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12.Goodreadsを使いこなそう!

 さて皆さんは次に読む洋書は、どうやって決めているのでしょうか?洋書を読む人を対象にTwitterでアンケートをした結果を掲載します。

次に読む洋書を選ぶとき、一番自分が決断しやすいのは、、、
・Amazon等のレコメンドで出てくる本:8.5%
・好きな作家の作品から探す:24.4%
・洋書販売店/図書館でじっくり選ぶ:17.1%
・人からの紹介/レビューで高評価のもの:50%
※回答者数82名

 いかがでしょうか?『人からの紹介/レビューで高評価のもの』が最も多く、次に『好きな作家の作品から探す』という結果になりました。こうしてみると、口コミ情報や馴染みの作者の作品といった、ある程度その作品がおもしろいという事前情報を得て、その本を読む決断をされる方が多いようです。

 Goodreadsは個人が書籍情報や注釈、批評を閲覧、投稿できるWEBサービスです(アプリ版もあり)。誰でも無料でアクセスして、Goodreadsのユーザーが投稿した評価と感想を自由に読むことができます。Amazonでも本の評価が投稿されていますが、Goodreadsの投稿数はAmazonのそれとは桁違いで、非常に参考になります。本を探す際に手探りするだけでなく、レビューサイトの評価も参考にしてみましょう。ただし、ネタバレを含む投稿にはよく注意して下さい!

 日本と比べて、海外では本の評価を投稿する文化が発達しています。本の感想は、人それぞれで評価はあてにならないかと思われるかもしれません。しかし、レビュー数が多く、それでいて☆の数が多い本はPageTurnerが多いです。例えば"Silent Patient"という作品があります。この作品は 817,118票の評価をうけていて、評価の星数は5点満点で4.12点を確保しています。自分も読みましたし、Twitter上でこの本を読み始めた人のツイートをよく読みましたが、みなさん一様に高評価でした!また、同様に"Factfulness ☆4.33/rating数 144,247"のような啓発書や"Born a Crime: Stories from a South African Childhood ☆4.45/rating数  505,258"のような自伝も高評価なのですが、世界観が変わる程の衝撃的な内容が書かれています。高評価本は、新世界への入り口といっても過言ではないでしょう。

 小説ほどではありませんが、精神医学の本にも評価がされています。日本では医者や当事者が書いた本が無数に出版され、評価が投稿されることなく古いものが新しいものに埋もれていっている現状があります。しかし、海外ではおそらく日本よりもギブ&テイクの関係性が強いのでしょう、そういった本にも評価が投稿されます。日本の本はエピソード(個人の経験談)ベースの書籍が好まれるのに対し、アメリカの本では統計ベースの書籍が好まれます。高評価の書籍を選択すると、幅広い当事者に参考になる書籍に出会えます。実際の運用方法としては、"***(病名など)" "recommendation" "book"とGoogleで絞り込み検索して得られた書籍名をGoodreadsで検索し 、平均評価と投稿数を確認すると良いでしょう。たとえ洋書が読めなくても、翻訳版の書籍が出ていれば日本語で情報を入手することが可能です。

 Goodreadsは読書記録管理ツールとしても優秀です。上級者になると、自らGoodreadsにアカウントを作って、評価を投稿するようになります。自分はExcelで書名・作者・YL・語数を記録していますが、たくさん本を読むと、最低でも読んだ本のリストがないと、自分が読んだ本が思い出せなくなります。また、読んだ本の記録をつける事は、モチベーションを保つうえでも重要な役割をします。非常に便利なサービスなので、ぜひぜひのぞいてみませんか?


余談:原著 vs. 翻訳本

 話が少しそれますが、Goodreadsと日本のAmazonの評価を見比べて思うところがあります。それは、日本のAmazonで投稿されている翻訳本の平均評価は、Goodreadsに投稿されている原書の平均評価から☆をひとつ減らしたものであることです。何故でしょうか?自身の経験では、英語を日本語に直訳すると”英語のルールで書かれた日本語”、逆に日本語を英語に直訳すると"日本語のルールで書かれた英語"になってしまうのが原因のように感じられます。それらは、文法的には正しいのですが、違和感を覚える文章になり、読みにくくなります。このズレや違和感が本を読む楽しさを削ってしまうのだと考えられます。何にせよ、原著と翻訳本の☆の数のズレは、原書で読んだ方が本をより楽しめることを示しているのではないでしょうか?


※投稿に対するご指摘やご意見、ご感想などがあればぜひぜひお寄せください!