見出し画像

DtoCと「ソフトウェアが世界を飲み込む」について、私なりの解釈を書いてみた


「ソフトウェアが世界を飲み込む」
ーM・アンドリーセン

この言葉を聞いて久しいが、
ようやく今頃になって腹落ちした感があるので、(遅い)
その気持ちをきっかけにnoteに記すことにした。

はじめに。
私は今、毎日取り組んでいることは、
DtoCブランドを通じたカルチャー作りであり、
そのための土壌を耕している段階である。
そのお話はこちらから。
https://note.com/rudolf819/n/nee5cbb10457e

土壌を耕す段階として、いろいろなブランドや、
世界のDtoC市場をリサーチしているのだが、
そこで感じたことを簡単に纏めてみる。

一言で言うと、
現代における、「未完成」というものに対して、
考え方を改めた方がいいですよ、というお話
である。

※このnoteは雑然とした思考をまとめるために書いているので、
 突っ込みどころは多々あると思います。
 是非その「未完成」部分に関しては、議論しましょう。
 コメント、メッセージ、twitterなどお待ちしております。

1.日常で感じた「違和感」

「あのサービス、本当しょぼい。
 メディアであれだけ取り上げられてるけど、全然大したことない。」
こういった発言を会社で、飲み会で、友人との会話で、
様々な場面で聞くことが多々ある。
新興勢力や新たなサービスに対する批評である。

「あのサービスは大したことない。」
しかし、その見立ては本当に正しいのだろうか。
現時点で劣っているとして、
そのサービスの成長分を正しく測れているのだろうか。
その成長分で、自分達の産業が追いやられることはないのだろうか。
現時点で自分達に優位性があったとして、
それを覆すだけの社会的/経済的ポテンシャルが期待されているから、
新興勢力や新たなサービスが市場での影響力を強めているのではないか

皆、とりあえず新しいものを批評しているだけではないのか。
私にはそういった「違和感」があった。

その「違和感」は恐らく「勘違い」ではない。

2.未完成で提供するということ


twitter やfacebookなどのSNSを中心としたサービスが普及した現代は、
未完成でもベータ版ということで、
リリースしてしまうのが当たり前になりつつある。
リリースし、無償で使ってもらうことで、顧客フィードバックをもらい、
改善を行い、更なるユーザー獲得につなげ、
フルパッケージサービスが出来る頃には有料サービスにする。
それがざっくりとした勝ちパターン。

しかし、日本人はモノづくりにこだわりを持ち、提供し続けてきたため、
「未完成」で提供されることをひどく嫌う

というのが私の仮説だ。

「お客様は神様」という言葉があるように、
「神様」に「未完成」を提供することは許容されないのである。
私が働くアパレル業界も日本向けの品質基準は厳しいと言われるが、
それはリスペクトと嫌煙の両面の意味がある。

日本=FIXED MINDSET (固定思考)
シリコンバレー=GROWTH MINDSET(成長志向)
という対比をされることがあるのだが、
これはまさに「未完成」に対する考え方の違いである。

A)FIXED MINDSET
「未完成」のサービスを見て、
「まだまだしょぼいなー」と思って安心をする。

B)GROWTH MINDSET
「未完成」のサービスを見て、
「まだまだだけど、このサービスが成長したらすごいことになる!」と
焦りを感じたり、成長機会を感じる。

「未完成」で提供することは、フィードバックをもらうことで、
自社の強みになるのだ。

3.具体例 TESLA

1つ事例としては、TESLAがあげる。
TESLAを単なる電気自動車と捉えると見誤る。
既に時価総額ではTOYOTAに次ぐ世界2位の会社であるが、
私もつい最近まで見誤っていた。
「ただのクールな電気自動車」だと思っていたのだ。

私が聞いてびっくりしたのはこんな話だ。
TESLAはある時、
「他の車よりも特定の条件下で、他の車に比べるとブレーキの利きが悪い」という声がSNSで寄せられた。
TESLAは当初、「そんなことない」と思って試験をしたが、
実際にブレーキの利きが悪い条件があることが判明した。
TESLAはその特定の条件でのブレーキの利きの悪さを改善すべく、
すぐに動き、改善した。

ここまでならば、ただ迅速な行動が出来るメーカーである。
しかし、TESLAはこの「ブレーキの利きが悪い」といういかにもハードの問題を、
なんとソフトウェア上でのアップデートのみで解決したのだ。

従来の車であれば、
顧客へ通知し、修理をすべく顧客自らが車を移動させ、
数日の修理期間を経て、ようやく修理される。

だが、TESLAはそれをソフトウェアのアップデートのみで行った。
ここが大いなる差なのである。

従来のハードの改善のみで成し遂げられるよりも、
遥かに改善スピードが速い。
このスピードがそのまま会社としての成長スピードに繋がるのである。
その成長スピードはすさまじく、
フォードの創業からちょうど100年後に生まれたTESLAは、
既にフォードの時価総額を大きく上回っているのだ。

4.終わりに

3ではTESLAの事例を挙げたが、
昨今のDtoC市場においても示唆が多い。
現段階で「未完成」だと言い切るのは簡単である。
単体のモノと値段を考えると、日本はニトリや無印良品といった、
「超高品質・超低単価」商品であふれている。
だからこそ、未完成に厳しい。

ただ、だからいって、
「このサービスはダメだ。我々の脅威にはならない」
という結論は少し待ってほしい。

そのサービスがTESLAのように、
未完成な状態から圧倒的に速いPDCAを回すことで、
劇的な成長を遂げる可能性があるのだから。

その圧倒的な成長が、
冒頭の「ソフトウェアが世界をのみこむ」ということ
だと私は解釈する。
ソフトウェアの力で、日本のハードの産業自体も飲み込まれるかもしれないのだ。
家電で、車で、世界を席巻し、時価総額上位のほとんどを締めていた日本が、
今ではソフトウェア業界の会社にとってかわられた。

しかし、世界のトレンドの1つに、
DtoCというソフトとハードの掛け合わせが盛り上がっている。

アメリカではソフトの強みを背景に、DtoC市場を作り上げた。
しかし、ソフトの強みだけではモノに満足できない。
だからこそ、次は、日本がハードの強みからDtoC市場を作り上げる番だ。


追伸①:仲間募集
現在、カポックノットは事業を広げていく仲間を募集しています。
ご興味のある方は、下記までご連絡ください。
info@kapok-knot.jp

つづく

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?