『スープ弁当』が、2020年レシピ本大賞料理部門で入賞しました。
タイトル通りです。今日は第7回レシピ本大賞の授賞式。昨年9月に発売した『朝10分でできる スープ弁当』が、レシピ本部門で入賞しました！
一緒に本を作った編集・制作スタッフ、強力に後押してくれたマガジンハウス、本を実際に手渡してくれた書店員の方々、そして何よりこの本を手に取ってくださった読者のみなさまにお礼申し上げます。こういう挨拶って聞いてる人にとっては、ほんと紋切型に聞こえますよね。でも、本が売れるのって自分の力だけではないんだなと、本が売れるとあらためてリアルに理解して、感動するんです。それを言葉に出すとこんな風になってしまいます。
営業の方が本にお祝いの寄せ書きしてくれました。本当にうれしかった
この『スープ弁当』は、スープジャーという道具を使ってお弁当にスープを持っていきましょうという、よく考えるとずいぶんニッチな本です。なぜ売れたのか、いまだにわからない部分もあります。
とはいえ、お弁当箱の中身をどう埋めるかということは、現代の主婦にとっては、非常に大きな悩みであり続けていました。
そのまま詰められる冷凍品などの便利さ追求型、キャラ弁のようなモチベーションアップ型などさまざまなお弁当提案がなされていますが、簡便性と手作りのおいしさ・うれしさの両立というお弁当の根本の魅力に、どこかしら欠けていたような気がします。
スープジャーは、昨日今日発明されたものではありません。地道に支持されていましたが、それはあくまでもメインのお弁当+スープという位置づけ。
今回の『スープ弁当』では、お弁当はスープジャー１つ、それにコンビニのおにぎりかパンがあればお昼ごはんがぐっと楽で豊かになる、という新しいライフスタイルを提案しました。具もぎゅうぎゅうに入って腹持ちもよく、小食の女性ならこれで十分という人もいるでしょう。
朝10分、鍋一つで作ったスープをスープジャーにパっと詰めさえすれば、お昼までにジャーが保温調理でしっかり煮込んでくれます。朝10分でできるけれど、コトコトゆっくりジャーの中で煮込まれ、決して時短料理、手抜き料理ではありません。
大量に返ってきた読者アンケートには「簡単でおいしい」という言葉がたくさん入っていました。
めんどうだった支度が楽になり、なおかつ美味しくてヘルシーで買って良かったと思いました！
やってみると本当にカンタンにおいしいスープ弁当ができました。本当にびっくりでした。
お弁当作りって時間もかかるし、朝から「ふう…」という感じですが、このお弁当なら毎日でも頑張って作れそうです♪
ヘルシーにでき、冷蔵庫の中の残り物でもでき、喜んで作ってます。
スープ弁当には、簡単、時短、というだけでなく、料理する楽しみ、わくわく感、新しい生活への希望があります。料理の力を感じることができます。
外回り中に食べる人、夫を家に残して出かけるときに作る人、アレルギーのある子に給食の代替え食として作っているお母さん。食のシーンも様々で、そこに寄り添えるのも、このスープ弁当の強みです。ダイエットに励む人の力にもなります。
春に、緊急事態宣言がでたときには、家族のための置き弁スープのレシピをnoteに出しました。家で食べるにも便利なものなのです。
気取ったり誰かを驚かせなくてもいい。質実においしいものを食べたい、という多くの人々の食へのニーズと合ったのではないかと思っています。
……と、いうのが私の考察。実際に読者がどう思って本を買ったのかは、一人一人に聞いてみなくてはわからないこと。いずれにせよ本が売れて、評価されるということは、本当にうれしく、また背筋の伸びる思いです。
次はどんな本を作りたいかとよく尋ねられます。答えはひとつ。新しい暮らしを創造するレシピ本です。単なるおいしさ、簡便さということだけでなく、それが人々の暮らしの中にちいさな、でもその人にとっては大きな革命を起こすような、明るい希望になるような、そういう本をお送りしていきたいと思っています。そういう本ならレシピ本に限りません。
家事は誰がどうやっても大変なものです。でも後ろ向きになるのではなく、新しい価値を生み出そうとする人と、共に歩きたい。受賞を励みにまた一歩、先へ進もうと思います。
最後になりましたが、このスープ弁当は途中で編集者が変わりました。前任者を引き継いで本を仕上げ、ずっと販促に伴走してくれた編集の和田さんには本当に感謝しています。二人でラジオ局行ったり動画撮ったのもよい思い出。
あらためてみなさま、ありがとうございました。
2020年9月8日 スープ作家 有賀薫
スープジャーやスープ弁当についてのマガジンもどうぞ。
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11日には『スープ・レッスン 麺・パン・ごはん』もプレジデント社から発売となります。合わせてよろしくお願いします。
https://www.amazon.co.jp/dp/4833423782/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_CIVvFb0TJ9RA7
読んでくださってありがとうございました。日本をスープの国にする野望を持っています。サポートがたまったらあたらしい鍋を買ってレポートしますね。