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多読を続ける50のコツ

この記事について、
 ここには私、からせみが、洋書を多読するうえで自分が実践してきたコツをまとめてみました。ただし、技術的なコツに関しましてはここでは記述していません。技術的なコツに関しましてはまた別途記事を上げさせていただく日が来るかもしれませんが、そちらに興味がある人は、英語多読 すべての悩みは量が解決する!繁村 一義 (著), 酒井 邦秀 (監修),という書籍が参考になると思います。

この記事は
・基礎編(1~)
・中級編(11~)
・上級編(30~)
・読むのが辛くなった人へ(37~)
という4部構成となっております。レベルや状況に合わせて好きな場所からご覧ください。

基礎編

1.自分のペースを知ろう
 まずはあなたの読書量を記録して、自分が一日に読める量を把握しましょう。休憩日を設けつつ量を守って読むと、自分のペースを作りやすくなります。例えやる気があっても、全力を出して自分のペース以上に読んでしまうと、次の日のモチベーションが下がり、読めなくなってしまいますのでご注意を。また、あまりに忙しかったり、体調が悪かったり、気分がのらなかったときは躊躇なく休みを取ってしまいましょう。多読は短距離走ではなくてマラソンに近いので、ノルマではなく自分のペースを守る事が大切です。

2.本を目につくところに置き、こまめに触ろう
 洋書は常に目につくところにおいて、こまめに手に取るといいです。 洋書を読む習慣がついてからしばらくすると、読むのが面倒になってくる時期がくるかもしれません。 そんな時が来たら、読む気が無くても、とりあえず洋書を手に取れば、あとは自然に読み始められるという経験をする事でしょう。読み始めてしまえば、物語の先が気になって、するするとよめます!The Study Skills Handbook(Stella Cottrell)という本によると、自分に『やりなさい!』と強いるよりも、『自分を励まし、誘い出す』方がやる気が出るそうです。

3.読むときは本の内容に集中しましょう
 多読をしているときは、速く読みたい、単語をおぼえたい、正確に読みたいと思ってしまいがちですが、そういった意識がプレッシャーとなり、流ちょうに楽しく読めなくなる原因になってしまいます。(辞書を引きすぎたり、急ぎすぎたり、文法にとらわれすぎたりするとせっかくの読書もつらくなってしまいますよね?)

4.簡単な本から徐々に難しくしていきましょう
 簡単な本から順番に読みましょう。いきなり難しい本を読むと、未知の単語が多すぎて、読む速度も理解度も落ちますので、読書がつらくなってしまいます。洋書は対象年齢別に使う単語の種類を制限して書かれています。なので、最初は子供向けの本やGRなどをたくさん読みましょう。そうすると基本的な単語とシンプルな英文に多く触れられるので、日本語に訳さずに読んだり、流ちょうに読んだりといった基礎力がつくはずです。

5.調子の良し悪しにあわせよう
 調子がいいときには気になる単語を調べたりする元気があると思います。でも、そうでないときは、単語を調べないままにしたり、文章の理解度もそこそこに読み進んでしまって大丈夫です。完璧主義になる必要はまったくないので、その日にできる事を無理がない程度にやっていきましょう!

6.読む速度にとらわれ過ぎないようにしよう
 読む速度は、本によって変わります。ときどき読書速度を測るのはいいことですが、経験上、毎回の読書で測っている人は、モチベーションを失くしてやめてしまう事が多いと感じています。焦らなくても、読み続けていれば読書速度は上がっていきますよ!

