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水を描く・・・。

生徒さんが作品に取りかかる前に何を描くのかを
話し合う時間を設けています。
・こんなに素敵な風景を、こんなにかわいいペットを絵にしたい。
・こんなに哀しかった思いを、絵に残しておきたい。
・こんなに嬉しい事を、みんなに伝える為に絵にしたい。
それぞれの想いや感動や想像があって、モチーフは決まって来ます。
そんな想いのこもった生徒さんの作品を、
ご紹介していきたいと思います。           若林 薫



清 涼   F20号(72.7×72.7)㎝  FOさん


家族で出掛けた上高地を
涼やかに流れる梓川の風景を点描で描いています
この技法は大変根気のいる作業です
F20号を点で埋め尽くす事はそれなりの覚悟が必要です

乾いた砂地の川岸などを表現するには
点描は適していると思いますが
流れる水の表現はなかなかの難しさを伴います
作者自身も描き始めた頃は
戸惑いもあったのだと思います
これで本当に水に成るのかと
不安に思っていたのかもしれません

それでも描き進めるうちに納得が確信に変わって行き
一気に完成へと 登りつめたのだと思います
更に水中に見える石ころのひとつひとつにも影を付け
水の中の様子を丹念に描いています
 
今回の作品構成で作者が一番迷ったのは
河原で遊ぶ家族の姿を画面に入れるかどうかだと思います
人物を描き込む事で鑑賞者の目はそこに意識され
風景の素晴らしさが見落とされるのではないか?
又 逆に家族にとっては記念的なものなので
人物を描きたいとの葛藤が少なからず有った事だと思います

現地の自然の大きさや水や空気の清涼感を感じてもらうには
何も描かなかった事が成功した一因の様に思います

出来上がった作品は2022年10月第70回記念を迎える
平塚市文化祭へ出品し見事に 優秀賞を受賞しました
努力が報われた瞬間だと思います
本当におめでとうございます
                 
                                                           絵画講師 若林薫 評




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