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「雪の集落」音も無くしんしんと降り積る雪の中 古民家の居間には暖炉を囲む家族のなごやかな顔と顔が見える様です

生徒さんが作品に取りかかる前に何を描くのかを
話し合う時間を設けています。
・こんなに素敵な風景を、こんなにかわいいペットを絵にしたい。
・こんなに哀しかった思いを、絵に残しておきたい。
・こんなに嬉しい事を、みんなに伝える為に絵にしたい。
それぞれの想いや感動や想像があって、モチーフは決まって来ます。
そんな想いのこもった生徒さんの作品を、
ご紹介していきたいと思います。                若林 薫


雪の集落   F4(33.3×24.2)㎝  アクリル画  TNさん


冬場にはすっぽりと雪の中に閉ざされる豪雪地帯
その山間部で生まれ育った作者は
幼少期に体験した事が 
体にも心にも染みついているのでしょう

青年期には都市部で働き家族も持ち
そして今 温暖な湘南の地で暮らしています

ところがその季節やその時が訪れると
いてもたってもいられず
ひとりで厳冬のふるさとや極寒の山々にも
更に朝霧にけむる湖や沼や川面の景色を
写真に収める為出掛ける様です

車にカメラや機材をいっぱい詰め込んで
車中泊の為の防寒対策も万全にして
出発する様子が目に浮かびます

地元湘南の写真クラブに所属し
いろんな展覧会へも出品しています
昨年も二科展写真部への入選を果たすなど
精力的に写真撮影に取り組んでいます

そんな活動の中 撮り溜めた写真の一枚を抜き出し
それをモチーフにして絵画作品を制作しました

黒とグレーのアクリル絵の具をベタ塗りした後
空と雪の部分以外をマスケットインクで覆います
空と降り積もった雪を彩色し良く乾かして
マスケットインクをはがすと
木立や建物が見える様になります

このマスキング技法を利用し
モノクロの雪に埋もれた
茅葺屋根の山村を描いています

音も無くしんしんと降り積る雪の中
古民家の居間には 暖炉を囲む家族の
なごやかな顔と顔が見える様です

心あたたまる作品に
なぜか気持ちがゆるんでしまいます
                                            
                                           絵画講師 若林薫 評



「作品をご覧頂きありがとうございました。気に入って頂けましたら、
スキ・コメント・フォローなど頂けますと創作活動の励みになります。
よろしくお願い致します!」


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