7.英語が好きでなくても大丈夫
 英語が好きな人は、簡単な英文を朗読したり絵と見比べたりしながらすごく楽しそうにしています。自分がそこまで英語が好きになれないとは思っても、洋書はちゃんと読めるようになります。無理に英語を好きになろうとするよりは、良い本との出会いを求めましょう!実際、これを書いている自分も英語が好きではないですが、身長の2倍分の厚さ分の洋書が読めました。

8.仲間を作ろう
 仲間を見つけましょう。お互いが読んだ本を共有する事で、次に読みたい本も次々と増えてくるようになります。そして、経験年数が長い仲間を見つけると、困った時に助言をもらえます。楽な方法もレクチャーしてもらえることがあります。(『完璧主義』になってしまうと、つまづいてしまうので、手の抜き方を覚えるのも大切です)

9.紙本が好き?それとも電子書籍?
 最近は、紙の本以外に、スマホやタブレットを利用する電子書籍があります。電子書籍は指先一つで単語を調べられるので便利ですし、割引販売も頻繁にあります。しかし、紙の本と電子書籍のどちらが読みやすいかというと、意見は人によって分かれます。どちらも試してみて、自分に合った方を選びましょう。

10.最初は目的をしぼりましょう
 洋書を読む以外の英語の使い方として、英会話だったり、英文を書いたり、試験で高得点をとるというものがあります。しかし、同じ英語でも目的が違えば、求められる経験値の内容もがらりと変わってきます。語学で成功するには成功体験が必要だと思うのですが、目的をしぼらないとなかなか最初の成功体験を得られません。ここでは洋書を読むという目的を選んだ場合を想定して話をすすめます。書籍にしか出てこない単語は多くあるため、たくさん読むことで、洋書を読む経験値はたまっていきます。そして、読んだ洋書の冊数が増えると、それを成功体験として感じるようになります。ここからさらに洋書を読む技能のレベルが上がってくると、会話でしか出てこない表現、ビジネスでしか使われない単語なども身につき、英文を処理する速度といった他の目的にも役に立つ技能の経験値が上がってきます。ここまで来たら、洋書を読むことを通じてえた技能が呼び水となって、簡単に他の技能を身に着けることができるでしょう。まずは一つずつ、自分のペースでいきましょう。

中級編

11.ストーリーが頭に浮かんでいれば大丈夫
 ときどき、本当にちゃんと英文を読めているか不安になるときがあります。そんな時は、さっきまで読んでいた物語や議題の流れを思い浮かべてみましょう。日本語で、短い文章で、要約が思い浮かべられれば大丈夫です。風景描写や反復する内容などは日本語で本を読んでいてもきちんと記憶していないはずです。もし、要約も思い浮かばないようなら、読む速度が速すぎるか、語彙力が足りないかのどちらかです。どうしても頭に内容が入ってこない場合は、一旦その本から離れた方がいいと思います。(たとえ辞書を引きながら読んでも、一つの文章にいくつも分からない単語があると、段違いに文意が頭に入りにくくなります。)

12.雑音は徐々にきにならなくなる
 洋書を始めた頃は、テレビの音、物音、音楽があるとまったく読書が進まなくなったりします。ですが、たくさん読むと、雑音は徐々にきにならなくなってきます(大音響だと難しいですが)。先輩方は、音楽や話し声のある喫茶店で、カッコよく洋書を読んでいますよ!

13.難しい本を読んだ後はときどきリハビリしよう
 難しい本を読んでいるときは、読書速度は遅くなります。難しい本を読んだ後、簡単な本を読むと、読書速度がゆっくりになってしまいます。これは英文の意味を正確に理解しようという意識が働いているからです。こうなると、簡単な本なのに、読むと疲れるようになってしまいます。難しい本を読んだ後は、軽くランニングするような軽い感覚で簡単な本を読むと良いでしょう。

14.病気や植物や動物の名前について
 洋書では、動植物の名前、身体の名前、病気の名前など、難しいけど日常生活で使う単語と出会います。でも、一気にすべて覚えようと思わず、出会う回数の多いものから自然に覚えていくとよいと思います。最初は辞書を引いてしまうかもしれませんが、慣れてくれば『胃潰瘍!(文脈ではストレスためたらなる病気)』とか『木の名前!(調べたら日本語名は知っているけど実は葉っぱの形も思い出せない木)』とぼんやりと分かるようになってきます。これはネイティブの人も10年以上かけて徐々に覚えていったものなので、のんびりおぼえましょう。

15.読む前に書評を参考にしましょう
 日本と比べて、海外では本の評価や感想を投稿する文化が発達しているようです。評価数が多く、それでいて☆の数が多い本はとてもPageTurnerなことが多いです。まずはGoodreadsやAmazonを使いこなせるといいでしょう。でも、ネタバレを含む投稿にはよく注意して下さい!

