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理想にはなぜか、2個足りないぜいたく品

一言でいうと

物欲は満たされればまた渇く

活用シーン

物欲についての理解

内容

米国ロサンゼルスの経済学者リチャード・イースタリンによる研究。

被験者は大枚をはたいてでも所有しようとする消費財(いえ、車、テレビ、海外旅行、プール、別荘など)のリストを見せられます。

このうち、自分の理想とする生活に必要だと考えるアイテムをチェックするよう求められます。

16年後同じ人たちに、同じ調査が繰り返されました。

これらのリストの消費財の所有率は当然高まっていますが、高まるほど同じスピードで理想的な生活は遠のくという結果が出ました。

16年の間にリストのものを所有している数が、平均1.7アイテムから3.1アイテムに増えたのに、同時に理想的な生活に必要だと考えるものも、平均4.4アイテムから5.6アイテムへ増加。いつになっても「二つばかり足りない」ということになります。

整理すると・・・

所有してるアイテム数  【16年前】1.7個 →【16年後】3.1個
理想の生活に必要なアイテム数 【16年前】4.4個 →【16年後】5.6個


幸福の意外な正体 ~なぜ私たちは「幸せ」を求めるのか
ダニエル ネトル (著)

人間、一定の刺激や環境を手に入れると、そこに慣れるものです。たとえば、年収300万円の人が、年収1000万円になると、年収1000万円の生活を始めます。たぶん、年収300万円の人が一夜にして年収1000万円になれば、それは夢のような話です。しかしその夢は長くは続かないもののようです。次第に、年収1000万円の生活が当たり前になるからです。

すると、今の生活がだんだん物足りなくなってくるわけです。その結果、次は「年収3000万円になれば、この空虚感は消えるかもしれない」ということで次を目指します。

じゃあ、どこまで行けばその思いは消えるのでしょうか。うろ覚えで恐縮ですが、確か年収5000万円の人も、年収300万円の人も、「あとどれだけ収入が増えれば生活が豊かになるか?」という問いに、双方「3割増えればありがたい」と答えたとか。

ということで、心のスキマをモノやお金で埋めようとするのはどうやら間違いなのかもしれません。よく、「それだけお金を持っているのに、なぜそこまでカネに汚いのか?」というキャラクターが映画やドラマに出てきますが、彼らはきっと、お金では埋められない心のスキマをお金で埋めようとしているのではないでしょうか。

まあ、自分がそんな大富豪になったことがないのでわかりませんけど・・・。

ただ、様々な研究から考察すると、どうも心のスキマはモノやお金では埋まらない。だから、心のケアはまた違った角度から必要なのではないかと思うのです。お金が欲しい、ものが欲しい、というのは心のスキマを埋めるためのに何かが必要なことがわかっているけど、その何かを特定できないから、わかりやすい価値としてお金や物で癒せるのではないか、と思いがちなのかもしれません。

もちろん、お金も物も持っていたいという思いは健全ですが、それと心のスキマは別物だ、ということは知っておいたほうがいいかもしれません。



私はこんな本書いてる人です(^^)/



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