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せめぎ合う 力と力。危機的曲面を暗示 する社会派的作品

生徒さんが作品に取りかかる前に何を描くのかを
話し合う時間を設けています。
・こんなに素敵な風景を、こんなにかわいいペットを絵にしたい。
・こんなに哀しかった思いを、絵に残しておきたい。
・こんなに嬉しい事を、みんなに伝える為に絵にしたい。
それぞれの想いや感動や想像があって、モチーフは決まって来ます。
そんな想いのこもった生徒さんの作品を、
ご紹介していきたいと思います。                若林 薫


Crisis (危機)  S50号(116.7×116.7)㎝  ミクストメディア MIさん
2022年 第44回平塚市市展  奨励賞受賞


S50号の大画面を大小四つの面に分割し
アクリル絵の具で塗り分け
せめぎ合う 力と力を
表現していると思います

 自らの領域りょういきを守り抜こうとする前衛ぜんえいのラインと
それを突破しようとする相手の攻撃力こうげきりょく
無数のステンレスビスを画面にねじ込み
点描を思わせる表現で 
その作業を行っています

作者は絵筆を使って描画するよりも
造形的半立体的表現ぞうけいてきはんりったいてきひょうげんを得意としています

この作品は世界中で起きる
様々な危機的状況を
抽象的表現の中に数多く盛り込んでいる様に思います

 例えば 自然界の動植物の生態をおびやかす 
人間の開発行為

ウィルスが繰り広げる人や動物の命をうば
世界的流行のパンデミック

戦争を引き起こしてしまう程の 他国への内政干渉ないせいかんしょう

更に差別や区別につながる種族・民族の関係など

 
行ってはならない 
有ってはならない

危機的曲面を暗示する社会派的作品に
成っていると思います

作者は この種のテーマを20年以上に渡って
制作し続けています

その心の叫びが 
いつかきっと
社会に届く日が来る事を願います
                  絵画講師 若林 薫 評



「作品をご覧頂きありがとうございました。気に入って頂けましたら、
スキ・コメント・フォローなど頂けますと創作活動の励みになります。
よろしくお願い致します!」








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