16.洋書はなるべく安く買ったり、借りたりしましょう
 洋書は定価で買うと高いですが、Amazonの中古商品やKindleセール、メルカリ出品、大手書店の洋書セールなどを利用すると安く手に入ります。Amazonなどは『ほしい物リスト』機能でリスト化できるので、たくさん登録しておいて安い中古商品がでたりKindleの割引セールのタイミングを狙って買うことができます。またBook Depositoryでは送料無料で、児童書のセット販売で割引セールがされていたりします。メルカリは、引っ越しや子供用の書籍の大処分などで、有名作品が頻繁に破格の値段で出品されます。浮いたお金で、さらにたくさんの洋書を買いましょう。また、図書館にも洋書が置かれていたりします。相互貸出サービスを使えば、お金をかけずに最寄りの図書館に本を取り寄せられますのでおすすめです。自分で選んで買った本はなにより洋書読みを続ける上でモチベーションにつながりますし、読まずに積んでしまってもTwitterなどで写真をツイートすれば積読の罪は許されるようです。

17.好きな本を読みましょう
 Twitter上でアンケートをとったところ、洋書を読み続けている人のほとんどは小説を原文で読めることに喜びを見出しているそうです。自己啓発や英語の勉強はまたの機会にとっておいて、今は読みたい本を読むのを優先しましょう。

18.違う難易度、ジャンルに挑戦しよう
 同じ年齢向けの本ばかり読んでいると、話題の本をすべて読みつくしてしまうかもしれません。そういうときには思い切って高い年齢層向けの本や、読んだことのないジャンルの本に挑戦してみましょう。最初は苦労があるとは思いますが、思い切って前に進んでみると新しい世界が開けていきます。

19.『シリーズ制覇』には気をつけて
 シリーズ物の小説は、先に進むほど難解になり、分厚くなっていくことが多いです。最初は平坦な道なのに、じょじょに角度がきつくなっていき、いつの間にか急坂を上っているかもしれません。また、話の流れが読者の好みと違ってきたり、飽きが出てしまうこともあります。洋書を読んでいる人達を見ていると、シリーズ物は他の作品と並行で読んでいく人が多いと感じています。

20.洋書も和書の読書も読める時間は同じくらい
 アンケートをとってみたところ、洋書を読み続けられる時間と、日本語の本を読み続けられる時間はだいたい同じようです。ちなみに、日本人の平均読書時間は30分だそうです。洋書を読む場合でも、30分間読めたら立派な読書なのではないでしょうか?

21.読書する場所を変えてみよう
 自宅で読書って、単調になりがちですよね。いっそのこと外に出て、喫茶店、公園のベンチや海辺、図書館の学習室や展望台などで読んでみると、いつもと違う気分で洋書が読めるのではないでしょうか?一人で読むより、周りに人がいる状況だと、モチベーションが上がりやすいように思います。

22.最初は読書記録を、最終的には内容を楽しみにしましょう
 英語多読を始めた頃は厚さが薄く、字が少ない本を選んで読むので一日で一冊以上読めてしまいます。なので、読書記録に読んだタイトルを次々と書き込むと楽しくなってきます。しかし、分厚いペーパーバックの洋書になってくると、一週間に1冊とか、一か月で1冊なんてときもあります。こうなってきたら、読書記録ではなく読んだ本の内容を大切にしていきましょう。実際、語数の少ない本よりも、語数の多い本の方が内容を鮮明に覚えていることが多いです。

