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家事ができることは「魔法使い」の属性を持つに等しい

スープ作家の有賀薫です。最近は「新しいカテイカ」という活動で、これからの家庭や家事のスタイルを考えています。

家事は、回復の呪文

さて、タイトルの「魔法使い」は、国民的ゲーム『ドラゴンクエスト』に出てくる「魔法使い」のこと。知らない方のために説明すると、魔法使いは、さまざまな効果を持つ「呪文」を唱えて仲間を助ける。

旅の途中で出会ったモンスターを「攻撃の呪文」で撃退したり、傷ついた仲間のHPを「回復の呪文」で戦える状態に戻したりしてくれる。

家事の話を考えているとき、ふとこの「回復の呪文」が頭をよぎった。そうか、家事って回復の呪文をとなえるようなものなんだ。
私たちが呪文をとなえても料理は出てこないし家もきれいにはならないけれど、家事の役割としてのイメージは、これに近い。

家事には「癒し」の効果がある。生活するうえでの役割を、仕事=攻撃、家事=回復、という風に考えるととてもわかりやすい。

外に出てお金を稼いだり社会活動をするのは、一種の闘い。でも家に帰ったら回復が必要だ。食事でお腹を満たし、好みに調節された部屋の中で緊張した体と心をゆるめていく。回復をサポートするのが、家事なのだ。

闘えるチームを作るには

ドラクエでは、プレイヤーは、「勇者」「武闘家」「魔法使い」「商人」「盗賊」など、さまざまな属性のキャラクターを組み合わせて、自分のチーム編成をする。このとき大事なのは、バランスだ。

たとえば、攻撃タイプの「武闘家」ばかりいるチームだと、弱い敵のときには圧倒的に勝てるが、強いボスキャラと当たって長期戦になったり、魔法で麻痺させられたりすると、アウトになる。逆に、回復タイプの「僧侶」ばかりのチームだと、あるところから先に進めそうな感じがしない。パワー不足だ。

家庭も全く同じで、かつては日本では男性が仕事=攻撃、女性が家事育児=回復を主に担ってバランスをとってきたが、今は女性も働いていることが多いので、武闘家タイプが二人、という感じになっている。こうなると、傷ついた体を癒す人がいない。だからみんな疲れている。癒しの能力を持つ人が減った社会の空気そのものも、人を疲れさせる。

女性の生きかたを尊重するという以上に、家事をやれる人間が二人に増えることは人を癒す力が高まり、家庭にとってより強いチームが作れるということだ。
家事をうまく回すことで生活の基盤ができれば、人生という長期戦を疲労なく戦える。だからこそ、男女問わず家事参加には大きな意味がある。

2人が魔法を使える家庭に

家事能力は女性にだけ持たされたものではない。むしろ家事のいくつかは男性に適正がある。家での仕事の大きな特長である「回復」の呪文を男性もとなえることができ、自分自身を、そして家族を癒すことができれば、家庭はすごく楽になると思う。社会全体の豊かさにつながると言ってもいいぐらい、大きな力になる。

家事問題が女性問題とすりかえられることを私はあまり望まない。家事というのは、誰にとっても本当に重要で、根幹的なものであるのだから、もっとまっすぐな目で見た方がいいと思う。

エネルギーゲージが残り3ぐらいになっているのに、まだ働いている私たち。ドラクエなら必ず魔法使いに「ホイミ!」の呪文を唱えさせるタイミングのはず。

家事スキルにもステップアップが必要。簡単に習得できる呪文から覚えていこう。それがスープだと私は思っているのだけれど。

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読んでくださってありがとうございました。日本をスープの国にする野望を持っています。サポートがたまったらあたらしい鍋を買ってレポートしますね。