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#noteフェスと、暮らしをクリエイトすることについての長めの補足

昨晩はnote CREATOR FESTIVAL での坂口恭平さんとの対談、お聞きくださってありがとうございました!坂口恭平さんとは2月に初対談して今回が2回目。坂口さんのお話はいつも最高に面白いし、ある程度長回しで聴くべき内容ばかりで、時間足りなかったですね。“no google life”は昨日いちばんの名言でした。

いのっちの電話や、畑仕事、パステル画などの話は、私もぜひうかがってみたかったことなので、出演者であることを忘れて楽しんでしまいましたが、帰りの電車の中で、あれ?今日のテーマは「暮らしをクリエイトする」だったのに、暮らしの話あまりしていなかったかも!と気づきました。noteでちょっと補足することにします。料理の話が聞きたかった人もきっといますよね。

私の半年間のごはんライフ

「家での暮らしかた」を、多くの人が意識して過ごした半年だったんじゃないかなと思います。

私自身は、外食も片手で数えるくらいしかしておらず、テイクアウトもほとんど利用せず、今も3食手作りしています。
大変だーと最初は思ったのですが、すこし落ち着いた今、冷静になって料理だけに注目すると、あれ、もしかして楽になってる?ということに気づきました。
3食フルで作ることになったのに、です。なぜかなと考えるといくつか要因がありました。

●食事時間が規則的になった
●残り物がだぶつきにくくなった(3食作るので)
●他の手段(外食など)に逃げることができないので開き直れて、簡単でいいやと割り切った
●スープが大活躍(いやこれほんとに)

とくに食事時間は大きくて、夜「何時に帰るかはっきり決まっていない人のごはんを作って待つ」ということがなくなったのが最高。時間になったら作って、ごはんだよって言えば食事がスタートするってノンストレスです。

それに、昼ごはんも、最初は夫がリモートワークで家にいるので、なんだか仕事が増えた気がしていましたが、どうせ自分が家にいても食べるわけです。それならむしろぴったり規則正しいほうが、体もキッチンも自動的に動くんです。つまり、生活のリズムが規則正しくなったことで、食事の支度を都度都度考えていたものが、自動化されたルーティンに変わったのではないかなと考えました。最近では坂口さん考案のタイムテーブルも取り入れて、いつごはんの支度スタートしようも悩まなくなりました。

昼は、一皿で済む丼や麺か、ごはんと味噌汁に一品添えるだけの一汁一菜。私はスープを作るために毎朝冷蔵庫の中身をチェックするので、そのときにだいたいお昼の見積もりも作っちゃいます。何もないときは、素うどんやそうめん、ペペロンチーノみたいに、炭水化物オンリーでもOK。作るのがいやになったら無理をせず近所にパンを買いに行きます。
なんといっても私にはスープという強い味方があって、試作したスープが残っている日も多いので、ちょっとこれはズルかもですね。

でも、作る回数が増えたことが必ずしも大変、となるわけではなかったのは大きな発見です。私は料理を作ることそのものよりも、料理のタイムマネジメントが苦手だったのかもしれないな。

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なすとひき肉のそぼろあんかけうどん。冷凍うどんならフライパン一つで。

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ミングルで、肉と大根、たっぷりの青ねぎを焼いただけ。夜ごはんはこんなのが多くなった。お皿型のフライパン・ジュウ、大活躍です。

仕事も料理だけど趣味も料理だった

人づき合いが減った分、少し時間ができました。その時間で何をやろうかなと思ったとき、私はやっぱり料理だったんです。お菓子とか保存食とか、少し手間のかかる、仕事と関係ないけれどやりたかった料理に走りました。

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バナナケーキからはじまり…

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シンプルなチーズケーキ

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あげたてドーナツ

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梅干は恒例

たくらまずに出す!