23.寝落ちは悪くないことです
 読みながら眠ってしまう、聞きながら眠ってしまうのは悪い事ではありません。それだけリラックスできていて、英語に苦痛を感じていない証拠です。がんばりすぎた人は、英語を目にすると頭痛や吐き気まで襲ってくることがあるので、心地よい眠気だったらむしろ歓迎してもいいくらいです。ただし、仕事や部活などの疲れで眠ってしまう人は、読む前に仮眠を取ることをおすすめします。すっきりした頭で読んだほうが、内容も頭に入りやすいですよ!

24.未来を楽しみにしよう!
 洋書を読み続けていれば、翻訳エンジンを挟まないで、素早く英語の文書を読めるようになります。趣味のこと、仕事のこと、研究のことで調べごとをするとき、あの広いアメリカや知識人の多いイギリスで書かれた文献を日本語感覚で利用できるようになる日が来ます。海外では、日本の常識とはちがった、たくさんの新しい知識や物語があなたを待っていますよ!

25.脱落する人もいるけど
 洋書読みを続けていると、必ず遭遇するのは仲間との別れです。同期や先輩が減ると、孤独感が増していきますが、Twitterや多読会などを利用して新しい仲間をどんどん増やしていきましょう!続けていれば、あなたが読んだ一冊の洋書の感想を言ったり、他の人の洋書の話を聞いたりが大きなネットワークになってきます!大丈夫、あなたは孤独じゃないですよ!

26.難しい!絶対無理!と思ってしまったら
 難しい本を読むようになってくると、分からない単語の量が増え、内容も頭に入りにくくなります。でも、考えてみて下さい。①絵本・GR→②児童書(小学生)→③児童書(中学生)→④YA→⑤大人向け小説・ビジネス書・医学書で考えると5段階しかありません。難易度を一段階あげて読みこなすのに1年かけても、5年後には大人向けの本に手が届く計算になります。憧れの洋書読みまでたったの5段階です!ときどき不安になると思いますが、気長にのんびり、時間をかけて行きましょう!

27.有名な作品を読むと仲間が増える
 Holes、Giver、Wonder、Matildaなどなど、、、。洋書読みのなかで特に有名な作品があります。これらの本は、多読をする人がほぼ確実に通る道だといってもいいすぎではないと思います。なので、Twitterや、多読会などでも話が膨らみやすいです。次に読む本に迷ったら、とりあえず有名作品を読んでみると会話につながりやすいです。

28.話し相手がいなくても大丈夫
 英語多読を続けると、自分が得た経験について話したくなってきます。そんなとき、話し相手がいればいいですがいないと孤独を感じてしまいます。でも、いなくても大丈夫です。あなたの言葉は、多読を続ければ続けるほど、重みのある言葉になっていきます。時を経るほど確かな経験に裏打ちされた重い言葉で助言できるようになるので、話す相手が現れる時まで、どんどん読み進めましょう!

29.洋書を開いてみるのはどっちのページ?
洋書を読み始めは、自分が読んできたページの量に注目します。しかし半分を越えたら、こんどは残りのページ数に注目するようにします。そうすると、半分を越えてから読み進む達成感が格段に違ってきて、楽しくなってきます。半分までが勝負です!半分を越えたら、終わりへのカウントダウンの開始です!

上級編

30.300万語読もう!
 300万語(単語300万個分の文章)を読むと、英語を日本語を読むのと同じ感覚で読めるようになります。もちろん、分からない単語はあって、辞書に頼ることはあるのですが、それでも英文を日本語に訳さず、母国語を読む感覚で読めるようになってきます。こうなってくると、独り立ちして英語と向き合えるようになってきます。100万語を読んだ後に、スランプが来て多読を辞めてしまう人が多いですが、300万語まで頑張ってみるとご褒美がありますよ!

