆さんぜひ注目してください(笑)

真美さんより一言

皆さま、はじめまして。鈴木真美です。
からだのシューレに初参加したときから、磯野さんと文化人類学のファンになりました。回を重ねる度に毎回新しい発見があり、食やからだについてだけでなく、日々の暮らしの中でも考え方が変わってきて、イライラすることが少なくなっています(笑)

からだのシューレが一旦終わってしまうと知ったときはとても寂しかったのですが、新メンバーにというまさかのお誘いをいただき、感激してます。
(未だに、私で良いのか…と思ってしまいますが)

管理栄養士らしくない管理栄養士として(笑)
皆さまと一緒にからだのシューレを盛り上げていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします!


復活第1弾はピクニック!

からだのシューレ第1弾は、Naoさん&真美さん合同企画のピクニックとなります。

日にちは11月3日、場所は都内某所の公園で、対象は摂食障害で悩んでいる方となります。

摂食障害の当事者の皆さんが食べ物に対して感じがちな「怖い」というイメージを少しでも揺らしたいり、毎日を少しでも楽しくするための工夫を、現在真美さんとNaoさんが全力で準備されている最中です。

募集開始とピクニックの詳細公開は真美さんとNaoさんより、こちらのnoteで改めて告知されます。

最後に

「からだのシューレ」は企画者である磯野のこんな体験から始まりました。(ブログ「ぽっちゃりの私がスリムなった日」から一部引用します)

ーーー

You are slim.

22歳の時にオレゴンに留学し、驚いたことはたくさんあったのですが、そのうちのひとつがこれでした。

親戚や周りの大人から「ぽっちゃりしているね」と言われて育った私は、たぶん中学くらいから、ご多分に漏れずいつもやせたい女子でした。吐いたり、下剤乱用をしたり、ずっと食べなかったりということはなかったけれど、その時の私の気持ちは、拒食や過食で苦しんでいる人に通じる部分があったと思います。

そのときは今みたいに「どうしてやせたいと思うのか?」なんて考えることもせず、 「やせること=いいこと・素敵なこと」という自動思考ができ上がっていました。熱いヤカンに手をぶつけたら、瞬間的に手を引くくらいの、反射といってもよいくらいに。

そして留学―

「やせている」なんて言葉は、「背が高いね」くらいに関係ない言葉だった私に(155cm)、「スリムだね」なんて言葉をかける人が現れたのです。しかも一人じゃなくて複数。

私はその言葉に、太陽が西から上るくらいの驚きを覚えました。
でも同時に、ぽっちゃりの人間が住む場所を変えるだけでスリムになることの気持ち悪さも感じました。

「いったい私がこれまで育ってきた社会はなんだったんだろう?」
「やせてるってなんなんだろう?」

当然のことながら私の心にはこんな疑問が湧いてきます。

そんなふわっとした疑問に言葉を与えてくれたが文化人類学でした。

人にとって身体とは何なのか?
人にとって外見とはなんなのか?

女性と美しさはなぜこんなにも結びつくのか?

そして、やせるとはなんなのか?

文化人類学が見せてくれた「身体」は、今までの私の専攻であった運動生理学では決して見せることのできない身体のありようでした。

もしもう少し早く文化人類学に出会っていたら、「社会がよしとする形と私の心がこうありたいと願う形がどこか決定的にずれている」という言葉すら思いつかなかった20代のあの頃の私は、もっと自分のことが好きだったんじゃないか。自分が思う「正しさ」を人間すべてにとっての正しさとして、100%の善意で押し付けてくる「社会人」達の言葉ももっとうまくやりすごせたんじゃないか。そう思います

ーー

こんな体験をもとに「からだのシューレ」は私の学んだ文化人類学をベースにこれまで展開をしてきました。

ですが新生シューレでは、そのベースを残しつつ、からだと食べ物、そして私たちをとりまく社会について、もっと広く・楽しく考え・感じるプラットホームにしたいと考えています。

「からだのシューレ」は、メンバーの林利香さん(@eat119 )の発案です。「シューレ」はドイツ語で「学校」・「自由」という意味。

参加してくださった方が、少しでもからだと食べ物について、自由になりますように。

そんな願いを込めての再始動です

第1弾のピクニックを足がかりに様々なイベントを企画して参りますので、ぜひ足を運んでみてください。足を運ばない方でも応援していただければ光栄です。

                  シューレメンバー 磯野真穂


頂いたサポートは、シューレの運営、イベント企画のためにすべて使わせていただきます。ご協力いただければ大変光栄です。