あと、これも昨晩チラっと話しましたが、料理のオンライン配信をはじめました。夜中の11時から30分ぐらい、飲みながらダラダラ料理をするというものです。

配信のことなんてなんにも知らなかったので周囲の人に聞きまくって、最初はインスタライブ、それからTwitter、あとYouTubeに落としてというところまでできるようになりました。iPhoneと、三脚と、Wi-Fiがあれば簡単です。途中で声が聞こえなくなっちゃったり、画面が途中でくるっとひっくり返ってしまうようなトラブルもありましたが、これもライブの醍醐味。なかなか好評で、私もとりとめのないおしゃべりを誰かに聞いてもらえるので、楽しくやっていました。

昨日も坂口さんから、難しく考えすぎないで、とにかくアウトプットする!みたいな話がありましたよね。そういう感じです。あれこれ企まない。配信も、毎日のスープも、本当にグダグダのときはあるけれど、今日は調子が悪いから…などと言わずにそのまま出します。人の目にふれさせてあげないと作品は力を持たないので、とにかく躊躇せず出すことに価値があります。

お金をもらって創作していると、自分が思っていた以上の完成度が求められるときも多いです。だからnoteやTwitterなど、無料で作品を自由に出す場があるって、ありがたいですよね。私はnoteを「料理の筋トレの場」として利用しています。仕事のときに、ここで培った体力や筋力がすごく役立っています。

暮らしをクリエイトする、じゃなくて

クリエイターにとっては、案外よい環境づくりができたこの半年だったんじゃないでしょうか。演劇やバンドなどみんなで集まって何かを作るタイプの制作や、リアルな発表の場が奪われたことは別として、ものを作る、ということにおいては、ひとりでいるということがとても重要だからです。どこかでインプットを断って、アウトプットを増やしていくことでしか作品はできませんが、今は黙っていても勝手に情報がなだれ込んできますから、意図的に切ることが必要です。

その点、暮らしというのは本当にいいんです。料理をはじめとする家事は、一切の人間関係なしにできますし、やっている間は手足を動かすのでネットなど見ようがありません。そのかわりに対象物、たとえば料理なら食材と向き合うことになって受信力が試される。クリエイティブの原点です。

さっきお菓子を作ったりしていたと言いましたが、小麦粉ってすごいんです。あのサラサラした粉が、混ぜる卵やバターや砂糖の量で、ふんわりしたパンケーキやシフォンケーキにもなり、どっしりしたパウンドケーキにも、もっちりしたパン生地にもなる。なんならうどんや餃子の皮にもなる。この魔法の粉を混ぜたりこねたりしながら、その変化を少しずつ観察していると、まったく飽きることがありません。心から面白い!と思うと、それが言葉になり、料理の仕上がりの絵になって、自然に浮かんできます。
noteやTwitterにはそのときに感じたことをただそのまま書き写しているだけです。観察することがすごく重要だって思うのは、こういうところ。

だから、自分が暮らしをクリエイトする、という今回のタイトルより、暮らしが自分をクリエイトする、このほうがニュアンスが近いのかも。家の中にクリエイティブの種がものすごく詰まっているということを、感じています。みなさんもぜひ、家の中でもアンテナを立ててみてください。生活の中に何かを感じて、受け取って、そしたら書くこと、表現することが自然に出てくると思います。

さてさて、ついおしゃべりが長くなってしまいました。こんなにたくさんの話、やっぱり1時間じゃ話し切れなかったです。坂口さん、またぜひたっぷり時間のあるときに、おしゃべりしましょう!

昨日の結論は「人に聞くな!」だったので、回答らしきことを書くのはいけないなーと思いつつ、みんなの楽しい創作のヒントになるとよいなということで、書いてみました。暮らしといってもとても幅広いので、質問などあれば、ぜひコメント欄かTwitterで。

そうだった、9月11日(金)に発売の『スープ・レッスン2 麺・パン・ごはん』も、よろしくお願いします。

note creator fes も、まだまだこれから。面白いトークがたくさん聞けそうです。



読んでくださってありがとうございました。日本をスープの国にする野望を持っています。サポートがたまったらあたらしい鍋を買ってレポートしますね。