31.洋書読みからリスニングへ
 黙読の速度が180wpmくらいでできるようになると、ドラマやアニメの英語音声を、英語字幕を聴き読みすることで楽しめるようになります。300万語くらいでできるようになるのではないかとおもいます。また、AudibleやScribdのような朗読を提供するサービスなどを利用して、本をネイティブの読み上げで聴き読みしても大丈夫だと思います。英語の音に対する知識をつける足掛かりになるので、どうしても字幕なしのリスニングが怖い人はここから始めてみましょう。英語字幕を消すのが怖い人が利用する、英語字幕を消す前のワンクッションとしてご検討ください。

32.洋書で読んだ知識を活用・発表しよう
 啓発書やビジネス書を読むと、今自分が悩んでいることや、仕事や学業や趣味に活用できる事が載っています。同じ題材の本でも、日本と海外では考え方が違ったり、日本では語られない事もかかれています。また、洋書では統計に基づいた記述が多く、日本で好まれるエピソードベースの記述よりも傾向が分かりやすい本が多いです。こういった洋書で得た知識を自分自身で活用したり、誰かへの助言に使ったりすると、次から次へと読みたい本が増えてきて、さらに読書が進むようになります。『洋書を読むことで何ができるか?』という問いに、あなた自身の求める答えが得られたら、自分の人生だって変わってしまうと思います!

33.自分をマネージメント(経営)しよう
 企業ではTOEICの点数が高い人は、自己マネージメント力が高いと考えられているそうです。マネージメントは組織によって答えが違ってきますから、自己マネージメントも人によって答えが違うことでしょう。マネージメントの極意は、最初に正しく『何をするべきか』を設定することと、情報収集と、誠実に仕事を続けることにあります。どうやったら理想の自分に近づけるか、成功と失敗を積み重ねながら、考えていきましょう。

34.読書速度を速くしたい人へ
 How to Read a Bookという古い本には、英文を速く読む方法が紹介されています。それは、英文の下を自分の読みたい速さでなぞりながら、指の動きに合わせて英文を読むというものです。こうすると、強制的に目線が指について移動するので早くよめるとのことです。読む速度は焦らずリラックスして読んでいれば自然と早くなりますが、どうしても訓練したい方はこの方法を試してみて下さい。The Study Skills Handbook(Stella Cottrell)という本には、できるだけ本から顔を話して読むと眼球の動きが小さくなり読書速度が上がると書かれています。こちらの方法は200wpmくらいでよめるようになった人には大きく影響が出てくると思います。ある程度熟達したら、読書姿勢に気をつけた方がいいかもしれません。

35.感情が動くと記憶しやすくなる
The Study Skills Handbook(Stella Cottrell)という本によると、感情が動くとき、脳の記憶を司る部位が活性化されるそうです(ただし、アドレナリン過剰は記憶を妨げるので、リラックスしていた方がいいとも書かれています)。洋書を読んでいると、文脈から推測したり辞書を使ったりで新たに単語を学習していきます。あなたが今読んでいる本を楽しく興味を持って読んでいるのであれば、語彙力がつき、確実に洋書を読むスキルは向上します。読み続けていれば確実に成長してゆけるので、どんどん読みましょう!

36.読了した本を積んでみよう
 語数を数える以外に、自分が読み終わった本が積みあげてみると、達成感を味わえます。ちなみに、読み終わった本をたくさん積んで写真に撮り、Twitterなどに投稿するといいねがたくさんもらえますし、題名が見えるので『この本私も読みました!』と話しかけてくる人もいて、会話につながります。あまりに量が増え過ぎたら、図書館や多読クラブに寄付したり、メルカリで売ることができます。紙本はかさばりますが、紙本ならではの楽しみ方ですね。

