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「僕はポスト」僕は大きな口を開けて手紙やハガキが投げ込まれるのを身動きひとつしないで待っているというのに・・・。

若林 薫/絵画講師

絵画は生きている証を次の世代に残す作業であり
絵画はその時代を映す鏡だと思います
今強く感じることを描き残し 描き続けて行きます

右を見ても左を見ても 
みんなケイタイを素早く操作しながら
誰かとメールのやりとりをしています

僕の横っ腹にもたれかかってメールをしている人や
台座をイス替りにして電話をしている人も居ます 

僕は大きな口を開けて
手紙やハガキが投げ込まれるのを
身動きひとつしないで待っているというのに・・・。

ただ夕方になると仕事で出来た郵便物を持った
かわいい事務員さんが
たくさんの封筒を投函してくれます 

それは嬉しい事ですが 
僕に背を向けたかと思うとすぐに
カバンからケイタイをとりだして
誰かにメールします 
夕食の約束かどこかへ出掛けるスケジュールの
打合せなのかもしれません 

あしたからは大型連休が始まるのです・・・。
Eメールが通信の主要な部分を担う現在
僕は次第に使われなくなり
街頭から姿を消す日が来るのかもしれません

僕はポスト  S3号(27.3×27.3)㎝  アクリル画

 

明治4年(1871年)に建てられた僕は
「書状集め箱」と呼ばれていました
木で造られ 家の形をしていました
昭和に入ると赤いだるま型の僕が
主流になって来ました 

無駄の多いデザインは
どこか暖か味を感じさせてくれますが
クールさには欠けてしまいます

やがてそれも少しずつ姿を変え
現在の四角い形になりました

シンプルで今の都市空間や環境に
なじむデザインになった反面
無機質で味気の無いものに
なった様な気がします

 

描き方

木製パネルに寒冷紗をジェッソ貼り 
ライトモデリングペーストでマチエール(絵肌)を創り
アクリル絵の具で描画彩色しています 



郵政省関東郵政局 2000年発行・2012年増刷発行
湘南ひらつか七夕まつり
切手プリペイドカード


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