読むのが辛くなった人へ

37.洋書が読める自分を想像しよう
 散歩しながら『洋書を楽しく、スラスラ読んでいる自分』を想像しましょう。また、洋書が読めるようになったら何をしたいかも空想してみましょう。先輩方に洋書を読みたいと思ったきっかけを聞くと『喫茶店でコーヒーを読みながら洋書を読めるとカッコいいと思ったから』という答えが驚くほど多いです。

38.歩き回りながら読んでみよう
 黙って本にかじりついて読んでいると、どうしても読む速度を速くしようとしてしまいます。歩き回りながら読んでみると、不思議と自分が読むのに適した読書速度になります。読書速度は本によっても変わりますので、歩き回りながら読むことで、ときどき自分の読む速度を見なおしてみることをおすすめします。

39.多読を続けることに疑問を感じたら
 多読をしていると、洋書を読んだ経験のある人が話しかけてきます。でも、多くの人は、学校の課題などで一冊の専門書を辞書を引き引き一か月以上かけて読んだという人です。そういった人は大抵『洋書はもう読みたくない』といいます。でも、多読を続けて洋書を読める人であれば、それほどの苦労なく二冊でも、三冊でも、それ以上でも洋書を読み続けることができます。当然、英語の文献を気軽に読める能力は、社会では強力な武器になります。まあ、必ずしも武器にする必要はないのですが、洋書なんか読めても、、、という考えが浮かぶときはそんな事を考えてみて下さい。

40.睡眠は読書の味方
 目が覚めたばかりのときは、すごく本の内容が頭に入りやすい状態なのをご存知でしょうか?朝でもいいし、仮眠でもいいので、目が覚めたときはとりあえず洋書を手に取ってみましょう。仕事後の頭とは全然違います。また、夜中に目が覚めたときなど、1時間ほど洋書を読むと、不思議と眠気が襲ってきて、安眠できます。読書と睡眠はすごく相性がいいので、うまく組み合わせていきましょう。

41.竹の種を植える話
 Les BrownのLive Your Dreamsには、竹の種を植える話が出てきます。竹の種は、植えられてから間もなく芽が出て、10cmほどまで伸びるそうです。でも、そこで成長は止まり3年くらいはそのままだそうです。ところが、4年目になると急に生長を始め、3日で身長よりも高くなってしまうそうです。スキルというのは、この竹のように伸びない期間を経てから、急激に伸びるので結果をあせらず水と肥料を欠かさず与え続けましょう!

42.スランプが来たら、、、
 英語多読を続けていると、英文を読むのが嫌になってくることがあります。継続している人でも、100万語を通過したくらいでなりやすいようです。多くの人はひとまず洋書から離れてみることで解消するようですが、量を減らして読み続けていても徐々に改善します。これを書いている自分は、この状態になり、洋書から離れて、PodcastやGRの朗読を2か月ほど聞いている期間がありました(根性に頼ろうとしたら、つらさはどんどん増していき、結局洋書から離れる決断をしました)。なお、洋書に復帰するときは、簡単で負荷の小さい物から入って、じょじょに量を増やしていくとペースを作りやすいです。

43.眼精疲労対策をしよう
 スランプとは別の理由で洋書読みがつらくなることがあります。それは眼精疲労です。頭痛や疲労感が読書の進行を阻むときは、目を閉じてベッドに寝転がってみましょう。この状態で目のあたりが楽な感じがするなら、あなたはたぶん眼精疲労です。こういう時は、読書をやめて目を閉じて、たっぷり一日を使って目を休めましょう。目薬に頼るのも良いかもしれません。たくさん本を読む人は年に数回経験すると思います。

44.もっと頑張るには?
 テレビや雑誌、新聞にはいつも羽生結弦、大坂なおみ、大谷翔平といったアスリートが出てきます。自分はもっと頑張れると思う人は、そういったアスリートの姿を見るたびに『自分も負けていられない!』と思ってみましょう。そうすると、なんとなく自分はまだやれる気がしませんか?ライバルにするのは、普通に生活しているだけで自然に目につくアスリートがおすすめです。

45.燃え尽きてきたと感じたら
 まず前提として燃え尽きてしまう原因はなんでしょうか?求めている結果が得られていないせいではないでしょうか?『短い期間でよりよい功績をあげる』、この思想は語学においては地獄の入り口へとつながっているように感じます。まずは、目標達成までのタイムスパンを短く設定しすぎていないかどうか考えてみましょう。その上で、難しい本を読みすぎて燃え尽きたなら、リラックスして休む時間を取った方がいいです。本をひたすら読むということに疲れてしまった場合は、読書とは違う趣味などでリフレッシュする機会を増やすと元気が出てくることがあります。

46.理系の人へ
 理系の分野は、公式を覚えてしまえば数字や状況が変わっても解くことができます。しかし、英語は同じ知っている文法で書かれた文章でも単語・読み上げる人・文脈・読む速度・方言などが違うと理解できないことが珍しくありません。効率よく、公式で解くよりも、ある程度の熟練度が要求されます。理系の学問とは勝手がことなるので、投げ出したくなるかもしれませんが、長く英文に触れていればきちんと英文が理解できるようになるので、無理に理解しない、考えすぎないのも大事だと思います。Neil deGrasse Tysonによると、科学者の仕事は『何が間違っているかを探すこと』らしいです。洋書を読んでいるときは、この仕事のことは忘れてみませんか?

47.注意力が散漫になってきたら
 精神的に追い詰められていたり、心配事があったりすると、読書の内容は頭に入りにくくなります。文章を読んではいるのに、滑り落ちるように本の内容が記憶から抜け落ちてしまう。そんな風になったら、読書とは別の問題が解決するまで、焦らず様子を見ることをおすすめします。そんな状態で多くの内容が滑り落ちていても、単語の知識は蓄積するし、心に残った文章の内容はしっかり記憶に残っています。半分水が入ったコップをみても『まだ半分も残っている』と、ポジティブに自分に残った部分を大切にしましょう。

48.モチベーションを見つめなおそう
 本来の読書の楽しさとは何でしょうか?Daniel PinkのDRiVEという本では、『サルに知恵の輪を与えると、ご褒美がもらえなくても解き始める』これは『達成したらご褒美がもらえる飴と鞭の構造とは違い、生物が本来持っているモチベーションの形である』という所からモチベーションの話が展開していきます。将来英語を使って仕事をしようとしている人は、どうしても『報酬』を考えてしまいがちですが、飴と鞭ばかりにとらわれないで楽しんでみてはいかかでしょうか?

49.才能が無いと感じたら
 英語に触れていると、自分には英語の才能がないかもしれないと思えてくることがあります。でも、大丈夫。Gritという本に書かれていることですが、『技能=才能×努力』であると同時に、『成果=技能×努力』であるそうで、成果の方は、成長曲線とよく一致するそうです。つまり、『成果=才能×努力×努力』になるわけですから、最初は才能の影響が大きいですが、努力を重ねるほど才能の影響は小さくなります!だから、続けていれば、いつかきっと大化けできます!安心して読み続けましょう!

50.多読が楽しくない人へ
 多読は絵本やGRから読み始めます。好き嫌いが結構あるので、絵本が苦手だったり、GRが苦手だったりするのですが、それは読んでみるまで分かりません。この違いは何なのでしょうか?おそらく、おそらく読書で教訓を求めるか、エンターテイメントを求めるかの違いだと思います。R.L.StineというGoosebumpsというホラーの児童書ばかり書いている作家は『私の作品には教訓は無い、エンターテイメントに徹している』と言っています。エンターテイメントや子供が好きな人は絵本や児童書の世界で楽しめるのですが、教訓を求める人は、もっと対象年齢の高いところまで行かないと楽しめないかもしれません。でも、教訓を求める人は、YLの高い作品にどんどん挑戦していけるので、読む下地が出来たら、どんどん遠いところへ行くことができると思いますよ!